本格的な冬が間近に迫っていますね。日没は早くなり、夜景やイルミネーションなど暗いシーンを撮影する機会が多くなるシーズンです。私も先日、EOS Rでイルミネーションを家族で楽しんできたばかりです。そこでEOS Rのオートフォーカス挙動が少し気になったので記事にしてみたいと思います。
Index
露出シュミレーションを使いこなす
EOS Rのオートフォーカス
ワンショットAFでもサーボAFでも基本的に開放測距(絞り値を開放以外に設定しても絞り開放状態でAFが動作する)ので特に低照度でのオートフォーカスが強いと期待できます。
しかし、実際にイルミネーションのシーンでEOS Rを使ってみるとRF35mm F1.8 Macro IS STMでもオートフォーカスが迷う場面が多かったです。
これはどういうことか?と色々操作しているうちに「ライブビューが暗い状態だとオートフォーカスの反応が鈍い」ことを発見。ワンショットAFの場合は被写体が暗いと自動的にライブビューの露出を上げてオートフォーカスが動作しますが、サーボAFは全く動作しません(下部掲載の動画を参照)。
同じシーンでもライブビューの露出を明るくすることでワンショットAFがより快適となり、サーボAFが動作するようになりました。
ライブビューを明るくするためには「露出補正」でプラス補正する必要があります。ただし、プラス補正するためには絞り値・シャッター速度・ISO感度のいずれかを犠牲にする必要があります。
ライブビューを露出数値に関わらず明るくするためには初期設定でオンとなっている「露出シュミレーション」をオフにする必要があります。
露出シュミレーションとは?
多くのミラーレスと同じく、EOS Rは撮影結果を反映したライブビュー像を提供しています。日中でもアンダーに設定すればアンダーなライブビュー像が表示され、ハイキーに設定すればハイキーなライブビュー像が表示されます。
EOS Rはこの仕組みを「露出シュミレーション」と言う名称で実装しており、初期設定では「オン」となっています。
とても便利な機能ですが、イルミネーションのようなシーンでは「目で見た以上に暗くなってしまう」場合も多く、前述したようにライブビューが暗くなりすぎてオートフォーカスの動作が鈍くなってしまいます。
露出シュミレーションをオフにして低照度AFを改善する
以上を踏まえた実践動画を作成してみました。
- 明るい状態でのAF
- 消灯後、露出シュミレーションオンの適正露出状態でワンショットAF
- 消灯後、露出シュミレーションオンのアンダー状態でワンショット・サーボAF
- 消灯後、露出シュミレーションオフのアンダー状態でワンショット・サーボAF
の順で試しています。
消灯後の室内はライブビューを見る限りでは明るく見えるかもしれませんが、「カーテンを閉め切った真っ暗な室内」状態です。肉眼では物体をかろうじて認識できる程度の明るさです。
動画の通り、露出シュミレーションをオフにした状態であればサーボAFもまずまず動作する状態となります。オンの状態だとワンショットAFがなんとか動作しますが、動く被写体は絶望的と思ったほうが良いでしょう。
この設定は冒頭で述べた様にイルミネーションのような状況でとても役に立ちました。イルミネーションのような強い光源に対し、嫁や娘は比較的暗い被写体となってしまうので露出シュミレーションがオンの状態ではピントが合い辛かったです。
露出シュミレーション「絞り込み中」
露出シュミレーションをオフにしてしまうとミラーレスの特権である「ファインダー使用時の露出結果の反映」機能を切り捨てることとなってしまいます。これはこれでモッタイナイですね。
しかし、EOS Rの露出シュミレーション設定には「絞り込み中」という項目が存在します。呼んで字のごとく、絞り込み(プレビュー)中のみ露出結果をライブビューに反映してくれる機能です。
これがなかなか便利。プレビュー機能を十字キーあたりに仕込みたいところですが、対応していないのが残念ですが…。
まとめ
Points
- サーボAF時はライブビュー中の露出に影響されやすい
- ワンショットAFは露出シュミレーションでライブビューが真っ暗でも自動調整される
- 露出シュミレーションを「オフ・絞り込み中」に設定するとライビューの明るさが維持されサーボAFが効きやすい
これからの季節なら「露出シュミレーション オフ」もアリな選択肢。特にイルミネーションや夜景スポットで家族や恋人と動き回るような人にはおススメ。ただ、露出を確認せずにパチパチ撮っていると「超アンダーだった」なんてことがありそうなので注意。プレビュー機能を使いやすい配置のボタンに仕込んでおくと便利ですよ。
今回使用した機材
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