我が家にLUMIX GF9がやってきた
2016年にLUMX GM1Sを購入し、小型ミラーレスの可能性に徐々に惹かれていきました。しかし、GM1S以降は後継モデルが登場していません。
GMを差し置きリニューアルが続いているのは「GF」シリーズ。パナソニック「LUMIX」の中でも低価格でエントリーしやすいシリーズとして有名です。
個人的に「GFはGMとコンセプトが違う」と購入対象から外してたのですが…2018年8月現在「GF9ダブルレンズキット」が5万円きりと非常にお買い得な価格設定。(2本のレンズはどちらも1万5千円?2万円ほど)
これを良い機会と捉え、GF9を試しにゲット。
「GFはGMよりも下位互換」と勝手に思っていたのですが、これは完全に間違っていました。なぜもっと早く買わなかったのだろう。
今回はそんなGF9をGM1Sユーザーの視点からレビューしています。
Index
個人的な評価
項目 | 評価点 | memo |
解像力 | 繊細なシャープネス処理で好み | |
高感度 | 解像許容 ISO1600、色調許容 ISO6400 | |
描写 | 正確な色傾向で少し強めの発色 | |
動画 | 上位機種と変わらぬ機能性 | |
ボタン操作 | 小型モデルながら使いやすい | |
タッチ操作 | キヤノン以上の豊富で秀逸なタッチ操作 | |
外装 | モニタ背面が少しプラスチッキー | |
携帯性 | GMより大きいが十分良好 | |
モニタ | チルト機構がついてGMより便利 | |
機能性 | 手振れ補正は無いので注意 | |
電池 | USB充電対応・持続コマ数は普通 | |
価格 | 2018年9月現在ではコスパ抜群 | |
相性が良い | 街撮り、スナップ、家族、軽装旅行、広角単焦点 | |
相性が悪い | 大型レンズを必要とするシーン全般 |
古い1600万画素センサーながらローパスフィルタレス化とヴィーナスエンジンの更新でGM1よりもキレがあり心地よい演色のカメラ。サイズはGMより少し大きくなるものの、他は全体的にパワーアップしているのでおススメし辛いポイントが無い。
LUMIX GF9 レビュー
開封?外観
購入
Yahooショッピングのプレミアム会員と言うこともあり、5の付く日だったと言うこともあり、モール内のカメラ店で購入。
5,000ポイントほど付与され実質45,000円ほどでゲットしました。付与されたポイントはボディジャケットや予備バッテリーなどに使用。
LUMIX GF10が登場しているので現在がほぼ底値のはず。最安値在庫のクリアランスが済むと徐々に相場が高くなっていくかもしれません。
開封
ブラックは比較的高価だったので安かったオレンジをチョイス。
カメラ本体に2本のキットレンズ、ストラップなどが付属します。
レンズの色はブラックを買ってもオレンジを買ってもシルバーらしい。
後述しますが、2本ともややプラスチッキーな質感のレンズ。4万円台のGF9に付属するなら問題ないクオリティだが、レンズ単品で買おうとは思わないクオリティ。(ただし、描写は結構イイ)
GF9ボディ外観
GM1Sのようなマグネシウム合金ボディではなくプラスチック製ボディ。と言っても質感はかなり良好。
手に取ってGM1Sと剛性の違いを感じるのは難しく、プラスチックボディによくある”パーツの軋み”は無い。「金属製だよ」と言われれば信じてしまいそう。
カメラグリップは無いに等しく、サムレストが僅かに盛り上がっている程度。ただし、GM1Sと比べてカメラに厚みがあるため、GMのように”つまむ”ような感覚ではなく、”掴む”感覚は得られる。
そうはいってもしっかりグリップ出来るわけでは無いので後述するボディジャケットなどを装着したいところ。
チルトモニタ背面
チルト式モニタを動かして裏面やカメラ背面が見えるとプラスチック感が少し強まる。
プラスチック感は強いものの、このスッキリとした背面デザインは好み。
競合カメラとなるE-PL9は液晶の可動範囲が広いもののフレキが剥き出しだったり、可動パーツが色々あったりして少し見苦しい。
キットレンズ
LUMIX GF9は「ダブルレンズキット」として2本のレンズが付属した形態でのみ販売されています。(それ以外は中古、もしくは”キットレンズばらしの新同品”)
付属するレンズは以下の2本。
レンズのレビューは個別で記事にするとして、チェックした限りでは全体的に良好な描写。価格に対して解像性能やボケは十分満足できるレベルかと思います。
ただし、どちらもプラスチック製レンズでお世辞にも質感はよろしくない。
手に取った時の重量は軽すぎるくらいで、GF9本体と比べ質感が少し安っぽい。さらに12-32mmはレンズマウント部もプラスチック製であるため手荒に扱うのは躊躇われる。
