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シグマ 18-50mm F2.8 DC DN RF レンズレビューVol.3 解像チャート編

シグマ「18-50mm F2.8 DC DN RF mount」のレビュー第三弾を公開。近距離の解像チャートにて、欠点となるのは18mm F2.8における周辺・隅のみで、他の焦点距離やF値では概ね良好。かつ、均質性の高い結果が得られました。

今回の簡易的なまとめ

少なくとも解像性能に関してはとても安定感のある優れたレンズ。欠点となるのは18mmの絞り開放付近くらいで、それ以外は均質性の高い結果を得ることができます。細部を見ると単焦点ほどの切れ味、マイクロコントラストではないかもしれませんが、必要十分かそれ以上の実力を備えています。ただし、実写では(近接時に)像面湾曲の影響を受けるため、パンフォーカスを得たい場合は少し強めに絞ったほうが良いかもしれません。

This is an excellent lens that is very stable, at least as far as resolution performance is concerned. The only drawback is around the maximum aperture at 18mm, otherwise the results are highly homogeneous. It may not be as sharp or micro-contrasty as a single focal length when looking at the details, but it is competent enough or better than necessary. However, in real-world shooting, it is subject to image curvature (at close-up), so if you want to get pan-focus, you may need to stop down a little harder.

18-50mm F2.8 DC DN RF mountのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R7
  • 交換レンズ:18-50mm F2.8 DC DN RF-mount
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

18mm

接写時は像面湾曲が強いうえ、周辺部や隅の性能が低下します。標準ズームの広角端接写時のパフォーマンスとしては一般的な傾向であり、絞って大きく向上する点で他の製品よりも良好。少なくとも中央はF2.8から非常に良好で、周辺や隅もF5.6まで絞ると大きく改善します。

残存する倍率色収差が存在するものの、自動補正しやすい問題なので心配無用。18mm F2.8 隅はこのレンズで最も画質が低下するポイントであり、これを許容できるのであれば他の焦点距離やF値は問題ないと言えるでしょう。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 3802 2195 1444
F4.0 3743 2968 2329
F5.6 4121 3480 2945
F8.0 3544 3685 3081
F11 3223 3541 2919
F16 2711 2529 2453
F22 2166 1962 2013

実写確認

24mm

18mmと比べると、絞り開放のF2.8から全体的に良好。特に中央はF2.8からほぼピークの性能を発揮し、周辺や隅もF4~F5.6で非常に良好な結果を得ることが出来ます。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 3937 3214 2363
F4.0 4185 3834 3293
F5.6 4184 4133 3386
F8.0 3600 2991 3479
F11 3008 3037 3060
F16 2795 2828 2574
F22 2159 2037 1898

実写確認

28mm

中央の数値が広角側と比べて低下。その代わり、周辺や隅との画質差が小さく、均質性の高い結果を得ることが可能。F2.8から全体的にほぼピークの画質であり、絞りによる改善幅が小さい。単焦点レンズほど切れ味のある描写ではありませんが、必要十分性能を備えています。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 3352 3659 3111
F4.0 3421 3766 3408
F5.6 4041 3874 3608
F8.0 3398 3720 3386
F11 3000 3352 3164
F16 2665 2500 2499
F22 2159 2182 2049

実写確認

35mm

28mmと同じ傾向ですが、F2.8におけるパフォーマンスが全体的に少し低下。このあたりから軸上色収差を含めた残存収差が影響していると思われます。F4-F5.6まで絞ると改善。均質性は非常に高く、中央から隅までほぼ同じ結果を得ることができます。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 2919 3223 3208
F4.0 3242 3502 3586
F5.6 3757 3703 3519
F8.0 3480 3618 3591
F11 3261 3060 2964
F16 2577 2527 2408
F22 2028 1995 1919

実写確認

50mm

35mmと同傾向で、F2.8のパフォーマンスはさらに低下します。解像性能を重視する場合はF4-5.6まで絞ったほうが良いでしょう。それでも、標準ズームの望遠端としてはフレーム周辺・隅の性能低下が少なく、安定感のあるパフォーマンスを発揮しています。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 2914 2685 2564
F4.0 3456 3316 2803
F5.6 3408 3659 3189
F8.0 3327 3605 3232
F11 3194 3204 2972
F16 2625 2735 2386
F22 1969 2023 2012

実写確認

他製品との比較

競合する製品が存在しないため、キヤノンキットレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と比較。

RF-S18-45mmは小型軽量という以外に取り柄が無く、シグマは24mm以降で特に周辺部や隅のパフォーマンスが良好。価格差やサイズ差が問題とならないのであれば、個人的にはシグマがおススメ。

まとめ

少なくとも解像性能に関してはとても安定感のある優れたレンズ。欠点となるのは18mmの絞り開放付近くらいで、それ以外は均質性の高い結果を得ることができます。細部を見ると単焦点ほどの切れ味、マイクロコントラストではないかもしれませんが、必要十分かそれ以上の実力を備えています。ただし、実写では(近接時に)像面湾曲の影響を受けるため、パンフォーカスを得たい場合は少し強めに絞ったほうが良いかもしれません。キヤノンの広角端18mmは少し狭い気もしますが、それを許容できるのであればAPS-C RFで真っ先に検討すべきレンズの一つ。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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