1日早くE-M1 Mark IIをフライングゲットできたので、さっそく開封。
既に海外では発売されており、ベータ機によるレビューも出回っているので今回は基本的な評価・説明を省きます。
「褒めてばっかりじゃつまんねえだろ?」的なノリで、ちょっと辛口でE-M1 Mark IIをみてみましょう。
開封
化粧箱はE-M1とほぼ同等のデザイン。特に代り映えはしませんな。
レンズキット品が無いので、E-M1 Mark IIと言ったらこの化粧箱。思ったよりも小さいです。
40-150 PROの箱よりも小ぶりなので、これなら嫁さんにばれない大きさ。
商品を受け取りに行ったキタムラではもう1箱これが置いてありました。辺鄙なキタムラでもE-M1 Mark IIが2台も売れているとは…。
余談ですが、ナノUSMを搭載したEF70-300 IS IIも2箱ほどありました。そういえば発売日でしたね。
堂々の「Mark II」という文字。嫁さんに見つからないように押し入れにしまう必要がありますね。
ちょうどパーマセルテープの黒色があるので、それでMark IIの上から張っておこうと思います。
中の梱包は従来通りで、特にこれといった特徴は無し。その黒い袋の中にE-M1 IIが入っています。
ざっくりと付属品を出してみました。説明書や保証書は省略します。
中身は至ってシンプルで、本体・ストラップ・バッテリー・充電器・フラッシュ。
E-M1の付属品である外付けフラッシュと違って、「AP2端子」を必要としないフラッシュに変更されています。E-M5 Mark IIなどと一緒のやつですね。
付属品のフラッシュで首を振る事ができるのは素晴らしいですな!フードを別売りするオリンパスらしからぬ付属フラッシュ。
ガイドナンバーは従来通りの光量となっているのでバウンスには限界がありそうですが。
バッテリーはデカいです。並べて見ると違いは歴然で「でかくなったなあ」とつぶやいてしまうもの。
とは言っても、ボディに突っ込んでしまえばバッテリーの大きさなんて関係ないのでそこまで気にする問題でも無し。
充電器がちょっと嵩張るくらいですね。
バッテリー充電器は色の他に点灯具合で充電状況を教えてくれるようになりました。キヤノンの充電器に近い印象ですね。
バッテリーを装着したところ「もう充電できてまっせ!」の緑ランプが直ちに点灯。
おいおい、ちょっと待ってくれ…と差し込み直したところオレンジランプが点灯しました。
追記:充電時間はかなり短くなっています。「今までが長すぎたんだ…」という事もありますが、およそ2時間くらいで充電完了しました。(25%から100%へ)
外観のインプレッション
カタログを見る限りではE-M1よりもマッシブな印象でしたが、実際に並べてみると違いを感じません。
詳細は後日に別記事で記載しようと思いますが、シャッターショックはE-M1と比べて非常に抑えられています。これなら低振動モードや静音撮影を使わなくても良いかな、と思えるほどですね。
ファインダーはE-M1と比べてリフレッシュシートの高さを感じますが、従来通り液晶を使っていますので発色の再現性には変化ありません。ソニーなどのOLEDファインダーと比べるとコントラストは抑え気味。逆に発色が主張し過ぎていないので、こちらの方が好みだったりします。
操作部
コマンドダイヤルがウェットな感触になった
前後ダイヤルの質感はE-M1同様でプラスチック感が強く、20万のカメラと考えるとチープさを感じます。
「ここはアルミ削り出しでも良かったのよ」と突っ込みたいところ。
追記:どうも材質はアルミじゃないか、とのご指摘を受けて確認しました。確かにプラスチックと言うよりは金属的な材質かもしれません。
ダイヤルのトルクは前後で僅かに異なっており(E-M1でもそうでしたが)、フロントダイヤルがやや重くリアダイヤルが軽くなっています。
さらにフロントダイヤルのクリック感が少なく、よりウェットな操作感に。
E-M1の操作感覚を知っていると違和感があるので好き嫌いが分かれそうな感じです。初めは「壊れているのか?」と思ってしまうほど、ヌルっとした動きです。
モードダイヤルは回しやすくなった
モードダイヤルが僅かに大きくなっており、撮影の態勢からでも親指で操作しやすくなっています。
これは素直に「改善されている」と言えるものでしょう。「非常に」という形容詞を付けるまでではないですが。
Fnレバーの操作性向上と機能性の追加
FnレバーはE-M1からデザインが変更され、レバーの向きが左右反転しています。誤操作を防ぐためと認識しています。
操作性が向上、低下している印象はありません。
