ここは坂井市三国町の越前水族館。
「低照度な環境」においてOM-D E-M1 Mark IIがどれほど使えるのかチェックする意味で訪れました。
カメラは撮り比べる為、E-M1 Mark IIに加えてGM1S、PENTAX K-1を持参。
とは言っても今回はそんな厳密チェックではなく「E-M1 Mark IIが(個人的に)使えるかどうか」の再確認という意味合いで実写テスト。
クラゲ
使用レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。
AFは「オールターゲット」+「C-AF」のクラスター表示に設定した。S-AFはAF速度が悪化、特にウォブリング(ピントが前後に動く)が目に付く。どうもハイブリッドAFでコントラストが悪さをしている印象。以前からそれらしい挙動を経験済みで、やはり低照度においてS-AFの精度や速度が低下しやすいのは確からしいと再確認。シングルポイントの設定でもC-AFの方が快適にフォーカシング可能。
C-AF設定で”像面位相差AFのみ”なら低照度でもAFが迷うこともなく合掌、なかなか好印象な動作速度。E-M1 Mark IIは121点の全点クロスセンサーの像面位相差AFとなっている。その辺が功を奏している印象。是非お試しあれ、C-AFは間違いなく高速。
感度はISO 2500を使用、もうちょっと感度を上げてシャッタースピードを上げても良かったかも。こういうシーンでは「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」のような明るいレンズが欲しくなりますなあ…。クラゲのような”ディテールの再現性をそこまで要求されない被写体”であればISO 2500は許容範囲内。
こちらはISO 4000を使用。ブログで使う分には十分実用範囲内で、画像を引き伸ばして使う場合にはあまり余裕が無いかも。ちょっとギリギリ感はある。
同じ2000万画素のAPS-C一眼レフ「PENTAX K-S2(既に売却済み)」とノイズ処理を比べた場合にはドッコイかやや上手。
参考:PENTAX K-1(フルサイズ)
ISO 6400で撮影。3600万画素の高画素、フルサイズならではの高感度性能。「smc PENTAX-FA 50mm F1.4」を使っているので、クローズアップで撮影できない。とは言え、トリミングしても十分使うことができるのでそこをどう考えるか。
クローズアップは被写界深度的にフルサイズは使い難い。一歩下がった撮影の方が良い感じ。ただし、水槽越しの撮影なので下がり過ぎると室内の証明が反射して写り込む。
軽快に撮影できるオートフォーカス速度を考えるとマイクロフォーサーズの標準マクロという選択は案外悪くない気もする。
参考:LUMIX DMC-GM1S
GM1Sに30mmマクロを装着してパチリ。フルサイズの高感度画質も魅力的ではあるものの「これで十分っすよ」という思いも少なからずあったり。
F3.5のマクロレンズで撮影しているので、F1.4クラスの標準レンズに換装したら尚更そう感じるかもしれません。
(追記:この記事を書いた翌日になんと”無意識”のうちに30mm F1.4 DNをお買い上げしていた)
クリオネ。片手で水槽にレンズを近づけてパチリ。
30マクロの最短撮影距離はこういうシーンでは便利。とは言え、動物にせよ植物にせよ動く相手にクローズアップは高感度が必須。悩ましい。
一歩引いて「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」でパチリ。この撮影距離なら2段、3段明るい大口径標準の方が使いやすそう。
「LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」が欲しくなるぜ!
