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オリンパス「OM-D E-M1 Mark III」徹底レビュー 連写・ドライブ編

このページではオリンパス「OM-D E-M1 Mark III」の連写性能やドライブに関するレビューを掲載しています。

連写・ドライブに関するレビュー

メニューシステム

オリンパスのメニューシステムは他社と比べて少し特殊な構造となっています。ただし、この構造に慣れてしまえば、思いのほか合理的で整理されたシステムと感じるはず。(とは言え、多層化しているので使い辛いのに変わりありませんが)

撮影現場で実際に利用するメニュー項目は撮影メニュー1・2にまとめられています。ただし、ライブビュー中にOKボタンを押すことで呼び出すことができる「スーパーコンパネ」で対応できる項目が多く、撮影メニュー1はあまり用が無いはず。(下の画像はスーパーコンパネ呼び出し時のもの)

スーパーコンパネで対応できない機能は主に撮影メニュー2の特殊な撮影方法。画像で項目がグレーアウトしているのは「HDMI出力中は利用できない」ためです。

ドライブ・連写に関するカスタマイズはカスタムメニューのC1・C2で設定変更可能。Continuous shooting(連写)の頭文字と考えると覚えやすいはず。

連写速度

オリンパスのメニューシステムでは「メカシャッター/電子先幕シャッター(ダイヤマーク)」「電子シャッター(ハートマーク)」の連写速度をそれぞれ設定可能。
「連写L」はAF/AE追従が可能ですが、連写速度は比較的遅い。
「連写H」はAF/AE固定ですが、連写速度が非常に高速。
「ProCap」はプロキャプチャーモードの略であり、シャッター全押し前の35枚を記録することが出来る特殊な撮影モードにおける設定です。詳しくはE-M1 Mark IIでレビューしているので参考にしてみてください。連写速度の設定数値は以下の通り。

  • メカシャッターL:1/2/3/4/5/6/7/8/9/10fps
  • メカシャッターH:1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15fps
  • 電子シャッターL:1/2/3/4/5/6/7/8/9/10+15/18fps
  • 電子シャッターH:15/20/30/60fps

メカシャッター時は1秒刻みで連写速度の調整が可能。ここまで自由度の高い設定に対応しているカメラメーカーは多くありません。と言うか珍しい。
電子シャッター時は15~60fpsにおける追加の連写速度を利用可能。

全ての連写速度において「同じ画質・クロップ無し・RAW出力」を実現しています。同等の性能を持つミラーレスは「E-M1X」「E-M1 Mark II」そしてパナソニックの「LUMIX G9 PRO」くらいです。
富士フイルムの「X-Trans CMOS 4+X-Processor 4」搭載モデルも似たようなパフォーマンスを発揮しますが、高速連写時は×1.25クロップを利用する必要があります。

30~60fpsの高速連写は自身で連写枚数を制御するのが難しいです。このため、カメラには1度の連写で撮影できる枚数を制限できる機能が備わっています。最大で99枚まで設定可能。100枚以上に対応しても、バッファの問題で活かしきることは出来ないはず。

ついでに紹介しておくと、プロキャプチャーモードで撮影できるプリ連写枚数は「35」枚まで。これはE-M1 Mark IIやE-M1Xと同等です。60fpsを利用すると半秒しか余裕が無いので、出来ればもう少しバッファを増やして欲しかったところ。

フリッカーレス撮影

E-M1 Mark IIIはフリッカーを自動検出してちらつきを抑える撮影機能があります。当然連写速度が低下するので、必要なければオフにしておくのが無難。

連写中の手ぶれ補正

連写中の手ぶれ補正の効果を設定することが可能。基本的には初期設定で問題ないと思いますが、連写しながら手ぶれ補正の効き目が重要なシーン(定点での連写や流し撮りなど)では手ぶれ補正優先モードが適しているかもしれません。

低感度画像処理

カスタム設定メニューの「E1」に存在する比較的新しい設定項目です。低感度時の画像処理に関するものとなっており、実感としてはISO800前後での解像感に影響します。

これが「解像優先」になっていると、パフォーマンスが制限されてしまい、優れたSDカード利用時でもカメラ処理能力でボトルネックが発生します。連写速度やバッファクリア速度を優先する場合は「連写優先」がマスト。マイメニューで素早く切り替えることが出来るようにしておくと良いでしょう。

バッファ

スマートフォンのストップウォッチ機能を使用。5秒スタートで10秒まで・15秒まで・20秒までの連続撮影を実施し、それぞれ5秒間・10秒間・15秒間で撮影出来た枚数をカウントします。

