このページではタムロン製フルサイズソニーEマウント対応交換レンズ「17-28mm F/2.8 Di III RXD」の解像力テスト結果とレビューを公開しています。
Index
17-28mm F/2.8 Di III RXD 解像性能 検証
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7 III
- 交換レンズ:17-28mm F/2.8 Di III RXD
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- OM-D E-M1XのRAWファイルを使用
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
解像力テスト
17mm
中央領域は絞り開放から非常に良好。単焦点レンズと比べて遜色無いレベルの解像性能で絞っても改善しません。ピークはF2.8~F8までで、F11以降は回折の影響で徐々に数値が低下します。
中央と比べると周辺や四隅は平凡。決して悪くは無いものの、絞り開放は良像の最低値スレスレと言った印象。幸いにも絞ると急速に改善し、F4で良好な性能を発揮し、F5.6まで絞れば中央と同程度のパフォーマンスを発揮します。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F2.8 | 3646 | 2591 | 2481 |
F4 | 3671 | 3176 | 2805 |
F5.6 | 3571 | 3621 | 3249 |
F8 | 3571 | 3482 | 3030 |
F11 | 3297 | 3260 | 2810 |
F16 | 3136 | 2815 | 2673 |
F22 | 2742 | 2538 | 2098 |
20mm
基本的には17mmとほぼ同じ傾向を示しています。
やはり中央は絞り開放からピークのパフォーマンスでF11までこれを維持。周辺部は17mmの絞り開放より悪化しているものの、絞ると同じように改善します。ただし、中央のパフォーマンスに追いつくのはF5.6では無くF8まで絞った時。とは言え、「3000本」前後の数値が出ていれば非常に良好なのでF5.6でもOK。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F2.8 | 3952 | 2773 | 2198 |
F4 | 3663 | 2987 | 2604 |
F5.6 | 3637 | 3211 | 2651 |
F8 | 3637 | 3440 | 2809 |
F11 | 3412 | 3093 | 2860 |
F16 | 3153 | 2987 | 2604 |
F22 | 2763 | 2373 | 2145 |
24mm
20mmとほぼ同じ傾向です。
敢えて言えばF4での改善が小さく、F8でフレーム全域がピークに至るまで周辺や四隅は緩やかに改善しています。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F2.8 | 3537 | 2319 | 2247 |
F4 | 3676 | 2697 | 2220 |
F5.6 | 3510 | 3112 | 2912 |
F8 | 3510 | 3562 | 3040 |
F11 | 3454 | 3265 | 2963 |
F16 | 3204 | 3021 | 2732 |
F22 | 2760 | 2616 | 2373 |
28mm
絞り開放付近における「中央領域と四隅領域の解像性能差」が最も大きくなる焦点距離。
中央は以前としては非常に良好なパフォーマンスを発揮するものの、特に四隅が「2000本」を切る解像性能の低さ。パンフォーカスで撮影するなら、2段絞ってF5.6を使いたいところ。
他の焦点距離と違い、F8まで絞っても四隅領域が中央に追いつくことはありません。とは言っても「3000本」に達する解像性能を発揮するため、絞ればまったく不満無し。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F2.8 | 3396 | 2205 | 1760 |
F4 | 3653 | 2288 | 2156 |
F5.6 | 3710 | 3130 | 2637 |
F8 | 3653 | 3510 | 2926 |
F11 | 3710 | 3524 | 3040 |
F16 | 3510 | 3074 | 3147 |
F22 | 2711 | 2708 | 2320 |
コストパフォーマンス良好な広角ズームレンズ
絞り開放の解像性能にムラがあるものの、癖を理解して使えば特に問題となることは無いはず。
1万円の小型軽量な大口径広角ズームレンズとしてはとても良好な解像性能であり、これで人気が出ないわけがない。
小型軽量なα7ユーザーにおススメの一本。外観や操作性、その他描写性能などは後日公開予定。
今回使用した機材
ILCE-7M3 | |||
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α7 III ILCE-7M3K | |||
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