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M.ZUIKO 60mm F2.8とSIGMA 60mm F2.8 Dn Artを撮り比べる

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同じ60mmでもどっちが良いのか?

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と「60mm F2.8 DN」は焦点距離・F値が同じものの、仕様や価格には差がありますね。

「ぶっちゃけどっちが良いのか?」

と迷っている人も多いのでは無いでしょうか。そこで今回はそんな2本を撮り比べてみました。

価格の違い

M.ZUIKOとSIGMAの価格差はおよそ3倍。この2本で悩んでいる方の多くはこのポイントがまず気になるはず。

M.ZUIKO買うお金でSIGMA F2.8 DNシリーズ3本を揃えられると考えると悩ましい選択肢ですね。

後述しますが、M.ZUIKOにはレンズフードが付属していないため、必要であれば追加投資が発生することに注意。(そこまで高価なフードではありませんが)

仕様に関する違い

M.ZUIKO SIGMA
焦点距離 60mm(35mm判換算120mm相当)
最大口径比/最小口径比 F2.8/F22
レンズ構成
防滴処理 防塵防滴機構
画角 20° 20.4°
AF方式 ステッピングモーター
AFリミッター搭載
リニアモーター
最短撮影距離 0.19m 0.50m
最大撮影倍率 1.0倍 0.13倍
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø46mm
マウント規格 マイクロフォーサーズシステム ・マイクロフォーサーズシステム
・ソニーEマウントシステム
大きさ 最大径×長さ Ø56 x 82mm Ø60.8mm x 55.5mm
質量 185g 190g
鏡筒の材質 プラスチック 金属
主な同梱品 ・レンズケース
・レンズフード