カスタム性が向上しており、Fnレバーに対して2か所のダイヤルにおける役割を一つ一つ指定する事が出来るようになりました。
電源ボタンに割り当てる事ができる
電源操作をFnレバーに設定する事が出来ます。
Fnレバーをあまり使ってなかった人には朗報の設定項目となりそうですが、FnレバーでISOやWBの設定を変更していた方にとってはどちらを選択するか悩むことになりますね。
電源ボタンをFnレバーの代わりにできないので、Fnレバーの機能性がスポイルされてしまう点はマイナスです。
モニタ
バリアングルモニタはチルト式と一長一短あるので、受け取り方には個人差があると思います。
とは言え私はバリアングルモニタに肯定的で、とくにローアングルやハイアングルで縦持ち撮影時には便利だと思っています。
三脚に据え付ける機会も多いのでバリアングルの方が使い勝手が良好。
LVコントロールパネルが強化されており、SDカードをスロット毎にファイル形式を登録できるようになっています。
他社では「1:RAW2:JPEG」という感じで形式毎に振り分ける事ができます。驚いたことにE-M1 Mark IIでは「1:RAW+JPEG 2:JPEG」とか「1:JPEG(LOWでブログ用)2:RAW+JPEG(HighでLR用)」と言ったようにスロット毎の自由度が非常に高いです。これは特筆すべき拡張性ですね。
あまりこの点を記載している方はいませんでしたが、これは中々素晴らしいのではないでしょうか。
ストラップ・金具
野暮なデザインのしっかりとしたストラップ
ストラップは相変わらず主張の激しい野暮ったいデザインです。
デザインはあまりおススメしませんが、一眼レフのストラップと同程度のしっかりとした造りになっているので使い勝手は良好です。
E-M1 II用のストラップが届いたらオサラバする予定ですが…。
ストラップ金具の注意点
気になっていた右側のストラップ金具の配置は、場合によってリアダイヤルやFn1ボタンと干渉します。
付けるストラップによって気になるかもしれません。
最も気を付けるべき点はストラップに金属製のパーツ(例えばカラビナで装着するような)が付いている場合、プラスチックの電子コマンドダイヤル(リア)と接触する可能性があります。
今までは何も気にせず使っていましたが、ダイヤルを傷つける可能性があるのでE-M1 IIには別の方法を考えたいと思います。
カードスロット
プラスチック部分が大きくなった
デュアルスロットとなるに伴いスロット部分が大きくなりました。結果としてプラスチック製のアクセサリードアが大きくなっています。
質感は特に気になりませんが、たすき掛けでカメラを携行している時にぶつけた場合の強度が気になるところです。
こうやって見るとアクセサリドアの大きさが分かりやすいですね。
E-M1ではプラスチックのドアが気になりませんでしたが、E-M1 IIの場合にはサムレストの一部までアクセサリドアとなっているので、プラスチックの感触が伝わりやすくなってるのかなと。
持ちやすさは圧倒的にE-M1 IIの方が良いです。右手全体でがっしりと掴む事ができるので、追加グリップを装着しなくても安定したホールドが出来そうです。
メニュー・機能
メニューは色などのデザインこそ従来から変更されていますが、項目や配置は大きく変化していません。
設定項目の「A~G」に対するカテゴリ名が省略されてしまっていますので、オリンパスのメニューに初めて触れる方は少し戸惑うかもしれません。E-M1の方が分かりやすかったです。
E-M1では後付けされた「深度合成」機能がより使いやすくなるかと思っていたのですが、今まで通り「AF1>ブラケット>フォーカスブラケット>深度合成」という4層のメニュー階層となっています。
さらにフォーカスステップを変更するには5層目に突入します。
フォーカスステップは現地で調整する項目かと思うのでもうちょっと引き出しやすくなると良いのですけどねえ…。
AF関連
AFエリアモードの追加
E-M1 IIではスポットAFの発展型として、十字タイプのグループエリアを指定できるようになりました。
測距エリア時にコマンドダイヤルを操作する事でAFのエリア設定を変更できるようになっています。
AFエリア移動の初期設定に注意
E-M1では測距エリア選択モード時に前後のコマンドダイヤルを動かしてスポットAFを移動させていました。
この機能はオリンパス独特で気に入っていたのですが、エリア設定機能が追加された事によりコマンドダイヤルを使ったAF移動機能がスポイルされています。
無くなっちゃったのか?と心配しましたが、初期設定をカスタム項目で切替可能です。
すごいぜオリンパス…、でも設定項目が多すぎるよ!
