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シグマ 18-50mm F2.8 DC DN RF レンズレビューVol.5 ボケ編

シグマ「18-50mm F2.8 DC DN RF mount」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。強みと言えるほど綺麗なボケではないものの、弱みと言えるほど見苦しい描写でもない模様。

今回の簡易的なまとめ

決して悪くはないものの、ボケを重視する際に選ぶレンズとしてはパンチが弱い印象。広角側の接写時はまずまず良好ですが、よりボケを得やすい35mmや50mmではボケの縁取りや色収差が目立ちやすい。接写時以外は少し絞ったほうが良い結果を得られるかもしれません。

Although it's not bad at all, it doesn't really pack a punch as a lens to use when you want to emphasize bokeh. It's okay for close-ups on the wide-angle side, but the bokeh edges and chromatic aberration are more noticeable at 35mm and 50mm, where it's easier to get bokeh. You might get better results if you stopped down a little bit when not shooting close-ups.

18-50mm F2.8 DC DN RF mountのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ニュートラル寄りですが、少なくとも50mmでは後ボケが比較的柔らかい描写。ボケの縁取りが弱く、自然と背景に溶け込んでいくように見えます。残念ながら、軸上色収差の影響が僅かに残っています。

前ボケ

後ボケとは異なり、やや硬い描写。さらに軸上色収差の影響があるため、状況によっては悪目立ちするかもしれません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

18mm

縁取りが弱く、玉ねぎボケが目立たず、口径食の影響も良く抑えられています。「18mm F2.8」のため大きなボケは得にくいですが、持ち前の接写性能を活かすことでボケを作ることが可能。

35mm

口径食はフレームの隅を除けば穏やかですが、諸収差の項目で指摘したように、軸上色収差の影響がやや目立ちます。

50mm

35mmと同じく、ボケに軸上色収差の影響が僅かにあります。

ボケ実写

18mm

ボケが大きい接写時は滑らかな後ボケですが、撮影距離が長い場合は周辺部が少し騒がしい描写。騒がしいと感じた場合はF4-5.6まで絞ると改善します。全高170cmの三脚をフレーム一杯に撮影すると、ボケはほとんどなく、ボケ質が気にならない。

35mm

18mmとよく似た傾向ですが、軸上色収差の影響が少し強くなります。気にならない程度ですが、状況によってはF4かF5.6まで絞ったほうが良くなる可能性あり。

50mm

35mmと同じ傾向ですが、50mm F2.8のボケが大きいのため、目障りとならない場合も多い。

まとめ

決して悪くはないものの、ボケを重視する際に選ぶレンズとしてはパンチが弱い印象。広角側の接写時はまずまず良好ですが、よりボケを得やすい35mmや50mmではボケの縁取りや色収差が目立ちやすい。接写時以外は少し絞ったほうが良い結果を得られるかもしれません。とは言ったものの、これはボケを重視した際の感想であり、特に重視しない場合は「差し障りのない描写」と感じるかもしれません。極端な口径食や玉ねぎボケは無く、色収差の影響も僅か。価格を考慮すると十分すぎるパフォーマンス。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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