パナソニック「LUMIX G9 PRO II」のレビュー第五弾を公開。他社と見比べても豊富で柔軟性のあるISO関連の操作性、4/3型センサーとして奇跡は起こらない高ISO感度性能についてレビューしています。
LUMIX G9 PRO IIのレビュー一覧
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.6 フォーカス 編
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.5 静止画ISO感度 編
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.4 メニュー・カスタマイズ編
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.3 ドライブ・連写編
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.2 ダイナミックレンジ 編
- パナソニック LUMIX G9 PRO II レビューVol.1 外観・操作 編
- LUMIX G9 PRO II ハンズオン 外観と起動時間やシャッター音の確認【更新】
Index
ISO感度の操作性
LUMIX G9 PRO IIのISO感度は、初期設定でカメラ右上にあるISOボタンを押すことで変更可能。操作性はキヤノンライク、左端にISO AUTOが配置され、左に向かってベースISOの「100」から最高ISOの「25600」まで設定することができます。ISO選択モードではダイヤルや方向ボタンで操作出来るほか、ISOボタンを再度押すことで高感度方向へシフトさせることが出来ます。
(Tips:ISOボタンを押した場合のみ、25600から100へ「循環」が可能)撮影メニューの「ISO感度設定(写真)(動画)」ではISOオート時の下限・上限を設定可能。
頻繁にアクセスすることは無いと思いますが、多用する場合に素早く設定変更する手段はありません。必要であればマイメニューに登録しておくと良いでしょう。ISO設定の変更は初期設定で「ISOボタン」ですが、ボタンカスタマイズで増設や配置変更が可能。さらにダイヤルカスタマイズにISOを割り当てることでシームレスな操作も可能となっています。その他にもタッチFnやQ.Menuへの割り当ても可能となっており、ISO操作の自由度は非常に高い。カスタムメニューの「ISO感度ステップ」では初期設定の1/3EVから1.0EVへの切替が可能。細かい調整より素早い感度操作が必要であれば1.0EVに切り替えておくと良いかもしれません。
下限シャッター速度
基本的には従来通り。
ISO AUTO時は下限シャッター速度の設定変更が可能。これは絞り優先モードやプログラムオート時に、設定したシャッタースピードを下回りそうになると自動的にISO感度を調整してSS数値を維持する便利な機能です。被写体ブレを抑えつつ、光量が頻繁に変化するシチュエーションで重宝します。
設定値は1/32000秒から1/8000秒まで1段刻み、1/8000秒から1秒まで1/3段刻みで設定可能。他社と比べると設定値が細かくて便利。
AUTOモードは焦点距離に合わせて手ぶれを抑えた設定値に変化します。ただし、広角レンズでも下限は1/60秒止まりで、それ以上に遅くなることはありません。個人的にAUTOモード時は1/5秒くらいまで引っ張ってもらいたいのですが、AUTOモード時の振れ幅を調整する設定値は無し(ソニーなどには存在します)。
ISO感度ノイズ
撮影環境
- 照明:NALITE PavoTUBE 6C II
・CCTモード 100% - レンズ:LUMIX G 42.5mm F1.7
- 露出:ISO 100-25600 F5.6 絞り優先モード
- 三脚:Leofoto Summit LM-363C
- 雲台:Leofoto G4
- RAW現像:Adobe Lightroom Classic CC
・シャープネスオフ
・ノイズリダクションオフ
・レンズ補正オフ
ISO感度ごとの比較 モノクロ
ISO 800までは非常にクリアな画質で、ISO 1600-3200で許容範囲内。ISO 6400以降は使用する画像のサイズや撮影シーンによってノイズの影響が強い。ISO 6400まではシャドウのコントラストが維持されているものの、ISO 12800 / 25600はノイズが浮いてくるので要注意。この結果は従来通りの4/3型センサー性能と言ったところ。
ISO感度ごとの比較 カラー
最高感度まで色の大きな傾きは無いものの、ノイズの影響でISO 6400以降は少しくすんだ色に変化。ISO 12800/25600は明るい色や白色への影響も強く、パステル系の色は区別がつかなくなってしまいます。
OM-1との比較
OM-1と露出を合わせ、画像の同じ領域をクロップして比較。顕著な差ではありませんが、高ISOでは僅かにG9M2のノイズが多いように見えます。低ISOのダイナミックレンジはG9M2のほうが良好でしたが、高ISO性能は解像度なりと言ったところでしょうか。と言っても、常用するであろうISO 6400くらいまでは実写で大きな違いは分からないと思います。
まとめ
高ISO感度の性能に奇跡は起こらず、パフォーマンスは4/3型センサーなり。また、2500万画素の高解像度化はノイズ増の代償を支払っており、少なくとも積層型CMOS 2000万画素よりも若干見劣る結果となりました。このセンサーサイズとしては良好な性能と言えるかもしれませんが、APS-Cやより大型センサーに匹敵する性能ではありません。センサーサイズからくる高ISOノイズを回避するには、明るい単焦点レンズやズームレンズが有効。特に低照度の撮影ではズームの利便性を捨ててでも明るい単焦点が必須と感じるかもしれません。幸いにも、フルサイズやAPS-Cと比べるとF1.2やF1.8のレンズが手ごろな価格で入手可能となっているので検討する価値はあると思います。(さらにAFが高速なレンズも多い)競合他社と見比べても、ISO感度の操作は非常に豊富。専用ボタンが用意されているほか、ホイールやカスタマイズボタン、クイックメニュー、タッチFnなど様々な手段が用意されています。さらに低速限界シャッター速度設定のショートカットボタンも配置が可能(このカスタマイズに対応しているのはソニーとパナソニックくらい)。痒い所に手が届く操作性となっています。
参考情報
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