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FE 100mm F2.8 Macro GM OSS レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

ソニー「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。

簡易的なまとめ

G Masterシリーズらしく、機能的で高性能なマクロレンズ。

良好なビルドクオリティに優れたコントロール、豊富な機能と高速AF、高い撮影倍率や拡張性を備えています。販売価格はやや高めですが、全部入りの「一番いいやつ」としては妥当な値付け。

ここまで充実している必要が無いのであれば、「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD」がバランスの良い選択肢になると思います。

True to the G Master series, this is a functional, high-performance macro lens.

It boasts excellent build quality, superb controls, a wealth of features, fast AF, high magnification, and expandability. While the retail price is a bit steep, it's a fair price for the “best of the best” all-in-one option.

If you don't need this level of capability, the 90mm F/2.8 Di III MACRO VXD is a well-balanced alternative.

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FE 100mm F2.8 Macro GM OSSのレビュー一覧

まえがき

2025年11月発売のG Masterシリーズ初となるマクロレンズ。
FE 90mm F2.8 Macroの操作系を継承しつつ、絞りリングなどを追加。フォーカスはフローティング方式のXDリニアモーター駆動となり、(キヤノンRFと同じく)最大撮影倍率「×1.4」に対応。さらにミラーレス用のマクロレンズとしては珍しいテレコンバージョンレンズ対応を実現。

販売価格はやや高価ですが、「全部入り」の本格マクロレンズとしては適正価格に見えます。
参考:ニコンやキヤノン、パナソニックより高く、シグマ、タムロンよりもかなり高い)

  • 発売日:2025年11月21日
  • 予約開始日:2025年10月7日(火)10時
  • 希望小売価格:オープン価格
  • ソニーストア:199,500 
  • カメラのキタムラ:179,550円
  • データベース
  • 管理人のFlickr

主な仕様

レンズマウント E
対応センサー フルサイズ
焦点距離 100mm
レンズ構成 13群17枚
開放絞り F2.8
最小絞り F22
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.26m
最大撮影倍率 ×1.4
フィルター径 67mm
手振れ補正 搭載
テレコン 対応
コーティング Nano AR II
フッ素
サイズ φ81×148mm
重量 646g
防塵防滴 対応
AF XDリニア×4
絞りリング 搭載
IRIS LOCK対応
IRIS CLICK対応
その他のコントロール AF/MF
AFLボタン
フォーカスリミッター
フルタイムDMF
OSSスイッチ

価格のチェック

初動の販売価格は約18万円。これはキヤノンよりも高く、100mmマクロAFレンズとしては最高値。ニコンやパナソニックよりもかなり高く、シグマと比べると遥かに高価。

しかし「全部入り」のマクロレンズとしては他に選択肢がありません。拡張性が必要なければシグマやタムロンで問題ないと思いますが、長く使うのであればFE 100mm F2.8 GMを選ぶのが良いかと思います。

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外観・操作性

箱・付属品

いつも通りのデザイン。ブラックを基調として、インターナショナルオレンジの目立つカラーリングを1面のみ採用。箱にはレンズ名や対応フォーマット、レンズの仕様などが記載。カメラの箱と同じくサステナブルデザインを採用、中の梱包にも紙素材を多用しています。

レンズ本体は緩衝材のかわりに付属のキャリングケースに収納。レンズフードやケース用のストラップもこの中に入っています。

レンズ本体のほか、フード、キャリングケース、ストラップ、説明書、保証書が付属。この価格帯のレンズにしっかりとしたケースが付属するのはソニーとシグマくらい(シグマは新デザインでケース省略してしまった模様)。G Masterらしい高級感のある付属品だと思います。

外観

外装は全体的にプラスチック製で、質感が異なるのはゴム製フォーカスリングのみ。G Masterらしい実用性を重視したデザインで、金属外装を採用したZAシリーズと比べると質感は劣ります。とは言え、堅牢さに不安はなく、しっかりとした作り。

G Masterのバッジとレンズロゴは凹凸のあるしっかりとした加工。他の表示は全て加工なしのプリントです。シリアルナンバーもシールではなくプリント。製造国はタイ。

ハンズオン

1.4倍の高い撮影倍率、テレコンバージョンレンズ対応、防塵防滴、豊富なコントロールなどを考慮すると、小型軽量にまとまっています。ソニー90Gと比べて重量差が小さく、タムロン90と同程度。全長は1cmほど長いものの、テレコン対応を考慮すると許容範囲内でしょうか。

  サイズ 重量
ソニーGM φ81×148mm 646g
ソニーG φ79×130.5mm 602g
シグマ φ74×135.6mm 710g
タムロン φ79.2×126.5mm 630g

前玉・後玉

レンズ前面はフッ素コーティングに対応。水滴や油汚れに強く、メンテナンスが容易。物理的なダメージが想定される場合は保護フィルターを装着すべきですが、水滴程度であれば装着する必要性は低そう。フィルター径は50mm F1.4としてはコンパクトな67mmを採用。このフィルター径に対応するレンズは数多く、C-PL・NDなどを揃えると使いやすくなりそう。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定。周囲は防塵防滴用のシーリングあり。カメラへの装着はきつ過ぎず、緩すぎず。最後尾のレンズはマウント付近で固定されているように見えます