色収差補正の違い

どちらもEDレンズを1枚使用し、M.ZUIKOはさらにHR・E-HRレンズを使い倍率色収差などの補正を強化しています。

EDレンズも色収差補正に効果的なレンズですが、実写を見比べる限り色収差補正はM.ZUIKOのほうが良好です。

防塵防滴

M.ZUIKO 60mmは防塵防滴仕様であり、E-M1やG9など防塵防滴仕様のカメラと組み合わせることで耐候性に優れたカメラシステムとなります。

雨天や砂塵など悪環境で使用が多いならば優先すべきはコチラ。

接写性能とAFリミッター

防塵防滴仕様に加えて大きなポイントとなるのがコレ。

シグマの最短撮影距離は0.5mなのであまり寄れるレンズではありません。一方でM.ZUIKOは35mm判換算で2倍までクローズアップして撮影することが可能。

これは大きなアドバンテージと言えるでしょう。さらにフォーカス速度の向上が期待できるフォーカスリミッターを備えています。

付属品の違い

シグマ60mmは安価なレンズながらしっかりとしたレンズケースやレンズフードが付属しています。

追加投資が必要なM.ZUIKOと比べてとても贅沢なオプションと言えるでしょう。

描写の違い

遠景解像

F2.8

フレーム全域でキレのあるシャープな画質のシグマに対し、M.ZUIKOは芳しくない。

特にフレーム四隅の像はとても甘く、実用的な解像性能を得るためには最低でもF8までは絞りたい。

これは単純に「フレーム四隅が甘い」という性質の話ではなく、像面湾曲の影響が大きい(後述)。

F4.0

開放からキレのあるシグマはF4-F5.6で解像性能のピークに至る。

M.ZUIKOは1段絞っても大きく改善しない。

F5.6

M.ZUIKOは2段絞っても四隅は甘い。中央についてもシグマほど高周波域の分解能が無いように感じる。

F8.0

ここまで絞るとM.ZUIKOの四隅も許容範囲内。あくまでも許容範囲であって「シャープな画質」と言うにはまだ甘い。

F11

もしもM.ZUIKO 60mmで遠景の風景撮影を実施するならここまでは絞りたいな、という印象。

F16

F16~F22はどちらも似たような解像性能です。

F22

M.ZUIKO 60mm F2.8 像面湾曲について

前述したようにM.ZUIKO 60mm F2.8の無限遠側は像面湾曲が大きい。片ボケの可能性を考慮してチェックしてみたものの、やはり像面湾曲の可能性が高い。

下の写真は同じM.ZUIKO 60mm F2.8を使い、F2.8絞り開放でピント位置をフレーム中央・フレーム四隅と切り替えて撮影したもの。

画質の違いは一目瞭然。フレーム四隅にピントを合わせればM.ZUIKO 60mmもやればできる子なのである。

ただし、四隅にピント合わせると中央が被写界深度から外れてしまい像が甘くなる。

と言う訳で遠景を撮影するなら小絞りを活用して被写界深度を深くしないと厳しい。

SIGMA 60mm F2.8との比較

ちなみにフレーム隅にピントを合わせた場合でシグマ60mmと比較。

フレーム隅はいい勝負、しかしそれでもシグマが依然として良好。遠景解像のコストパフォーマンスは明らかにシグマ有利。

ボケ 近距離

F2.8

ボケ質は似ているがM.ZUIKOのほうが縁取りが弱く、柔らかい描写。個人的にはM.ZUIKOの描写が好み。

しかし、イメージサークルが広いシグマのほうが四隅の玉ボケ形状は綺麗。

F4.0

M.ZUIKOのボケは好みだが、1段絞ると途端に縁取りが強くなる。

F5.6

2段絞るとレンズの個性が消えてどちらも似たような傾向となる。

ボケ 中距離

F2.8

近距離と同じく絞り開放のボケはM.ZUIKOのほうが少し柔らかい。

ボケの色づきは少なく、ハイコントラストな箇所のパープルフリンジも良く抑えられている。

F4.0

M.ZUIKOが1段絞って急速に硬いボケとなるのは近距離と同様。積極的に絞り開放を使っていきたい。幸いにも色収差が少なく使いやすい絞り開放の描写。

F5.6

ここまで絞ると似たり寄ったり。

発色

コントラストは似ているものの、彩度はシグマのほうが色濃く写っている。

M.ZUIKOはオリンパスレンズらしく、彩度が少し低く、ホワイトバランスが僅かに黄色方向へ傾いている印象。

高屈折率レンズ(HR・E-HR)の硝材の多くが黄色っぽいと言われていますが、それの影響なのか、コーティングの影響なのかは不明。オリンパスでは良くある発色傾向。

個人的にはシグマの発色が好み。

まとめ

ここがポイント

  • 遠景解像はSIGMA 60mm F2.8 DNが有利
  • M.ZUIKO 60mm F2.8 マクロの遠景は像面湾曲の影響が大きい
  • 防塵防滴・マクロ性能など汎用性はM.ZUIKO 60mm F2.8 マクロが有利
  • 色収差補正はM.ZUIKO 60mm F2.8 マクロが有利
  • ナチュラルで彩度高めのシグマとやや黄色方向へ傾くM.ZUIKO
  • 開放のボケはM.ZUIKO・チョイ絞りはSIGMAが良好
  • コストパフォーマンスはSIGMA 60mm F2.8 DNが圧倒的

同じ60mm、同じF2.8のレンズながら描写傾向や仕様は全く異なります。正直に言うと両方持っていても使い分けが可能なほど使い勝手が違う。

高価だからと言ってM.ZUIKO 60mm F2.8のほうが優れている訳では無く、「マクロレンズ」らしいチューニングのレンズ。一方で安い60mm F2.8 DNはハイパフォーマンスながら、被写体に寄れなかったり、ボケが硬かったりする。

60mmの望遠単焦点レンズを使って何を撮りたいのか?」をハッキリさせてから購入に踏み切るべきでしょう。

マクロやポートレートなど接写する機会が多いのであれば「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」に迷わず突撃。

まだ迷っている人、遠景・旅行・スナップなら「60mm F2.8 DN」がおススメ。

シグマ 60mm F2.8 DN+接写リングの提案

シグマ60mmの悩みと言えばクローズアップ性能の低さですが、接写リングを装着することでM.ZUIKO 60mm マクロに匹敵するマクロ撮影が可能。

描写性能もソコソコ良好なので「無限遠が出ない・接写リングの脱着が必要」という点を許容できるならおススメ。

60mm F2.8 DN+接写リングを購入してもM.ZUIKO 60mmよりは遥かに安価。

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