このページではキヤノンのフルサイズミラーレス「EOS RP」の購入初日ファーストインプレッションを掲載しています。
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EOS RPはボケが欠ける?

EOS RPが発売されて2週間ほど経ちますね。既にこのカメラ片手に春の訪れをファインダーに収めている人も多いのでは無いでしょうか。
中には、F1.8大口径レンズを組み合わせた時に「おや?ボケに違和感を感じるぞ…」と感じた人がいるかもしれません。
ぶわっとボケを大きくした際、玉ボケにムラが出来たり露骨に欠けたりする(フレーム四隅で変形すると言った話ではありません)アレです。
この現象は主にEOS RPの「電子先幕シャッター」が起因していると思われます。テクニカルな話題は省略し(ネットで「電子先幕 ボケ」で検索するといくらでも参照先が見つかります)、今回はEOS RPにおける露光ムラの影響と対策を考えていきましょう。
そもそもEOS RPは電子先幕シャッターなのか?
EOS Mシリーズと同じくメカニカルな先幕シャッターが存在しないため、先幕は電子シャッター限定となっているようです。
国内のキヤノン公式ウェブサイトにおけるEOS RP仕様表では確認できませんが、キヤノンUSAのEOS RP仕様表にはしっかりと明記されています。

う?ん、やはり電子先幕シャッターですね。
まぁ、これは事前に分かっていたことなので特に驚きはありません。
ちなみに同じくキヤノンUSAのEOS Rに関する仕様表は以下の通り。

3つの項目として先幕・後幕がメカニカルシャッターで動作することが明記されています。つまりEOS RPにメカ先幕は実装されていないのは明らか。
実際にボケは欠けるのか?
露光ムラの確認
百聞は一見に如かず。まずは実写を確認してもらうのが手っ取り早いでしょう。
以下は「EF50mm F1.8 STM」を装着したEOS RPで「1/320秒」と「1/4000秒」で撮り比べた写真です。


パッと見比べるとそこまで差がないように感じるかもしれませんが、このレンズの描写を見慣れている身からするとかなり違和感を感じる。
ご覧のように1/4000秒(EOS RPの最速シャッター)で撮影するとボケの下部分が薄くなってしまっているのが分かります。結果的に背景がソワソワしてしまいピント面に集中できなくなってしました。
高速シャッターを利用することで描写に影響が発生するとみて間違いないでしょう。
シャッター速度による影響度合い
今度は最速シャッターから1段ずつシャッタースピードを落とし、露光ムラの影響度合いを見てみたいと思います。
- 1/4000秒
- 1/2000秒
- 1/1000秒
- 1/500秒
- 1/250秒
1/2000秒まで影響が見られるものの、1/1000秒以下では特に問題は無さそうです。
曇天・日陰・屋内でシャッタースピード1/1000秒以上は意識しないと設定しないような数値。これらの状況では特に心配する必要は無さそうですね。
その一方で晴天下でF1.8やF1.4など大口径レンズを使うとあっと言う間に1/4000秒を振り切ります。もしこのような状況で大口径レンズを絞り開放で使うならND8程度の減光フィルターを用意しておくべきかもしれません。
作例その2
同じようなシーンでボケ領域をクロップしたもの。やはり1/4000秒が最も影響を受け、1/2000秒でも僅かにムラがある。
- 1/250秒
- 1/500秒
- 1/1000秒
- 1/2000秒
- 1/4000秒
絞り値による変化
- F1.8
- F2
- F2.2
- F2.5
- F2.8
- F3.2
- F3.5
- F4
F2~F2.5でもだいぶ改善するように感じますが、F2.8まで絞っておけば間違いないはず。
分かり難いかもしれないので、クロップしたイメージも掲載しておきましょう。
- F1.8
- F2.0
- F2.2
- F2.5
- F2.8
- F3.2
- F3.5
- F4.0
電子シャッターが使えない?
前述してきた電子先幕シャッターによる露光ムラに効果的なのが完全電子シャッター方式。つまり後幕も電子シャッターで撮影するモード。
EOS RPの仕様表を見ても分かるように、完全電子シャッターモードは搭載されています。ただし、使えるモードは非常に限定的。

モードダイヤルを「SCN」に合わせて「サイレントモード」を選択した時のみ完全電子シャッターを利用可能。
つまり「絞り値・シャッタースピード・ISO」を撮影者が任意の数値に設定することが出来ない仕様。このモードにおける露出傾向を設定することすらできないので完全にカメラ任せの撮影。しかも、多少暗い状況でも絞りをF2.8付近まで絞る傾向があるため、(露光ムラ防止のために)このモードを使う意味が無い。
なぜEOS Rのように「絞り優先AE」などで自由に使える仕様としなかったのか謎に近い。特に唯一のキットレンズが「RF35mm F1.8 マクロ IS STM」と明るいレンズであるにも関わらず、この仕様と言うのは謎過ぎる。
今回のおさらい

EOS RPのシャッター特徴
- 先幕は電子シャッター限定
- サイレントモード(完全電子シャッター)はSCNモード限定
- F1.8レンズでは1/2000秒付近から影響が出始める
- F1.8レンズではF2.8までは影響が多少発生する
EOS RPで露光ムラを回避する手段は3通り。
- F1.8やF1.4のレンズを使わない
- ND(減光)フィルターを用意してシャッタースピードを抑える
- F2~F2.8まで絞り露光ムラの影響を抑える
「1」は本末転倒なので、「2」と「3」を組み合わせながら対応すると良いでしょう。
正直に言うとF1.8であれば影響は軽微(違和感はありますが)。より影響が大きくなると思われる「F1.4」や「F1.2」のレンズを使いたい場合は注意が必要。NDフィルターで対応するか、メカ先幕のあるEOS Rを購入したほうが無難かもしれません。
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