”大口径単焦点はフルサイズで頑張る”という持論を早々に撤回したくなる今日この頃。
どうする?どうしよう…。
(追記:悩み過ぎて禿げそうなので比較ページを作成)
イルカ
場所を変えてイルカショー。レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」を使用。
時間は昼過ぎ、曇天で光量はボチボチな上に「そろそろ雨降ってくるなあ…」という空もようでコンディションは悪い。
C-AFでオールターゲット。追従感度は+/-0、静音連写「L」を10fpsまでコマ数落として臨む。シャッタースピードは1/800?1/1600秒を使用
飛び上がったイルカに対してカメラを構えてパチリ。
レスポンスは一眼レフ並みで、少なくとも手持ちのEOS 80Dと比べて劣っている感じはしなく、むしろより高速。
AFのカバーエリアが広く、咄嗟にカメラを構えてフレーミングがずれてもなんとかなる。あとは、軽くトリミングして余分な部分を修正。
コマ数は最大で追従18コマまで稼ぐことが可能なので、シャッターチャンスにベストな構図を選びやすいという点では非常に重宝します。一眼レフのD500クラスと比べて秒間コマ数が1.8倍多く、EOS 80Dのようなミドルクラスと比べると倍以上。
ローリングシャッターによる歪み現象はまず確認できないレベル。自然界の被写体でローリングシャッターの影響を受けるとしたら、小型鳥類や昆虫の羽ばたき程度じゃないでしょうか、と感じる程。
イルカショーでは”飛び上がる場所やタイミング”をある程度予測できるため、カメラ性能よりポジションが重要だなと感じる一面も。
そういう場面にも機材の小さいマイクロフォーサーズならフットワーク軽いので便利。
いよいよ雨が降ってきて、さらに光量が不足。ポジションを変更してISO 5000で撮影。
輝度が高い背景や照明に照らされた水面へC-AFのピントが抜けるシーンがちょこちょこと発生。一度食いつくと中々ピントを放さないので、追従感度の設定が必要だなと反省。それでも打率は7割と言う印象。
しかし、突き詰めた”最適なC-AF設定”が難しい。X-T2のようなプリセット設定があると悩まなくて済みそうな気もする。これは場数を踏んで傾向を覚えるしかなさそうだなぁ…。
このシーンでは、イルカが飛び上がる直前からシャッター半押しで待ち構える。
すると奥の背景にピントが抜けてしまい、イルカがフレームインしてからC-AFが復帰するまでにややタイムロスが発生。OKカットはこの一枚のみで、他は背景かピント修正中のNGカットになってしまった。
AFリミッターをL-Fnに配置させているので、それを作動させておけばと後悔。あとは追従感度を+側に補正しておくべきだったかも。
今回感じたこと
- ISO 6400までは許容範囲
- C-AFとPROレンズによるAF速度はとても良好
- 追従感度やAFリミッターの調整は必要
- AFカバーエリアの広さはメリットにもデメリットにもなる
高感度
個人的には動き物を捕捉するための高感度ISOは6400まで許容範囲の画質。ただし、画質的に余裕が無いので十分にクローズアップするなり構図を整理して撮影する必要があるかなと。
その点、コンパクトな大口径望遠・超望遠ズームなどが揃っているので積極的にゲットしておきたい。
C-AF
オートフォーカス速度はとても良好で、C-AFを使う分には不満の無い性能。前述したとおり、低照度下のS-AF時におけるハイブリッドなAFの挙動だけが不満。
AFをカバーするエリアの広さが利点であるものの、C-AFのクラスター表示が「オールターゲット」でしか適用されないのは残念。そう感じるのは「オールターゲット」ではカバーエリアが広すぎて、水面や背景にピントが抜けるシーンがあるため。もしこれが”完璧なAFアルゴリズム”となった暁にはオールターゲットのみで満足いく結果を得られるかもしれません。現状では自分自身でAFリミッターや追従感度の追い込みでなんとかする必要がありそう。
範囲を限定した「ラージゾーンAF(キヤノン)」や「カスタムマルチAF(パナソニック)」のようなカバーエリアがあっても良いなと。
参考
OM-D E-M1と比べると雲泥の差
ちょっと辛目に書きましたが、先代「OM-D E-M1」と比べると超性能。ファームウェアアップデートでさらにAFアルゴリズムに磨きがかかれば競合他社との差を広げる事が出来そう。潜在的なポテンシャルは十分に持っていると感じます。
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