2023年12月19日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。自動制御に対応したティルトシフトレンズで、各種設定値を自動的に駆動しつつ複数枚の撮影を可能とするブラケット撮影に関する特許のようです。
概要
- 【公開番号】P2023179295
- 【公開日】2023-12-19
- 【発明の名称】撮像装置および制御方法
- 【出願日】2022-06-07
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】ユーザが手動で難しい調整を行わなくても様々なティルト量、シフト量およびレボルビング量での撮影画像を容易に得られるようにする。
- 【背景技術】
【0002】
光学系を撮像素子の撮像面の法線に対して光軸を傾斜(ティルト)させたり撮像面に対して光軸を平行移動(シフト)させたりすることで、ピントが合う距離範囲や遠近感を変更した撮影を可能とするレンズ装置が使用されている。さらにティルトまたはシフトした状態で光学系を回転(レボルビング)させることが可能なレンズ装置もある。- 【0003】
特許文献1には、ユーザが操作つまみを手動で回転操作することで光学系をティルトさせたりシフトさせたりすることが可能なレンズ装置が開示されている。- 【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたレンズ装置では、ユーザはファインダを覗きながら又はモニタに表示されたライブビュー画像を見ながら操作つまみを操作してティルト量やシフト量を調整する必要がある。この操作に不慣れなユーザにとっては、ティルト量やシフト量を適切に調整することが困難であり、さらにティルトやシフトによる撮影画像への効果がイメージしにくいために所望の撮影画像を得ることも困難である。- 【0006】
本発明は、ユーザが手動で難しい調整を行わなくても様々なティルト量、シフト量およびレボルビング量での撮影画像を容易に得られるようにした撮像装置を提供する。- 【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、ティルト、シフトおよびレボルビングのうち少なくとも1つの動きのアクチュエータによる駆動が可能な光学系を通して撮影を行う。該撮像装置は、アクチュエータを制御して上記少なくとも1つの動きを所定量ずつ駆動しながら撮像装置に複数回の撮影を行わせるカメラ制御手段と、所定量のユーザによる設定を可能とする設定手段とを有することを特徴とする。- 【0009】
また本発明の他の一側面としての制御方法は、ティルト、シフトおよびレボルビングのうち少なくとも1つの動きのアクチュエータによる駆動が可能な光学系を通して撮影を行う撮像装置に適用される。該制御方法は、アクチュエータを制御して上記少なくとも1つの動きを所定量ずつ駆動しながら撮像装置に複数回の撮影を行わせるステップと、所定量のユーザによる設定を可能とするステップとを有することを特徴とする。- 【0032】
以上の処理により、装着された交換レンズ100に対するティルト、シフトおよびレボルビング操作のうち少なくとも1つが可能であると判断したカメラマイコン206は、ブラケット撮影に関する設定をユーザに行わせる。ブラケット撮影では、ティルト、シフトおよびレボルビングのうちいずれかの駆動位置を所定量ずつ変化させながら所定の複数回の撮影を行う。- 【0034】
全体幅設定モードは、一連のブラケット撮影の開始から終了までのティルト、シフトまたはレボルビングの全駆動量(全体幅)をユーザが設定することができる第1モードである。全体幅は、全ティルト駆動範囲、全シフト駆動範囲および全レボルビング駆動範囲内で設定可能な駆動量である。この全体幅設定モードは、ティルト、シフトまたはレボルビングの駆動位置を大まかに変化させながら複数回数の撮影を行って、ユーザの希望に近い設定を見つけるのに適したモードである。- 【0035】
ステップ幅設定モードは、撮影ごとに変化させるティルト、シフトまたはレボルビングのステップ幅(所定量)をユーザが設定することができる第2モードである。このステップ幅設定モードは、ユーザが希望する設定がほぼ見つかっており、その設定近くで駆動位置を微妙に変化させながらユーザにより選択された複数回数の撮影を行って、最終的に希望に合った撮影画像を選択するのに適したモードである。
キヤノンは既にティルト・シフトレンズ撮影の自動制御に関する特許をいくつも出願していますが、今回は複数回の撮影でティルト・シフトを駆動しながら自動制御する仕組みに関するものとなっています。ブラケット撮影のティルトシフト版と言ったところでしょうか。
調整量が異なるティルト撮影を自動的に連続撮影でき、撮影後にベストな一枚を選択できると考えると面白い機能と言えそうです。フォーカスブラケットからの深度合成のように、適切なピント位置の合成処理も可能となるのか気になるところ。
今のところ、このような機能を実装したカメラは存在しません。しかし、将来的に高機能なティルトシフトレンズと共に実装されるかもしれませんね。
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