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FUJIFILM X-T30を2か月使って感じた良かったポイント・悪かったポイント

FUJIFILM X-T30を2か月使って感じた良かったポイント・悪かったポイントをまとめたページを公開しました。

管理人の評価

ボディ質感 一部金属製パーツで質感良好
ボディサイズ APS-Cミラーレスらしいボディサイズ
グリップ 小ぶりだがしっかり指のかかるグリップ
操作性 小型ボディに詰め込み過ぎた感はある
カスタマイズ 小型ボディに詰め込んだ感がある
ファインダー 2019年としては平均的なファインダー
モニター 2019年としては平均的なモニター
タッチパネル 機能的だが操作性と一部レスポンスは要改善
画質 RAW 最新世代のAPS-C CMOSらしい画質
画質 JPEG DRやCCR、フィルムシュミレーションなど多用で豊富
AF レスポンスとカバーエリアがGoodだがAF-C設定が難しい
顔・瞳検出機能 レスポンスは良好だが検出維持とフレームの安定性がイマイチ
レンズ 手頃な単焦点やズームレンズがまずまず揃っている
アクセサリー X-T10からの使い回しが多い
総合評価 全体的に高バランスなAPS-Cミラーレス

部分的に要改善と感じる項目があるものの、価格以上の価値を感じるコストパフォーマンスに優れた1台。

手頃な価格で中古市場も賑わっているX-T20と比べるポイントは「オートフォーカス」と「高機能となった画質関連の設定」。個人的には価格差を考慮しても今から買うならX-T30と思うのです。

X-T30の良いところ

しっかりとしたカメラボディ

X-T20やX-E3と同じように、カメラの質感は非常に良好。カメラの上下に金属素材を採用し、ダイヤルなど操作パーツも金属製で安っぽさは感じられない。

少なくとも、同価格帯のAPS-CミラーレスであるキヤノンEOS Mシリーズやソニーα6xxxシリーズと比べて高級感のあるカメラの作り。「持つ喜び」を重視するのであればおススメ出来るポイント。

また、カメラの寸法は従来通りでX-T10のカメラアクセサリーを使い回せるのはX-T30の強み。

コンパクトだが豊富な操作性

APS-Cミラーレスとしてはまずまずコンパクトなカメラボディにも関わらず、ダイヤル3つ、プッシュ対応コマンドダイヤル2つ、フォーカスレバー、ボタン8つ、フラッシュ搭載と操作部材が非常に豊か。

さらに(タッチFnも含めて)カスタマイズ可能なボタンが多く、自分好みの操作性に調整しやすい。同価格帯のキヤノンやソニーのカメラと比べて自由度が高いと感じる。

コンパクトなボディに操作部材を詰め込み過ぎて操作性が悪い」という見解は否めないものの、個人的には許容できる範囲内かなと。

手頃でしっかりとしたレンズが多い

ズームレンズよりも明るく、金属外装で、防塵防滴で、オートフォーカスが静かで高速、そして5万円以下で統一されたXF F2 R WRシリーズとの相性が良好。

X-T30は防塵防滴仕様では無いものの、レンズ側でマウントがしっかりと密閉されている。センサー面における小ゴミ混入の心配が少ないのは地味に安心できる。

また、金属鏡筒はボディ側のメタリックな質感と似あっている。同価格帯のミラーレスの中では最も高級感があると言っても過言ではなく、「持つ喜び」についてコストパフォーマンスは半端ないと感じる。

ちなみにどのレンズも画質は良好で色やボケ質の傾向が一定。レンズを使い分けても色や描写にムラが無いのは地味に嬉しいポイント。

自由度の高いカスタマイズ

カスタマイズ可能なボタンが4つあり、さらにタッチパネルを操作して4つの機能を呼び出すことが可能。

X-T30は従来機種と比べて「カラークロームエフェクト」や「Dレンジ優先」「ブーストモード」など多機能となっているので効果的にボタンカスタマイズを活用したいところ。

