いつもの病気(なぜかレンズが生えてくる)が発症してKマウントの中望遠単焦点がにょきにょきと顔を出していた。それも2つ。
価格がやや似ている事もあって、どちらを買おうか悩んでいる方もいるかな?と思ってページを作成。
外観・機能
smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited | SIGMA 85mm F1.4 EX DG | |
開放F値 | F1.8 | F1.4 |
最小絞り | F22 | F16 |
絞り羽根 | 9枚 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.7m | 0.85m |
最大撮影倍率 | 0.14倍 | 0.116倍 |
フィルター径 | 49mm | 77mm |
最大径*長さ | 64*48mm | 86.4*87.6mm |
重量 | 270g | 725g |
フォーカシング | 前玉繰り出し(FREEシステム) | リアフォーカス |
AF駆動 | ボディ側モーター | レンズ内超音波モーター |
外装・マウント | 金属 | 非金属 |
スイッチ等 | 絞りリング | AF/MF切り替えスイッチ |
付属品 | レンズケース | レンズケース APS-C用フードアダプター |
レンズの開放F値、焦点距離、駆動方式など諸々が違うものの、中望遠単焦点とくくってしまえば同じ物。
それにしてもサイズに圧倒的な差がある。77mmはさすがリミテッドレンズだけあって超コンパクト。これでF1.8の大口径なのだから驚きだ。
また、外装が金属製・内蔵フードと言う事もあって小型ながら高級感はFA77mm。SIGMA85mmもチープさは感じられないが、この外装はラフに扱うとすぐに細かいスレが付くのでマイナス。フードは脱着可能のバヨネット式で、APS-Cで使う場合には付属品のアダプターを付けることで逆光性能を最大化出来る点はグッド。
フィルター径はFA77mmがお馴染みの49mmでシグマ85mmが77mm。49mmはリミテッドレンズの数多くがそのフィルター径なので使いまわしがし易いのは大きなメリットだろう。
一方でシグマ85mmはDA★300mmなどと同様の77mm径とかなり大きい。プロテクトならまだしも、NDやC-PLまで揃えようと思うと出費が手痛い額となる。
細かい点を挙げると、レンズキャップを外した時のキャップもデカいので収納がやや面倒。
どちらも防塵防滴仕様ではないので、ハードなロケーションではもちろんのこと小雨コンディションでもやや使用が憚られる点はマイナス。
77mmは前玉繰り出すFREEシステムを採用しているのに対して、シグマ85mmは前玉固定の後玉が移動するタイプなので全長は変化しない。
フォーカス駆動はボディ内モーターを使うFA77mmの方がやかましく、HSM(超音波モーター)を使うシグマ85mmがとても静か。フォーカシング速度はそんなに変わらない。
大きな差が出る点はシグマ85mmがフルタイムマニュアル(クイックシフトフォーカス)に対応している事。AF前やAFからのピント微調整が出来るのは大きい。
FA77mmは軽いので装着しても自立していられるが、シグマ85mmはさすがにフロントへ重心が流れている。しかし、著しくバランスを損なうものでは無いので特に気にはならない。
大きい分、ピントリングが大きいのでマニュアル操作するならこちらの方が使いやすい。
実写
レンズ性能を比較したい訳ではないので、いつもの設定(CI風景・WB太陽光)で撮影。デジタル補正が出来るFA77mmはそれもメリットと考えて補正がかかった撮って出しJPEGを使用。
近景
F1.8
77mmは特に高コントラストな部分にカラーフリンジが多く発生しており、後処理で脱色してもディテールに影響している部分が多い。また、日差しが当たっている部分について、ややフレアっぽくなっている。
一方で絞り値をFA77mmF1.8に合わせるとシグマ85mmは気持絞った状態となるので、77mmよりも安定した描写。カラーフリンジもFA77のパープルというよりはマゼンダとグリーンなので、今回の被写体では大きく目立っていないという面もある。F1.4で撮影した場合もFA77mmの開放絞りよりはカラーフリンジが抑えられている。ボケはFA77mmよりも綺麗な感じ。
F5.6
F5.6まで絞ると、どちらもかなり描写が引き締まる。
「ああ、もうどっちでもいいや」
って投げ出したくなるものの、よく見るとハイライトな部分はシグマ85mmの方が上手か。
遠景
申し訳ないことに、FA77はF11で85mmはF8で撮影していたので、同条件のF5.6の写真を掲載。
同条件で撮影するとFA77mmの方が僅かに解像感がある「気がする」。各種デジタル補正が功を奏しているのか、コントラストがシグマ85mmの方がややサッパリしているかなと言った印象。
うん、やや色のりがFA77mmの方が良い気がする。
解像力はドッコイで、コントラストがやや強い分で、FA77mmの方が僅差で上。
結局どっちが良いのか?
