ボケを得るには、F値か焦点距離か

以前の記事で、ジャンクで売っていたTokinaの70-210mmで撮影した写真を上げた。そこで気がついたのが、単純にボケを得たいだけならば焦点距離の長いレンズを使えば良いだけ。

と言うことだ。そこで、実際に焦点距離が違うとピント面がどう違うのか？を数値で表してみよう。今回はAPS-Cにおける中望遠以上のレンズで考えてみよう。焦点距離は換算ではなく実際のレンズの焦点距離だ。被写体距離は10ｍに設定。

APS-Cボディによる10ｍ先のピント面の被写界深度(ｍ）

お分かりいただけただろうか？PENTAXのレンズで例えると、

smcPENTAX-DA*55mmF1.4SDMにおける開放F値で撮ったピント面とsmcPENTAX-DA50-200mmF4-5.6 EDWRをF8まで絞っても3倍以上の被写界深度の差が存在する。smcPENTAX-DA18-135mmF3.5-5.6ED AL [IF]DC WRの望遠端の開放F値でも被写界深度は半分ほどだ。

つまるところ、ボケの綺麗汚い関係なく、ただ単純にボケ量を得たいと思ったら安い望遠レンズでボケを作った方が遥かに手軽。もちろん画角が違うので、使い勝手が全く違うのは念頭に置いておこう。「距離を取ることが出来るのであれば、焦点距離が長い方が安くボケを得ることが出来る。」と言うことだ。単焦点で明るいレンズを買うよりも、高倍率or望遠ズームレンズで画角を調整しつつボケ量を得た方が遥かに簡単かつスピーディに撮影出来るだろう。

じゃあ安い望遠レンズで事足りるのか？と言われるとそうでも無い。諸収差が抑えられている高級単焦点・大口径ズームレンズの方が遥かに良いのは確か。軍資金が潤沢にあるのであれば、迷うことなく高級レンズ群を買った方が幸せになれる。

しかし、安いレンズでも絞れば諸収差も目立たなくなるので適時絞ればなんとかなる（ボケ量は落ちるが）。300mmのレンズをF11まで絞ったとしても被写界深度は50mmのF1.4よりｍ遥かに浅い。

つまり何が言いたいかと言うとsmcPENTAX-DA*300mmF4ED[IF]SDM。今までの話を整理すると望遠レンズ大正義、それに収差が良好に補正されている高級単焦点なら、恐らく感動出来る描写が出来るに違いない…。11万と高価なレンズだけど食指が動くぜ！
（2015年11月5日追記：実際購入してみた。5月にこの記事を書いたときよりは大分カメラについて知識が深まり、直向に「望遠レンズ バンザイ」とは感じなくなった。改めて言おう「中・望遠レンズ バンザイ」と！＊注:ボケ量に限る話）

「安いレンズで絞れば良い」って言ったばっかりで何言ってるの。っておっしゃる意見もごもっとも。しかし、どうせだったら汚い収差が抑えられている良いレンズを使ってみたいぜ！ってのが機材道楽の悲しい性。買ったら買ったで11万の★300mmと7000円のA17（TAMRON70-300mm）を比べてみるのだけどね。（2015年11月10日追記：ハイ、全然違いました）

300mmとなると若干使い勝手が悪いので、例えばsmcPENTAX-FA135mm F2.8 [IF] とか如何だろう？1段2段絞ってもまだまだDA*55ｍｍよりも被写界深度は浅かったりする。しかもお値段は3万円ほどの中古価格が存在する。しかし、長い焦点距離でイケるのなら★300mm。

さらに安いレンズを挙げると、例えばMFレンズのsmc PENTAX-M 135mm F3.5。これは比較的安価に取引されており、4千?5千円で中古市場で取引されていたりする。これもF11まで絞ったとしても50mmF1.4とそこまで変わらない被写界深度だったりする。しかし、別に金額を気にしないのであれば★300mm。

FA31mmF1.8ALを買ったばかりなのに、ちょっと気になる★300mm。
どうする？どうしよう…。

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