後述しますが、E-M1 Mark IIはE-M1以上に設定項目が増えています。まさに「自分だけのOM-D」という感じでより独自色が強くなっています。
AFターゲットパッド
AF移動にコマンドダイヤルを操作しなくてもタッチパネルを操作する事で移動できる機能が追加されています。E-M10 Mark IIで初登場し、PEN-Fに次いで3台目の導入モデルとなりました。
ただし、AFターゲットパッドの操作性はパナソニックのそれ(タッチパッドAF)よりもモッサリしている印象をうけます。
と言うのもパナソニック機の無段階なエリア移動では無く、AFエリアがブロックで区切られているオリンパス機では動きがぎこちない操作性となっているためです。使えない機能では無いのですが、LUMIX機の操作性を知っていると悶々とします。
E-M1 IIは横幅が広くモニターが左寄りに配置されているので、液晶モニタを親指でなぞるには不便なデザインですね。
AFリミッターは将来性を感じる機能
続いて、E-M1 Mark IIで初導入となったAFリミッター。フォーカス制御を電子的に操作するマイクロフォーサーズならではの機能ですね。
近接側と無限遠側のそれぞれを所定の焦点距離までに制限出来る機能で、これを設定すると物理的なフォーカスリミッターの操作が出来ないレンズでもピント距離を制限できます。
リミッター機能の無い望遠レンズやマクロレンズで重宝しそうな機能です。
作動させると「Limit」と表示されますので分かりやすいです。
ちなみにオンオフをメニューから切り替えるのは非常に煩雑なので、Fnボタンに割り当てておくと良いでしょう。私は12-100 PROや40-150 PROで使う機会が多いかなと思ったので、L-Fnボタンに割り当てました。ボタンプッシュでクイックに切り替えられるので便利です。
E-M1 Mark IIではEVF用ボタン(ファインダーの左についているE-M1では存在感の無かったボタン)もカスタム可能となっていますので、この辺に割り当てても良さそうですね。
使えそうな機能ですが、ピント距離の細かい数値を設定するにはオリンパスの深いメニュー項目の中から設定する必要があります。クイックに調整できない点は「惜しい」と言わざるを得ません。
その他新機能
お!そういえばこれは今までありそうで無かった機能ですね。地味に欲しい機能だったと言う人もいるのではないでしょうか。
ただ、これを設定してたり、しなかったりで「あれ、なんでこんなアンダーなんだ?」となったりするのですよね(PENTAX談)。
自撮り機能強化ですぜ。
バリアングルになったE-M1 IIにも忘れずに搭載されたようです。8mm 魚眼のセルフィーが捗るぜ!
ライブビューの表示が左右反転するだけでなく、液晶モニタに撮影用のボタンまで表示されるという優れモノ。
これを使う機会はとても少ないものの、芸が細かいぜオリンパス!
各社フラッグシップの中でも「自撮りができるフラグシップモデル」ってE-M1 Mark IIくらいなもんじゃないですかね。他のカメラってモニタ固定式だったり、チルトや回転幅が小さい可動式だったりと自由度が少ないモデルで自撮りには不向き(出来てα99 IIくらいでしょう)。
興味深い設定項目。これを設定しなければいけないシチュエーションが想像できませんが、必要な人もいるのでしょうね。
とは言え、SDカードスロットに割り当てる事が出来るファイル種類に自由度が高いので、この機能を重宝するシチュエーションも出てくるかもしれません。
バッテリーの環境をチェックできるようになりました。シリアル番号まで表示されます。
暗に「互換品を使わないかチェックしてるからな」と言われているようです。
大丈夫だとは思いますが、互換品のバッテリーを使い辛いですね。
ちなみにまだ互換品は世に出ていません。
まとめ
ソフトウェア的に「もう少し煮詰めてほしいな」という操作性はまだまだありますね。
- AFターゲットパッドの操作性
- メニューの明瞭さ
- メニューの深度(階層が多すぎる)
- 電源レバーが設定次第で要らない子になってしまう
- 出来る機能が多すぎてボタンが足りない
この辺はファームウェアで色々改善してほしいな、という一方でどうしようも無いハードウェア的な点としては
- メディアスロットのアクセサリドアがプラスチック製で巨大
- 右側のストラップ金具に大きなストラップを付けるとFn1ボタンやリアダイヤルに干渉・邪魔となる
- コマンドダイヤルのプラスチック感
と言ったところでしょうか。
少し辛口で書いた部分も多いですが、全体としてみると正常進化したE-M1という印象が強いです。E-M1ユーザーならば違和感なく乗り換えられるのじゃないかなと思います(初期設定が非常に多いので頑張ってください)。
正常進化しつつも「ハイレゾ・AFリミッタ・AFターゲットパッド・豊富なカスタム項目」などワクワク感のある新機能を搭載しているので、ガジェットとしても楽しめると思います。
明日は雷でも落ちない限りはE-M1 Mark IIを屋外で使用し、インプレッションを書いてみたいと思います。
追記:「ボタンが足りないよ!」と嘆いたのですが、よくよく考えると追加バッテリーグリップの十字ボタンにも一つ一つ役割を持たせる事が可能です。「Fnボタンを拡張する」という意味合いでバッテリーグリップを装着するのも良い手段かもしれませんね。
購入早見表
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