タッチFnは第3世代のXシリーズと比べて多少レスポンスが良くなっているので、個人的には「許容範囲内」と感じる操作性になったと感じます。

見違えるようなレスポンスのAF

第3世代のXシリーズから乗り換えるポイントとなる。X-Pro2やX-E3など、X-Trans CMOS III+X-Processor Proのカメラをいくつか使ってきましたが、X-T30のオートフォーカスはもはや別物。

  • 像面位相差AFカバー範囲の拡張(ほぼ100%)
  • さらなる高密度化
  • C-AF瞳検出に対応
  • 顔検出・瞳検出のレスポンス向上

などなど、従来のフォーカス性能を知っている人からすると大きく改善したと感じるはず。特にカバー範囲とレスポンスが向上しているため、トラッキングAFや瞳検出の使い勝手が大きく向上しています。

家族写真や動体撮影をするのであれば第4世代への移行がおススメ。ただし、注意点もあり…(後述、短所の項目にて)

X-T3と同等の画質・画質設定

X-T3と同じ最新の裏面照射型2600万画素センサーを搭載。裏面照射型イメージセンサーはAPS-C用カメラとしては珍しく、私の知っている限りではX-T3が初。

X-E3やX-Pro2と比べて見違えるような高感度ノイズ耐性と言う訳ではありませんが、高画素化+像面位相差AFの強化を考えると良好なパフォーマンスだと言えるかもしれません。

さらにGFX 50Sで初導入され、より高価なX-H1にすら実装されていない「カラークロームエフェクト」が個人的におススメ。特に赤色の再現力が高まっているので積極的に使っていきたい機能。ただしJPEG出力限定。また、新機能の「Dレンジ優先」設定は手軽にHDRのような描写を楽しめます。

スペック云々のかたっ苦しい話を抜きにして画質は(従来通り)良好。

X-T30の悪いところ

フジフイルム独特のカメラ操作

「フジフイルムXシリーズ」はX-A5やX-T100などエントリーモデル以外は基本的に「モードダイヤル」がありません。

カメラに備わったシャッタースピードダイヤルや絞りリング、そしてISO感度(機種による)の操作で他社のような「P/A/S/M」を切り替えます。クラシカルな操作を楽しめる一方で、素早くカメラ設定を切り替えるのは苦手。

例えば風景撮影中に猫がひょっこり現れた場合、「フォーカスモードレバーでAF-C」「シャッタースピードダイヤル、もしくはISO限界速度設定でスピードの変更」「フォーカスエリアの変更」「画質の変更」など数多くの操作が必要となってきます。これでは咄嗟のシャッターチャンスに対応しきれません。他社であれば、カスタムモードで全てを一括して切り替えることが出来たり、呼び出し機能で一時的にカメラ設定を切り替えることが可能だったりします。

X-T30にはレバー一発で「アドバンストSRオート」モードに変更できるレバーが備わっています。このモードを「任意でカスタマイズしたカメラ設定を強制介入するモード」に変更できると便利になりそうですが…。

徐々に陳腐化するファインダー

X-T30の外装はジョイスティックの導入などを除くとX-T10からほぼ同じ。

トッププレートやダイヤルの質感を踏襲しているのはとても良いと感じますが、ファインダーなど(改善が目覚ましい)電子装備もX-T10やX-T20のままだったりします。

X-T30の「0.39型 OLED 236万ドットファインダー」は競合他社と見比べて大きく見劣りするスペックではありません。しかし、2019年における同価格帯のミラーレスは0.70?0.74倍のOLEDファインダー(α6400やLUMIX G99など)を実装。これらと見比べると小さなファインダー像は少し残念。

また、アイポイントが短くアイカップが存在しないことから眼鏡着用者には厳しい仕様。もしファインダーを重視しているのであれば、X-T10やX-T20でも良いのでファインダーを実際に確認して許容範囲かどうか確認してみるべし。