最後尾のレンズはマウントから奥に配置され、テレコンバージョンレンズに対応する空間を確保しています。周辺は不要な反射を避けるため、光沢を抑える黒塗りが施されています。

フォーカスリング

ゴム製の幅広いフォーカスリングを搭載。表面は通常のテクスチャではなく、グリップを良くするためか横方向にも切込みがあります。感触はFE 90mm F2.8 Gのローレットに似ているかもしれません。(90mmを使ったことがないのでハッキリと言及はできませんが…)

FE 90mm F2.8 Gと同じく、フォーカスリングを前後にスライドすることでフォーカスモードを切り替えることが出来ます。

前方にスライドすると、AFモードか一般的なMFモードを利用可能。
手前にスライドすると、距離指標を使ったMFモードに切り替わります。

通常のMFモードは回転量に応じて移動量が決まるリニアレスポンス。全域を360度の回転量で操作することが出来ます。距離指標を使ったMFモードでは、180°弱の回転量で操作可能。

いずれも正確なMFに十分な回転量と抵抗感を備え、快適なピント合わせが可能です。

絞りリング

マウント付近にはプラスチック製の絞りリングを搭載。フォーカスリングと異なり抵抗が強く誤操作の可能性は低い。回転には少し力が必要ですが、しっかりとグリップすることができるので回しづらいと感じることはありません。

左下にはAポジションのロック、右側面にはクリックを解除するスイッチがあります。AポジションからF22までの操作が重めで、Aロックは必要性をあまり感じません。

スイッチ類

側面にはAF/MFスイッチと2か所のAFLボタンを搭載。操作性は従来通りで、特に問題はありません。

後方にはフルタイムDFM・フォーカスリミッター・OSSスイッチを搭載。スイッチに感触の違いはないので、配置を覚えて操作する必要があります。

上2つのスイッチは中間ポジションがありますが、適切に操作することができます。
(操作性が悪いと、中間に設定し辛い)

右側面には絞りリングのクリック・デクリックを設定できるスイッチを搭載。

レンズフード

プラスチック製の円筒型レンズフードが付属。先端には滑り止め用のゴムコーティングが施され、内面には反射防止用のマットブラックで塗装されています。レンズ本体に装着すると自動的に固定され、外す場合は側面のリリースボタンを操作する必要あり。

逆さに装着しても、フォーカスリングを操作することが可能。

装着例

α7R IVに装着。100mm F2.8 マクロレンズとしては適度なサイズ・重量。過度なフロントヘビーとならずバランスは良好です。片手での操作もなんとか可能。

テレコン

×1.4・×2.0テレコンバージョンレンズに対応。白色のテレコンを間に挟むと奇妙な外観ですが、撮影に支障はありません。×2.0装着時は焦点距離が200mmとなり、開放F値がF5.6まで上昇します。

AF・MF

フォーカススピード

4基のXDリニアモーターを使用したAFに対応。
AF-Sではマクロ側にAFが迷うことがあるものの、AF-Cではとても快適なAF速度で動作します。カメラ側の追従性能に問題無ければ、近距離でも動体を追従しながら撮影できそうです。AF-Cで迷う場合はフォーカスリミッターを使用することで改善する可能性あり。

×2.0テレコンを装着した状態でも、明るい環境であればAFは快適に動作します。
特にAF-Cはほぼ一瞬で被写体に合焦。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・0.3m・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

マクロレンズらしく、ピント距離によって画角が大きく変化します。

精度

α7R Vと組み合わせた限りで大きな問題は無し。AF-S・AF-Cともに問題無く動作します。

MF

前述のように、2系統のMFモードを状況に応じて使い分けることができます。距離指標のMFモードをマクロ側に設定しておくことで、スライド操作で瞬間的にピント位置をマクロ域に移動させることも可能。

撮影倍率

素の状態で×1.4の撮影倍率までピントを合わせることができ、テレコンバージョンレンズ装着は×2.8を実現。ミラーレスでは競合する製品が存在しない唯一無二の存在となります。

まとめ

G Masterシリーズらしく、機能的で高性能なマクロレンズ。
良好なビルドクオリティに優れたコントロール、豊富な機能と高速AF、高い撮影倍率や拡張性を備えています。販売価格はやや高めですが、全部入りの「一番いいやつ」としては妥当な値付け。

ここまで充実している必要が無いのであれば、「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD」がバランスの良い選択肢になると思います。

肝心の光学性能はどうなのか?
G Masterらしい高い解像性能を発揮します。F2.8の絞り開放から細部までシャープで、コントラストが高い。パンチのあるピント面に加え、滑らかで綺麗な後ボケ。口径食は少し強めに発生しますが、それは他のマクロレンズも同様。テレコン装着時は画質が低下するものの、許容範囲内には収まっているように見えます。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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