使用するメモリーカードはSony Tough 32GB SF-G32Tを使用。今のところ最上級の書き込み速度を備えたSD UHS-IIカードのはず。メカシャッターでテストするのは忍びないため、基本的に電子シャッターを利用して測定しています。

前述したように、連写速度を低下させる諸機能がるため、それらはオフにしてチェックしています。

仕様の確認

  • 連写H・15fps時 〔RAW〕: 約101
  • 連写H・15fps時 〔JPEG LF〕:約134
  • 連写L・10fps時 〔RAW〕:約286
  • 連写L・10fps時 〔JPEG LF〕:カード容量一杯まで
  • 静音連写H・60fps時 〔RAW〕:約50
  • 静音連写H・60fps時 〔JPEG LF〕:約50
  • 静音連写L・18fps時 〔RAW〕:約76
  • 静音連写L・18fps時 〔JPEG LF〕:約90
  • 使用レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  • カード: 東芝 SDXU-D032G、スロット1を使用

E-M1 Mark III仕様表より

60fpsの超高速連写でも50枚のRAWに対応するバッファを備えているようです。プロキャプチャーモードのプリ連写枚数が「35枚」であることを考えると妥当な仕様と言えそうですね。JPEGでも60fps時は連続50枚となっているため、カメラの処理性能がボトルネックとなっているのかもしれません。

60fpsでは1秒もバッファが持たないことを意味しているので、60fpsの連続使用時はバッファに気を付けたいところ。10~15fpsでは100枚以上の連続撮影枚数に対応しています。

RAW+JPEG

このカメラで出力ファイルのサイズが最も大きくなる設定です。「圧縮・ロスレス」などの選択肢はありません。

5秒 10秒 15秒
10コマ秒 40 95 117
15コマ秒 70 95 120
20コマ秒 71 95 121
30コマ秒 70 96 120
60コマ秒 70 95 120

実際に確認してみると、10コマ秒で期待通りの連写速度が得られない模様。瞬間的なコマ数が必要な場合はRAW出力のみを使用するのがおススメ。

そして、15fps以上の連写速度は5秒70コマでバッファが詰まってしまっていることが分かります。E-M1 Mark IIIの仕様表で「RAW+JPEG」のバッファが示されていないため、具体的な数値は不明。5秒以降の撮影枚数は連写速度に関係なく一定となっています。

RAW

5秒 10秒 15秒
10コマ秒 51 101 153
15コマ秒 79 140 185
20コマ秒 89 138 188
30コマ秒 83 137 185
60コマ秒 89 139 188

JPEG出力を諦めることで10fps時の連写速度が改善します。そして、15秒間の連写でバッファの目詰まりは見られません。仕様通りであれば、300枚近く撮影することが出来そう。

15fpsの場合、10秒の連写で少しバッファの目詰まりを感じるものの、まずまず良好な撮影枚数となっています。10秒連写と15秒の連写枚数を見るに、Sony Tough 32GB SF-G32T使用時の書き込み速度は毎秒45~50枚と言ったところでしょうか?

20~60fps利用時でも5秒間の連続撮影で得られる枚数に大きな違いはありません。コンスタントに連続撮影を利用したい場合は15fpsを使うのが無難と言えそうです。

JPEG

5秒 10秒 15秒
10コマ秒 50 102 151
15コマ秒 81 144 188
20コマ秒 96 143 196
30コマ秒 92 146 195
60コマ秒 94 143 195

興味深いことに、JPEG出力限定でも撮影枚数はRAWと同程度です。ひょっとしたらE-M1 Mark IIIのボトルネックはボディ側の処理能力にあるのかもしれません。(後述)

SD UHS-II比較

以下のSD UHS-IIメモリーカードを「60fps RAW」で撮り比べてみました。それぞれの最大書き込み速度は以下の通り。

5秒 10秒 15秒
Sony 89 139 188
KIngston 82 138 183
Transend 86 130 176
Lexer 62 82 108

古いLexarのUHS-IIのパフォーマンスが悪いのは理解できるものの、TransendとKIngston/Sonyと差があまりないのには驚きました。カメラ側が260MB/sや299MB/sの書き込み速度を活かしきれていないのかもしれません。少なくとも、E-M1 Mark IIIでは高価なSony製カードを活かしきれていないように見えます(書き込み速度の観点で)。

バッファクリア時の表示

バッファクリア時はライブビュー左上にメモリーカードの表示が点灯します。ソニーのような残量表示が無いので、バッファクリアの所要時間が全く分からないのはなんとかして欲しいところ。

