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LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

パナソニック「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。広角18mmをカバーするズームレンズとしては驚くほど小型軽量。AF速度やズームリングの操作性はイマイチですが、収納性や携帯性は魅力的。

今回のまとめ

兎にも角にも、世界最小・最軽量のフルサイズ対応広角ズームレンズ。2018年に常軌を逸したボディサイズ・レンズサイズで登場したLUMIX Sシリーズからのコペルニクス的転回。驚くほどの小型化を実現したマクロレンズ・高倍率ズームに続く、2024年の総決算的レンズ。

この点に魅力を感じ、7万円を支払ってもよいと感じたら検討する価値のあるレンズ。特に小型軽量なLUMIX S9やSIGMA fpとの組み合わせで携帯性・収納性がとても良いシステムとなります。

小型軽量なが防塵防滴に対応しているので、旅行や行楽で携帯しやすいのもGood。とはいえ、開放F値が大きいため、敢えてフルサイズシステムを構築する必要があるのかどうか悩ましいところ。

In any case, this is the world's smallest and lightest full-size wide-angle zoom lens. A Copernican revolution from the LUMIX S series, which appeared in 2018 with its unconventional body and lens sizes. This is the final lens of 2024, following the macro lens and high-power zoom, which have achieved incredible miniaturization.

If you find this appealing and are willing to pay 70,000 yen, it's a lens worth considering. In particular, when combined with the compact and lightweight LUMIX S9 or SIGMA fp, it makes for a very portable and easy-to-store system.

It's also good that it's compact and lightweight, but also dustproof and splashproof, so it's easy to carry around when traveling or going on excursions. However, because the maximum aperture is large, it's a bit of a dilemma as to whether or not you really need to build a full-size system.

LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3のレビュー一覧

LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3のおさらい

正式発表がやや遅れたものの、LUMIX S9と共にお披露目されたコンパクトなフルサイズ対応ズームレンズ。珍しいズーム域のレンズですが、カテゴリとしては「広角」に属しています(参考 公式ウェブサイト)。一眼レフでは一般的な「16-35mm」の焦点距離が少し望遠側へシフトしたと考えると良いかもしれません。

広角18mmから標準40mmまでをカバーしつつ、沈胴構造により全長41mmの世界最小・最軽量の収納サイズを実現。LUMIX S9と組み合わせることでフルサイズミラーレスらしからぬ携帯性のカメラとなります。

発売日 2024年10月25日
初値 71,280円
レンズマウント ライカL
対応センサー フルサイズ
焦点距離 18-40mm
レンズ構成 7群8枚
開放絞り F4.5-6.3
最小絞り F22-32
絞り羽根 7枚
最短撮影距離 0.15m
最大撮影倍率 0.28倍
フィルター径 62mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 不明
サイズ φ68×41mm
重量 155g
防塵防滴 対応
AF STM
絞りリング -
その他のコントロール AF/MFスイッチ

レンズ構成は7群8枚と少なく、ミラーレス用レンズとしては後群のレンズが小さめ。
ただし、構成には非球面レンズ3枚やEDレンズ2枚、UHRレンズ1枚を使用。これでどのような結果が得られるのか、今後のテストでチェックしていきたいと思います。少なくともMTFを見る限りでは優れた中央解像で、周辺部も隅以外の広い範囲は良好な状態を維持しているようです。フレーム周辺部は広角側の高周波でメリジオナル成分とサジタル成分が分離しています。

縮長は「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」の半分以下。これで20-60mmよりも広い画角をカバーしているというのだから驚き。望遠端は40mmと短めですが、主に広角側を利用する人にとって便利なレンズ。沈胴構造のため使用時はレンズを展開する必要があるものの、小さなカメラバッグにも収納できるのは非常に便利。旅行などと相性が良さそう。

価格のチェック

売り出し価格は71,280円。「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」とよく似た価格設定となっており、レンズサイズを重視するか、光学性能や汎用性を重視するか悩ましいところ。

外観・操作性

箱・付属品

広角ズームレンズとしては非常にコンパクト。
元箱のデザインはLUMIX Sシリーズらしく、黒を基調として赤色のラインが入ったシンプルなデザイン。「S PRO」ラインではないため、「S」のロゴは灰色。中身の緩衝材はプラスチック素材少なめで、主に紙素材で構成。

レンズ本体のほか、前後のキャップが付属。書類は説明書と保証書が付属します。
レンズフードは付属しておらず、対応するフードの販売もありません。必要であれば、互換性がありそうなねじ込み式フードを自分で探さなければなりません。

外観

外装はプラスチック製でフォーカスリング・ズームリングも同様。LUMIX Sシリーズらしい素材・塗装・デザイン。しっかりとした作りですが、販売価格を考慮すると少し安っぽく感じるかもしれません。個人的には、ゴム製のズームリングが良かった。