う?ん、判断しかねます
というくらい悩ましい2択。実に悩ましい。出来る事なら「どっちも買っちゃいなYO!」と気持ちよく背中を押してあげたい。フェイスブックでもたまに作例を挙げているので、よかったらそっちも確認してみてください(パソコンならページ右上にリンクがあります)
下記の点を除いたポイントで言えば、どちらも遜色ない性能でボケも美しい。ハッキリ言ってどっち買っても良いと思われるのだが、敢えて大きく違う部分を取り上げると…
カラーフリンジが嫌いならシグマ85mm
特にカラーフリンジはFA77mmのウィークポイント(これを補正するとボケの味まで変わってくるので変えられないそうだ byリコーイメージング担当の方)。後処理しても尾を引くので、この点に限って言えばシグマ85mmF1.4が良好。こればっかりはレンズ設計が新しい方に采配。特に全身ポートレートなどで明るめの服を着ている(特に白色系)とエッジではかなり目立ち、絞ってもやや「色がついているかな?」となってしまう。
とは言え、現行最新モデルのタムロン85mmF1.8 VCと比較するとシグマ85mmF1.4もカラーフリンジの発生具合で言えば劣る。
しかし、Kマウントでは85mmVCが出る可能性が皆無に近いので期待しない方が良いだろう。(85mmVCと85mmEX DGの比較は月刊カメラマン 2016.7月号に比較記事が掲載されている)
どちらにも言える事だが、ややローキーで撮影してRAWデータを後処理で露出補正を戻してやれば抑えられている気がする。ダイナミックレンジが広いK-1だからこそ荒療治にも耐えられるといった感じ。
デカいのがダメならFA77mm
コンパクトなレンズが多いKマウントにおいてシグマレンズは異彩を放つ存在。前述した大きさの差で抵抗を感じるのであれば、小型で軽量なFA77mmが良いと思われる。ただし、AF作動音はうるさく、クイックシフトフォーカスに対応していない。
ピント微調整するならシグマ85mm
フルタイムマニュアル(クイックシフトフォーカス)に対応している点は無視できない。AFとMFのシームレスな切り替えが出来るポイントは被写界深度の浅い中望遠単焦点には大きい。開き直ってFA77mmはマニュアルフォーカスで頑張っちゃうという手も無くはないが…。
バストアップならまだしも、全身のポートレートで瞳にフォーカスを合わせようとすると、どうしてもAFでは迷うか見当違いな処にヒットする場合がある。ファインダーがF1.4で明るく見える点も考慮。
2017年に登場予定の大口径中望遠を待つか?
ロードマップ上には中望遠大口径の単焦点レンズが控えている。恐らく85mmF1.4(もしくはF1.8)のスペックになると思われる。ただし、他社の競合クラスを見るに価格設定は15万円以上する可能性も。F1.8なら10万円前後かもしれないが…。
その価格を考慮して、まだディスコンになっていないFA77mmや市場に新品が残っているSIGMA 85mmをチョイスするのも一つの手ではあると思う。
購入早見表
シグマは時すでにディスコンとなっているので、新品の在庫は日が経つにつれ減少していく。K-1の影響もあってか中古レンズは市場に少ないので、手に入れるなら今のうち。
AmazonにはK-1に対応済みマウントの85mmがほぼ最安値程度で販売している、残り10点だったのだが私が買って9点に。恐らくここからの大幅な値下げは無いと思うので買い時。一方でK-1需要でFA77mmは大高騰している。価格が落ち着いて新品7万半程度なら買いの状態。
楽天市場 | Amazon | カメラのキタムラ | Yahoo | |
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