ローリングシャッターの影響

「ローリングシャッター」とは電子シャッター使用時にセンサーが撮像する方式を指しています。理想はセンサー全体を一括で露光出来ると良いのですが、現在の仕様ではイメージセンサーの上から下まで段階的に読みだしていく方式「ローリングシャッター」を使用しています。

言葉で説明しても難しい、以下の動画で分かりやすく解説されています。

現在、コンシューマー向けのデジタルカメラでローリングシャッター方式を採用していないモデルは非常に少ないです。海外企業が「PIXII」のようなカメラでグローバルシャッターを採用していますが、国産ミラーレスでこの方式を採用しているカメラは存在しません。(キヤノンの業務用向けカムコーダーくらい)

もちろんE-M1 Mark IIIもローリングシャッター方式を採用しています。USB扇風機を使い、1/8000秒の電子シャッターを使用して撮影した写真が以下の通り。

ご覧のように扇風機の羽根が不自然な描写となってしまっていますね。ローリングシャッター方式では、このように高速移動する被写体を撮影する際に問題が発生します。

では他のカメラではどのような影響があるのか?と言うのは以下の通り。羽根がコマ切れになっているほどローリングシャッターの幕速が遅く、悪影響が出いやすい性能ということが出来ます。

これらを見比べてみると分かるように、健闘していることが分かります。これ以上となると、ソニー「α9 II」のような積層型CMOSセンサーくらいしか選択肢がありません。

参考

電子シャッター利用時に蛍光灯下で高速シャッターを使うと以下のような影響があります。

蛍光灯は1秒間に120回点滅(西日本)を繰り返しています。毎秒120回の点滅中、撮像時に2回の点滅がフレームに写りこんでいるため、単純計算で0.16msと言ったところでしょうか?ミラーレスカメラの中ではとても高速なローリングシャッターであることが分かります。

ちなみにベースISO感度である「ISO200」から「ISO6400」までは0.16msとなりますが、「ISO12800」以降はパフォーマンスが低下します。4本線となっているので0.33msと、幕速が半減している模様。

おさらい

*ちなみにフレーム上の小さな被写体が高速移動する場合は影響を受けにくいです。

肯定的見解

ココがポイント

  • 慣れれば分かりやすいメニューシステム
  • スーパーコンパネで常用する機能にアクセス可能
  • 自由度の高い連写速度設定
  • プロキャプチャーモード
  • RAW出力対応の60fps連写
  • AF/AE追従対応の18fps連写
  • 豊富なバッファ
  • 高速ローリングシャッター

高速連写とそれに対応する十分なバッファを備えたミラーレスカメラです。連写速度の調整がしやすく、リミッターやプロキャプチャーモードなど機能も豊富で使いやすい。

電子シャッターの幕速はミラーレスカメラの中でも早い方で、これ以上となると「α9」のように特殊なCMOSセンサーを使うしか選択肢がありません。高速回転するプロペラやタイヤ、昆虫の羽ばたきなどで歪みが生じるものの、シャッタースピードを調整して「歪む部分のみ敢えて被写体ブレで紛らわす」のも一つの手。

批判的見解

ココに注意

  • 多層化して複雑なメニューシステム
  • 連写速度の影響を与える機能が多い
  • バッファクリア速度はボディ側がボトルネックとなっている可能性
    (高速書き込みのSD UHS-IIが活かしきれない)
  • そろそろCFexpress対応ボディに期待
  • ISO12800以降でローリングシャッターの幕速が低下
  • 連写時のグループ化機能が欲しい

20~60fpsの超高速連写を使用すると、どうしてもバッファを処理できず詰まり始めます。おそらくボディ側の処理速度も原因の一つだと思いますが、そろそろCFexpressのような次世代メモリーカードの高速書き込みにも対応して欲しいところ。

また、高速連写対応モデルながら、連写時のグループ管理が出来ないのはものすごく痛い。60fpsで全て失敗だった際に一つ一つを選択して削除するのは不便なのです。

高機能なのは良いことですが、連写速度に影響を与える項目が多く、設定し忘れると期待していたほど連写できない場合もあるので注意が必要です。

総評

管理人
満足度は80点。
良好な性能ですが、これだけで言えば大幅に安くなっているE-M1 Mark IIやE-M1Xと差別化できません。プロセッサーが新しくなっている割にバッファの改善が見られないのは残念。しかし、自由度が高く、基本性能が高いカメラに違いありません。
最速60fpsの高速連写に対応しつつ、手持ちハイレゾやライブNDなどの変化球に対応できる小型カメラと考えると存在価値はあると思います。

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