25mm F1.7にフードを装着するとレンズ全長が少し長すぎると感じるかも。
逆光耐性のことを考えるとフードはあるに越したことは無いが、個人的には外して使いたいなと思う。
操作性
コマンドダイヤル
GM1Sと同じような背面ダイヤルですが、少し指のかかりが良くなっています。その一方で手触りや質感は少し安っぽいですが…。
GM1Sの背面ホイールは徐々に反応が悪くなってきましたが、GF9のホイールは大丈夫だろうか?これは長期間使ってみないと分かりません。
周囲のボタン配置はGM1Sとソックリなので違和感なく乗り換え可能。
GM1SにあってGF9に無いフォーカスモード変更
GF9で最も心配だったのはGM1Sに存在するフォーカスモードレバーが存在しないこと。
AF-SやMFを小まめに切り替えて使っていたので無くてはならない機能性なのです。
しかし、これは思いのほか杞憂だったようです。
GF9に存在する「Fn3ボタン」にボタンカスタマイズで同機能を設定可能。すると思いのほか違和感なく操作可能でした。
おまけにメニュー画面から「AF-S/AF-A」を切り替え必須なGM1Sと比べ、呼び出しコマンドから選択可能なGF9のほうが使いやすいくらい。
カメラのカスタマイズ
カスタマイズボタンはFn1~3に加えてタッチFn5カ所の計8カ所登録可能。
Fn2から「Q.menu」を外すのは非常にもったいない(さらにショートカット枠が増えるため)ので実質的に7カ所に任意の機能を割り当てることが可能。
GM1Sと比べて1カ所物理ボタンが多いものの、前述したフォーカスモードレバーをFn3に適用すると残り6カ所となりGM1Sと同じ設置数となる。
G9で使うことが出来る「AFスコープ」や「プリセットフォトスタイル・WB」などは存在せず、GM1Sと似たカスタマイズ項目となっています。設定枠が6カ所もあれば自分好みの使い勝手にカスタマイズ出来そうです。
再生時のカスタムで「ゴミ箱機能」を登録しておくべし
LUMIXを使い始めて2年経ちますが「あ、コレ便利だな」と新発見したのが再生時ボタンカスタマイズのゴミ箱機能。
通常、プレイバックから画像を1枚消去しようとすると…。
「ゴミ箱ボタン→1枚消去選択→消去実行の確認 」と3手順必要。
しかし、カスタムボタンに「ゴミ箱機能」を登録しておけば「1枚消去選択」を飛ばして直接実行確認へ移行するので便利。
カスタムモードが無い
GF9はGM1SにあったカスタムモードC1・C2が存在しない。その代わりにシーンモードが2種類モードダイヤル上に配置されている。
このあたりはエントリーカメラなので受け入れるしかない。
カスタムモードが存在しないため、フォトスタイルやホワイトバランスをごりごり調整すると通常に戻すのが少し手間となる。
GF9には「フォトスタイルにカスタム枠が1つ」「ホワイトバランスにはカスタム枠が4枠」ある。これを活用すると少し使いやすくなるかもしれません。
自撮りモード
モニタを180°チルトさせた時にタッチFnバーが自動的に自撮りモードへ移行。モード移行するモニタの確度はおよそ160?170°ほど上へチルトさせた時。
モード移行するとタッチFnバーは自撮り機能に変化する。
- 美肌効果
- フィルター効果
- 背景コントロール
- スリムモード
- シャッター方式
詳しい紹介はパナソニック公式ウェブサイトで確認可能。詳しく説明されているのでおススメ。
おまけにFn3ボタンが自動的にシャッターボタンへ切り替わるため右手で操作しやすい。
この操作が気に入らなければ通常モードやフェイスシャッターなどに切り替えることが可能。
バッテリー・MicroSD
microSDカード
GF9で気を付けるポイントその2。
一眼カメラとしては珍しくmicroSDカードを利用するため、人よってはGF9と同時に購入しておく必要があるでしょう。パソコンにデータを移行する場合、SDカードアダプターが必要となるかもしれません。microSDの出し入れが面倒ならばUSBケーブルをパソコンと繋ぎデータ転送するのもあり。
バッテリー
GF9は小型ボディであり、当然ながらバッテリーも小さい。
電源入れっぱなしや動画撮影を多用するとバッテリー残量はめきめき摩耗するので気を付けたいところ。
幸いにもUSB充電に対応しているため、空いた時間にモバイルバッテリーなどで充電することが可能。
この点で充電器必須のGM1Sより優れている。
社外製ボディケース
すでに生産終了、後継モデルが存在しないGMシリーズと比べ、GFシリーズは継続中の現行モデル。
さらにGF7からボディ形状に大きな変化が無い(カメラ底面やグリップ部)こともあって社外製ボディケースが多いのも一つのメリット。