「快適操作」にはボディが小さすぎる

「良いところ」で取り上げた小型軽量なカメラボディですが、”快適にカメラを操作する”観点から見るとボディが小さすぎる。

特に気になるのは新しく実装されたフォーカスレバーの位置。操作する親指を不自然な位置まで下げないとレバーを操作出来ないのでハッキリ言って使い辛い。正直に言うと、私はフォーカスレバーよりも左手でタッチパッドAFを使ったほうが操作しやすいと思っています。

さらにサムレストに配置されたQボタンの誤操作率が非常に高い。ファームウェアアップデートで多少改善されたものの、誤操作する確率はゼロと言えずまだ高い。カスタマイズでQボタンを無効化したほうが良いくらい。これは従来モデルには無い仕様なので、X-T20から乗り換える際には是非とも確認しておきたい項目。

AF設定が難しい

AF-Cの高度なカスタマイズが出来る反面やや複雑で、シーンに合わせたベストチョイスがかなり難しい。AF-Cカスタマイズは状況に合わせたプリセットがいくつか用意されているものの、「おお、これだ!」という感覚がなかなか掴めなかったりする。

プリセットの数は増やさなくてもいいので、フジフイルムが公式で「状況に合わせたおススメプリセット」を幾つか紹介してくれると理解が進むかもしれない。

次に悩ましいのが顔・瞳検出とAFエリアモードの兼ね合い。基本的に顔検出オンの時は、AFエリアモードに関わらず顔検出が優先される(もちろん顔の誤検出時も含む)。顔検出が高精度で検出し続けるのであれば素晴らしい使い勝手なのですが、残念なことにちょいちょい検出が途切れる。

検出が途切れると検出前のAFポジションに戻るため、しばしばピントが迷ってしまう場面があったりする。これを回避するためにはワイド(追従)モードを利用して顔検出が切れても追従AFで継続的に追いかけるしかない。他のAFエリアモードでも、せめて顔検出が途切れても途切れた位置にAFフレームが移動するような設定が欲しいところ。

補足すると、顔検出の性能自体は第3世代と比べてかなり良くなっていると感じます。ただ、快適に使うためには「あと一息!」と言った印象があるのです。

タッチパネルのレスポンスと操作性

X-E3の頃と比べると良くなっていると感じます。

ただ、それでもキヤノンやパナソニックと比べるとまだまだ反応が遅い。タッチフォーカスやタッチFnは少なくとも、あと半テンポほど応答性が高いと良かった。

また、タッチフォーカス使用時は他のタッチ操作を受け付けなくなる、タッチのメニュー操作感覚が反転して変更不可など、融通の利かずイラっとするポイントがいくつか存在します。

今回のまとめ

  • 小型軽量で堅実なビルドクオリティ
  • 小型ボディながら豊富な操作性とカスタマイズ
  • X-T30に似合うレンズが多い
  • 進化したAFただしAF-C設定や顔検出は要検討
  • ハイクオリティなAPS-C画質と画質設定機能
  • 良くも悪くも個性的な操作性
  • 2015年から同じファインダークオリティ
  • あと一息のタッチパネル応答性と仕様

満足度は85点。

気になるポイントはあるものの、この価格帯のカメラとしては充実した画質(機能性を含む)とレスポンスの高いAFは魅力的。それを補完する素晴らしいXFレンズ群を含めるとAPS-Cミラーレスシステムとして完成度の高いモデル。

ファインダー倍率が少し小さかったり、もう一息改善の欲しいAFシステム、そしてあと少しレスポンスが足りないタッチパネルなど、完璧とは言えない部分もありますが長所を考えると許容できるレベル。

ファームウェアアップデートで対応できそうなポイントもあるので、これからもフジフイルムらしい改善ファームウェアを公開して欲しいところ。

今回使用した機材

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