まえがき
物議を醸しているフルサイズKマウントの超広角ズームレンズ。発売前からタムロンとかタムロンとかタムロンとか…と言われ続けている不遇のレンズ。
確かに、タムロンのOEM(だと思われる)の可能性が非常に高く、さらにOEM元の価格と比べてしまうと目玉が飛び出るほど高い。
買いましたよ!だって他に無いのですもの
超広角だけ別マウント揃えるかな、とも考えた時期もあったのだけれども…。色々調べてみると結局DFA15-30mm(SP15-30mm)かAF-S 14-24mmの選択になってきそうだったので、それじゃあリアレゾで超ダイナミックレンジが使えるKマウントにしとこうかなと。
結果としては大満足、という使い勝手では無いものの写りは前評判に違わぬもの。
外観
コンパクトなKマウントレンズ群の中では異色のレンズ。実に巨大。
現行Kマウントレンズの望遠以外で1kgを超えるレンズは今のところコレだけ。実際にK-1にマウントしてしまうと、思いの外ハンドリングは良好だが軽くなるわけではない。特に移動量が多いロケーションではやや重みを感じると思う。
レンズキャップはかぶせ式。これもまた巨大なんだな…。
保護フィルターを装着出来ない分、前玉を露出したまま携行するとアクシデントに見舞われた時に被害を被る可能性が高い。精神的にもよろしくない。
かと言って、撮影シーンに応じてカパッと外すして胸ポケットに仕舞える大きさでも無い。ウェストポーチやカバンのサイドポケットを空けておき、そこに仕舞える様にしておくと良いだろう。
15mmで前玉が最も前に繰り出す状態となる。
出目金レンズがかなり前にせり出しているので、この状態でキャップ無の携行はあまりオススメ出来ない。30mmで前玉を引っ込めてしまうかレンズキャップをしてしまった方が良い。
ちなみに私のレンズは既にうさぎに突撃され牛に体液をかけられていが、防汚コートと簡易防滴により難を逃れている。逃れていると思われる。
物議を醸している問題のポイント。フォーカスリングの回転方向が逆という点。気になる人は非常に気になるポイントであり、「純正品」としては妥協ならない所があると思う。
とは言え、最近のズームレンズしかりフォーカスリングはボディ側で、ズームリングの操作にウェイトを置いたデザインとなっている。AFは日々進化しているので、マニュアルによる微調整の機会が減っているという事なのだろう。レンズを支えながらどちらを操作する頻度が高いか?と問われると私はズームリングの方だ。
ズームリングに関しては他の純正品同様の回転方であり、違和感は無い。ズームリングの操作は固めでちょっと触ったくらいではズレないが、回す時に小指や親指でスッと回らないのでクイックな操作には向いていない。
ただし、フォーカスリングはあまり使わなと言え、回転方向くらい合わせても良かったんじゃない?というのはごもっとも。逆にしておく理由は無い。
マウントには防滴用のシーリングを搭載。
機械絞りでこれはタムロンのSP15-30mm(ニコン・ソニー)も同様。こちらを下側にして自立出来ない。
絞り機構の部分等でレンズ内部に塵が入り込む隙間が数点存在するので、ブロアを使った清掃をすると中に入り込む可能性が高い。こちら側の清掃では極力ブロアは使わない方が良さそうだ。
実写
今回はリサイズしてしまっているが、解像力は半端ない。
特に中央は気持ち悪いほど解像しており、賢い使い方では無いもののK-3系(APS-C 2400万画素)なら十分性能を発揮出来る。
これは画面中央をトリミングしたもの。「え?時計あったの?」って程の小さい部分でも数字まで読み取れてしまうほど。
これはリアレゾ使わなくても同程度の解像度は持ちあわせている。(リアレゾは細い線の集合体などで再現力を遺憾無く発揮していた)
周辺部の描写も申し分なく、かなり安定した解像力を発揮している。四隅は強いコントラスト部分でパープルフリンジが発生しているものの、Lightroomなどで追い込みをかければ解消出来る程度のもの。四隅でも像の流れは少なく、超広角としてはとても良好な描写。
問題は絞り開放F2.8で比較的近景や接写で撮影する場合。
四隅の口径食が目立つ傾向にあり、大きくぼかすと四隅に向かって放射線状にボケが伸びる。撮影者の想定以上にダイナミック(迫り来るように)写るので、使いドコロをかなり選ぶ。
ただし、中央及びピント面はヌケがよくシャープに写る。
このピント面というのが厄介で、望遠レンズとは違った難しさが存在する。画角がとても広い超広角で接写や近景を撮影する場合、手前から奥までのパースが付きやすい。
但し、ピント面はフルサイズのF2.8という事もあって思いの外狭く感じる。
このレンズの最短撮影距離0.28cmの被写体を絞り開放で撮影する場合、被写界深度はおよそ6センチ程。0.5mほど距離を取ったとしてもおよそ20センチ程しか被写界深度が存在しない。
F11まで絞っても2m程度しかなく、無限遠まで写すためにはF16まで絞る必要がある。(被写体までの距離0.5mの場合)
ただし、被写体との距離が1m以上離れるとF5.6でも落ち着いた描写になる。ただこの写真の場合もうちょっと絞っても良かったのとは思う。
F11まで絞ると近景から遠景までガッツリ解像する。特に中央に関しては苔や草のディテールがバッチリ。
一体ここまで解像してどうするのか?という気疑問すら浮かんでくる。
周辺に被写体をおいてボケを作るのであれば、20mmや24mmにする事で安定した写り。
と言っても被写界深度は相応に浅いので、ややボケ気味にするか絞る・距離を取るなどでコントロールする必要がある。海外の評価
30mmに関してはもはや何も言うことがない。開放からフレーム全域で良好な上、絞ることで中央がさらに立ち上がる。
特に中景・遠景は四隅までしっかりと写るので風景写真には是非。
やや大ぶりな点を許容できれば普段使いでも使いやすい画角で、現行の類似単焦点よりも良く解像印象(比較対象がFA31mmやFA35mmだったりするのだけどね…)
あまり絞らなくても四隅までしっかりと解像している。
出目金レンズが一番奥に引っ込むので、遮光効果は最適化されているのでフレアやゴーストには強い。
まとめ
Good
- 抜群の中央解像力と絞る事で簡単に追いつく周辺解像力
- 簡易防滴
- SPコーティング
- 15mmの超広角から30mmの広角までをワイドにカバーしたF2.8
- 静粛性の高いSDM駆動
Bad
- でかい・重い
- レンズキャップが大きい
- 高い
- フォーカスリングの回転方向が逆
- 出目金レンズの為普及品フィルターが装着出来ない
- 別途容易する角フィルターが高価
画質面に関しては概ね満足で、開放の広角端にしても使い慣れてくるとそこまで気にならなくなる。反面、気になるのはやはりサイズやコスト的な部分。サイズやコストがリーズナブルなレンズが多いので、尻込みしてしまうスペックになっている。
特にフィルターは普通の物は装着出来ず、やや高価なフィルターホルダーと角フィルターを別途購入する必要がある。フィルターワークを多様するのであれば要検討。
15mmの画角を多様せずとも、30mmまでの画質が素晴らしいのでズームレンズらしく画角調整しながら使っていける一本。「ここぞ」という超広角からふと目に止まった被写体を撮影出来る広角までカバーしているので便利。
購入早見表
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