今回は1,500円程度の社外製無印ボディジャケットを購入。装着は純正ジャケットのようにストラップ金具へジャケットストラップを絡める方式ではなく、三脚ネジ穴で固定するタイプ。
三脚ネジ穴固定方式は欠点があり、ジャケットを固定するため強く締めすぎるとジャケットとチルトモニタが干渉してしまいモニタが動かなくなってしまうこと。
これを回避するためにはしっかりと締めた状態から少しネジを緩めて使うしかない。幸いにも少し緩めた程度でジャケットがズレてしまうことはありませんでした。
GM1Sとの比較
操作性
前述した通りフォーカスモードレバーの有無はファンクションボタンに登録することでほぼ解消できる問題。
その他操作性に大きな違いは無く、チルトモニタや自撮りモードを考えるとGF9のほうが使いやすい。
さらに処理エンジンは世代差を感じるほど改善。ライブビュー画面からフォトスタイルの微調整が可能なGF9と比べ、GM1Sはメニュー画面から「フォトスタイル」項目での設定変更が必要。L.モノクローム・L.モノクロームD、シネライクなどナイスなフォトスタイルの追加。表示切替に対応したデジタルフィルターなどなど色々と便利になっている。
最新機種のUIに慣れているとGM1とGF9の差は強く感じるかもしれません。
サイズ・重量
チルト液晶モニタ搭載と言うこともあってボディサイズはGM1Sよりも大きい。特に差が大きいと感じるのはボディの薄さ(厚み)。
コンパクトデジタルカメラに近い厚みのGM1Sと比べ、GF9はミラーレスっぽいサイズ感となっています。
さらに170gのGM1Sと比べてGF9は240gと1.4倍の重量。どちらも軽いカメラですがこの差は大きい。手に取ったときのサイズ感は感覚的に一回り違う印象。
実写
AF
レンズに依るものの、GM1Sと比べて近接追従AFのレスポンスや精度は改善している。空間認識AFが実装されているGF9はGX7 Mark IIなどと比べても遜色ないパフォーマンス。
特にAF-C合焦後にピントを合わせ続ける際のウォブリング量が違う。GM1Sと比べて像面が安定しています。
色再現やコントラストなど描写全般
GM1Sの時代から色は好みで再現性も良好でしたが、GF9の世代でさらに研ぎ澄まされた感じ。
これと言って弱点が無く、全体的に忠実な色再現だが彩度がやや高め。必要に応じて少し彩度下げると良いかも。
オリンパスのTruePic VIIと比べると、赤色の彩度が控えめで見た目に忠実、青の色乗りが良く青空が映える。キヤノンっぽさもある個人的に好みな味付け。
さらにローパスフィルターレス化されているため細部までシャープに写る。風景撮影で使ってもかなり満足のいくパフォーマンス。極端にダイナミックレンジが必要とされるシチュエーションでなければコレで十分。
高感度ノイズ
1600万画素のマイクロフォーサーズ用センサーとしてはまずまず良好。
RAWのノイズ耐性はそこまで良くない(従来と比べて差が無い)ものの、JPEGのノイズリダクションが改善している。ディテールを残しつつ上手くノイズを処理している。
ノイズリダクション効果を-1?-2あたりまで落として使えばディテールを保持しつつ程よくノイズを消してくれる。ISO1600の使用はやぶさかでなく、ISO3200も実用的な画質。
まとめ
GF9は良いぞ!
GF9の良いところ
- 小型軽量(GMほどでは無いが)
- チルト液晶モニタと便利なタッチUI
- 高機能な自撮りモード
- GF7のアクセサリーを使いまわし可能
- GMより良好なAF性能
- 良好な色再現・解像性能
- 良好なノイズ低減処理
もし古くなった手持ちのGM1から乗り換えを検討しているのであればおススメできる1台。
GM1と比べてボディサイズは少し大きくなるものの、画質・AF・操作性は全体的に改善しています。
これで2本レンズ込み5万円以下なら買いでしょう。レンズはどちらも1万?1万5千円程度で売却できる(オークションや下取りなどを活用)ため、実際のところGF9ボディ代は2万円チョイ。
コストパフォーマンスがとても高い1台です。GM1に代わり家族旅行の相棒となりそう。
注意点
- microSDカード
- バッテリーが小さい
- GMと比べて少し分厚く重い
他のカメラと使いまわすことができないmicroSDカードは要検討。連写や4K動画を撮るつもりが無いのであれば安価なmicroSDカードを用意すればOKでしょう。
注意すべきはバッテリー。1日ぶっ通しで使うには心もとない容量のため、モバイルバッテリーか予備バッテリーを用意するべき。
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