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LUMIX S 50mm F1.8 レンズレビューVol.3 遠景解像編

パナソニック「LUMIX S 50mm F1.8」のレビュー第三弾 遠景解像編を公開。中央や中央付近は良好ですが、隅に向かって低下が見られ、改善するには大きく絞る必要がありそうです。

簡易的なまとめ

絞り開放から全体的に良好な結果とは言えませんが、少なくとも中央や中央付近は問題なく使うことが出来そうです。周辺や隅は極端な画質の乱れはないものの、少しソフトな結果。像面湾曲が影響しているらしく、絞りによる改善速度は遅め。フレーム全体でベストな結果を得るためにはF5.6やF8まで絞る必要があります。

Although the results are not good overall from the maximum aperture, at least the center and the area around the center can be used without any problems. The periphery and corners are a little soft, although there is no extreme distortion of the image quality. It seems that the image plane curvature is affecting the results, and the speed of improvement due to the aperture is slow. In order to obtain the best results across the entire frame, it is necessary to stop down to F5.6 or F8.

LUMIX S 50mm F1.8のレビュー一覧

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2023.2.17 くもり 微風
  • カメラ:LUMIX S5II
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CCで現像
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・レンズ補正オフ

テスト結果

解像チャートテストの結果は良好でしたが、驚いたことにフレーム隅の画質はあまり良くありません。これは像面湾曲が影響しており、かなり絞らなければ被写界深度内に収まらないため。隅にピントを合わせると、F1.8からより良好な結果を期待できますが、中央がソフトな画質となるので実用的とは言えません。

中央

F1.8で若干のソフトさが残るものの、F2.8までに改善。以降はピークの状態が続きます。

周辺

中央と比べるとややソフトなF1.8は解像チャートと同じ傾向。F4-5.6まで絞ると良好な結果を得ることができます。

四隅

フレームの隅は像面湾曲の影響が残っています。絞ることで改善しますが、F5.6付近までは像がぼやけた結果。遠景の撮影でF1.8のパンフォーカスが重要となる撮影シーンは少ないと思いますが、夜景などの一部シーンには不適なレンズと言えそうです。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

撮影時のピント合わせをフレーム中・フレーム隅でそれぞれ撮影した結果が以下の通り。クロップしている場所は上から順に「中央」「周辺(50%くらい)」「隅」となっています。

ご覧のように、フレーム隅に若干像面湾曲が残っています。F1.8における隅の解像性能が少し向上しますが、中央や周辺は悪化。どちらにピントを合わせたとしても隅における画質のピークはF5.6-F8まで絞ると良好な結果を得ることが可能。

まとめ

絞り開放から全体的に良好な結果とは言えませんが、少なくとも中央や中央付近は問題なく使うことが出来そうです。周辺や隅は極端な画質の乱れはないものの、少しソフトな結果。像面湾曲が影響しているらしく、絞りによる改善速度は遅め。フレーム全体でベストな結果を得るためにはF5.6やF8まで絞る必要があります。遠景解像に関しては、同じくLマウントで利用可能なシグマ「50mm F2 DG DN」でより良好な結果を得ることができます。比較して高価ですが、絞り開放付近で遠景を撮影する機会が多いのであれば要検討。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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