まえがき
マイクロフォーサーズの利点の一つに「フルサイズやAPS-Cと比べてシステムを小さく出来る」という点を挙げることが出来る。
その突き詰めたボディがパナソニックのLUMIX DMC-GM1S。
それじゃあ、この小さなボディに見合う超絶コンパクトなレンズはどれだ?と考えた時に思いついたのがこのレンズ。
片やオリンパスのOM-D E-M1にボディキャップ代わりについて来る広角レンズであったり、片や1万円しない価格で手に入る魚眼レンズであったりする。
レンズも小さく「トイレンズじゃないか」と思ってしまう。ところがドッコイ、これが画質もソコソコよろしく楽しむ分にはとても使い勝手が良いのだ。
外観
軽量・コンパクト
もともとコンパクトデジタルカメラ並の小ささを誇るボディに、マイクロフォーサーズ最小のレンズを装着した。
ややマウントとレンズ部が出っ張るものの、これならば十分ポケットに押し込めるサイズ。
35mm換算で18mmの広角魚眼レンズがこの大きさなのだから、画質が多少悪くとも携帯性の良さでカバー出来てしまう。
フラットなボディのGM1Sに装着すると、厚みも無くとてもスッキリしている。
コンパクトデジタルカメラで1.5型センサーのG1X Mark IIなどと比べるととても小さい。APS-Cの単焦点コンパクトデジタルカメラと比較してもかなり小さい。魚眼レンズが使えるコンデジがそもそも貴重。
操作・造り
このレンズは全体的にプラスチック製となっているので、耐久性に関しては金属マウント程ではない。とは言え、荷重のかかるレンズでは無いしどこかにぶつけるようなサイズのもので無いことからプラスチックマウントで十分と思う。
このレンズはボディとの電子接点を持たない為、完全マニュアル操作が必要なレンズだ。
と言っても、ズームが出来るわけでもなくF値を調整出来るわけでもない(F8固定)。マニュアル操作が必要なのはフォーカシングだけである。
ただし、これもざっくり「無限遠」「パンフォーカス」「近接0.2m」の三通りしか無い。「風景」「スナップ」「接写」程度に割り切って操作すれば良いだろう。
防塵防滴仕様では無いので、ハードなロケーションには弱い。
特にフォーカス操作用のレバー部は大きく隙間が開いているので、そこから異物の混入は多そうな印象。
さらに、前玉・後玉ともに小さいレンズなので、小ゴミが混入した場合の影響度合いも大きいだろう。特に中古購入する場合には目で見て確認するだけでなく、実際にマウントして撮影した画像をチェックしてみると良いだろう。
OM-D E-M1の様にグリップが大きいボディにマウントする場合には注意が必要だ。
9mm魚眼の場合には画角が広く、グリップを握る右手が写るか映らないかのフレーミングとなってしまう。私の場合は特に写り込む心配は無かったが、グローブなどをしている場合には注意するべきだろう。
実写編
ボディキャップレンズ 15mmF8
近寄ってきたウサギを自撮りっぽく持ってパチリ。
15mmのF8と被写界深度はかなり深いので、0.2mの接写状態でスナップシュートも結構簡単。もちろん、ボツカットもそこそこ多くなるけども。
お日柄が良ければF8でも低感度でシャッタースピードを稼ぐことが出来るので、本格的なレンズと画質の差はかなり小さくなる。
0.2m接写の場合は背景をややボカす事が出来る。
あまり綺麗な滲み方では無いものの、拡大しなければあまり気にならないと思う。
DMC-GM1Sは1/500秒以上の高速シャッターから電子シャッターに切り替わる仕組みになっている。
ただし、電子シャッター自体は1/16000秒まで実装されているので一眼レフのように1/8000秒縛りが無い。
逆光時に適正露出を維持したり、ドピーカンでアンダーを狙いたい場合には結構便利。
逆光耐性は思いの外良好で、太陽のような光源を嫌らしい位置にもって来なければそう目立つこともない。
中央の解像度は並のズームレンズ程度はしっかり確保出来るレベルで、ディテールもしっかりと表現される。これはちょっと驚きだ。
ただし、周辺部や四隅に関しては目に見えて描写が甘い。無限遠やパンフォーカスを使った遠景や中景では限界を感じると思う。とは言え、拡大無しの記録写真としては上々の写りだと思う。
ボディキャップレンズ 9mm F8 FishEYE
E-M1について来た15mm F8と違って、こちらは単品で買い足した物。これは良い買い物だった。
実売9千円程度するが、そのコストに見合う性能は持っていると思う。
15mm F8と比べて、画質が安定している中央の域が広くとても良好な像を得ることが出来る。さらに、換算18mmの広い画角に加えて「魚眼」らしい強烈な歪曲をしっかりと楽しむ事が出来る。
コントラストが強く、特に青や緑の発色は良好。
0.2mの接写が可能なので、15mmよりさらに画角が広いものの、背景をややボカす事が出来る。
15mm同様に背面液晶を確認しなくても、あてずっぽうにシャッターを着ることが出来ちゃう。
1600万画素のJPEGオンリーというGM1Sのスペックもあり、「取り敢えずシャッター切っとくか」と軽く考える事が出来るのだと思う。
ローアングルで水平にカメラを構えてやれば、歪曲感が薄まり超広角レンズとして使うことも出来そうだ。
接写はおよそこの程度まで可能。
パナソニックは高感度ノイズの処理が上手く、パッと見ていやらしいノイズが出ない点がGood。
但し、ディテールは潰れてしまっているので、細かく見ると「油絵」っぽく見えてしまうかもしれない。
そもそも周辺画質まで拘るレンズでも無いので、いっそディテール潰してでもノイズ処理を強目にかけるのも一つの手。
まとめ
オススメは魚眼!コンパクトなGMやPENと組み合わせると面白い
マニュアルフォーカスの魚眼でお手頃なレンズで言うと、サムヤンの8mmF3.5などがある。
しかし、それら本格的な魚眼レンズはどうしてもレンズが大きく、嵩張ってしまう。それならいっそ、画質を妥協して超コンパクトなシステムにしてしまうと言う選択肢がある。
特に魚眼レンズは使うシーンを選ぶため、常時装着しておくレンズとしては心許ない。それなら、お手頃価格で手に入るGM1Sとボディキャップレンズを組み合わせてサブカメラを組んでみよう。どちらも中古で手に入れることが出来たなら2万円前後で事足りる。
反面、15mmF8の交換レンズはやや訴求力に欠ける。確かにコンパクトなのだが、沈胴式ズームレンズがそこそこ小さいデザインでパナソニックやオリンパスから発売されている。しかも15mmの画角をカバーしてしまっているので、積極的にボディキャップ15mmを買い足す必要なないように思う。
但し、そのマニュアルフォーカスの簡単な操作はオススメで、ズームレンズでは調整し難い「画角の固定」をクイックに操作する事が出来る。
購入早見表
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