焦点距離やレンズロゴなどは基本的にプリントですが、大きく表示された焦点距離「18-40mm」の部分は刻印のうえから塗装されています。

ズームによるレンズの伸び方

沈胴構造のため、使用時は内筒を繰り出す必要があります。この際は全長が2倍に伸び、18mmで最も長く、望遠側に向かって縮んだり伸びたりします。

開放F値の変動

広角端から望遠端まで、開放F値が徐々に大きくなっています。変動に偏りはなく、焦点距離に応じてF値が0.1刻みで大きくなっていきます。参考までに主要な焦点距離における開放F値を以下に掲載。(実際には0.1刻みでF値が変化します)

  • 18mm:F4.5
  • 20mm:F4.6
  • 24mm:F5.0
  • 28mm:F5.4
  • 35mm:F6.0
  • 40mm:F6.3

ハンズオン

サイズ φ68×41mm
重量 155g

質感は価格を考慮すると少し安っぽいですが、防塵防滴・フッ素コーティングなど耐候性に不満はありません。

前玉・後玉

レンズ前面にはフッ素コーティングが施されているので、水滴や油汚れの付着時にメンテナンスがしやすくなっています。とはいえ、傷や粉じんなどのダメージが予想できる環境であれば、プロテクトフィルターを装着するのがおすすめ。

フィルター径は62mmと珍しく、LUMIX Sシリーズでは本レンズのみ。前面にはレンズ名がプリントされていますが、反射を抑えたダークグレーのカラーリングでフィルター面への写りこみを抑制。

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金属製のレンズマウントは4本のビスで本体に固定されています。マウントの周囲には防塵防滴用のシーリングがあります。後玉はズーム操作で前後に移動する模様。ちなみにレンズの製造国は中国と表示。

フォーカスリング

レンズ先端にはプラスチック製フォーカスリングを搭載。競合他社の純正レンズよりも回転操作が重めですが、滑らかに回転します。ソニーのようなゆるゆるの操作性ではなく、キヤノンやニコンよりも使いやすい印象あり。

ズームリング

フォーカスリングと同じくプラスチック製のズームリングを搭載。LUMIX Sシリーズのズームレンズとしては操作性がイマイチで、弱い力で操作する際に滑らかな操作が難しい。

装着例

LUMIX S9に装着。
S9用に開発されたレンズと言っても過言ではない携帯性。これをカメラと同時にリリースできなかったのが悔やまれる。

手振れ補正搭載のフルサイズミラーレスとしては非常にコンパクトなS9と、最小・最軽量の広角ズームレンズの組み合わせは当然のようにコンパクト。中口径の標準単焦点を装着したような感覚で広角ズームを利用することが出来ます。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動で動作。高速とは言えませんが、一般的な撮影で十分な速度。近距離で素早く動く被写体を追いかけるには不向きですが、LUMIXカメラボディ側の性能も原因の一つとなっている印象あり。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

全体的にフォーカスブリージングがゼロと言えないものの、全域でまずまず良好に抑えられています。

18mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

24mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

40mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

精度

低照度・低コントラストでカメラ側の性能が足を引っ張らない限り、レンズ側のAF精度は良好。

MF

小さなフォーカスリングですが、適度な滑らかさとストロークで良好な操作性を実現しています。リングのレスポンスは良好で、ストロークはカメラ側で調整可能。

撮影倍率

最短撮影距離 0.15m
最大撮影倍率 0.28倍

広角側で最も寄りやすく、撮影倍率が高い。望遠側へズームするほど撮影倍率が小さくなり、最短撮影距離が長くなります。

まとめ

兎にも角にも、世界最小・最軽量のフルサイズ対応広角ズームレンズ。2018年に常軌を逸したボディサイズ・レンズサイズで登場したLUMIX Sシリーズからのコペルニクス的転回。驚くほどの小型化を実現したマクロレンズ・高倍率ズームに続く、2024年の総決算的レンズ。

この点に魅力を感じ、7万円を支払ってもよいと感じたら検討する価値のあるレンズ。特に小型軽量なLUMIX S9やSIGMA fpとの組み合わせで携帯性・収納性がとても良いシステムとなります。

小型軽量なが防塵防滴に対応しているので、旅行や行楽で携帯しやすいのもGood。とはいえ、開放F値が大きいため、敢えてフルサイズシステムを構築する必要があるのかどうか悩ましいところ。またAF速度やズームリングの操作性は長所と言えません。

光学性能は現在チェック中。2400万画素のLUMIX S9と組み合わせた限りでは、小型軽量ながら解像性能に明らかな欠点はなさそう。ズーム両端でフレーム全体の良好な結果が得られています。ボケは撮影距離によってかなり騒がしくなるものの、そもそも目立つくらいボケが大きくなるシーンが限られているため、過度に心配する必要はありません。

歪曲収差はズーム両端で目立つものの、想像していたよりも小さかったです(キヤノンほど極端ではない)。

もしも画質が気になる場合は「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」などを併せて検討してみると良いでしょう。レンズサイズが本製品の2倍以上となりますが…。コンパクトな超広角単焦点でも良い場合は「17mm F4 DG DN」と言った選択肢があります。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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