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小ぶりでナイスな広角レンズ M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 交換レンズレビュー

更新日:

このページではオリンパスのミラーレス用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」のレビューを掲載しています。

Torunara's analysis

まずは今回チェックしたレンズの所感をざっくりとリストアップ。

中央解像力 開放 とても良好 周辺解像力 開放 やや甘い
中央解像力 ピーク とても良好
F1.8-F5.6
周辺解像力 ピーク 良好
F5.6-F8
軸上色収差 とても良好 倍率色収差 補正後は良好
球面収差 良好 コマ収差 良好
非点収差 目立つ 歪曲 補正後は良好
周辺減光 やや目立つ 逆光耐性 とても良好
AF とても高速 MF回転角 電子制御
SSF:90度
最大撮影倍率
最短撮影距離
0.08倍
0.25m
手ぶれ補正
フィルター 46mm 重量 120g
ニュートラルから僅かにマゼンダ寄り
コントラスト 良好だが細部はやや弱め
ボケ傾向 この画角としては滑らかで良好
後ボケに僅かな色づきあり
備考 金属鏡筒・スナップショットフォーカス機構
フード別売り・小絞り時に個性的な光芒

良いところが多く、悪いと感じる部分は極僅か。他のF1.8シリーズ(25mm・45mm)と比べてやや高価と感じますが、レンズ鏡筒の質感やスナップショットフォーカス機構を加味すると許容範囲。

それではレンズ外観から見ていきましょう。

レビュー外観編

化粧箱

2012年発売とマイクロフォーサーズ用交換レンズの中では比較的古株のレンズです。

パッケージは現行の黒を基調としたデザインでは無く、従来のM.ZUIKO PREMIUMシリーズらしいデザイン。

実焦点距離は17mmですが、35mm判換算「34mm」の表記されているので分かりやすいですね。現行デザインでも35mm判換算の焦点距離は箱に表示されています。

付属品

箱の中身は…

  • レンズ本体
  • フロントキャップ
  • リアキャップ
  • 説明書
  • 保証書

のみ。レンズケースや写真に写っているレンズフードは付属していません。4万円の価格設定を考慮するとレンズフードは付属して欲しいところですが、レンズフードのクオリティからするとやむを得なかったのかなとも感じます。

ハンドリング

レンズは鏡筒・マウントの多くが金属パーツで構成されています。4万円の価格設定でこのクオリティの純正レンズは珍しい。他社で言えばペンタックスのFA ・DA Limitedシリーズと似た質感です。

特にミラーレス用交換レンズとしては趣味性の高い外観と言えるでしょう。よく見るとレンズ先端にオリンパスらしいブルーラインがあります。

小ぶりなサイズの割にしっかりとした重量のあるレンズ、さすが金属製。重量があると言っても、”密度を感じる重さ”というだけであって「重たい」と感じることはありません。

レンズ前部・フィルター

フィルター径はマイクロフォーサーズ用単焦点レンズに多い46mm。NDフィルターやC-PLフィルターをこのサイズで集めておくと便利かもしれません。

レンズ前部の枠にはレンズ名が印字されています。白文字で反射しやすいため、プロテクトフィルター装着時に強い光源を反射して写りこむ可能性があります。逆光耐性に違和感を感じたらフィルターを外してみると良いでしょう。

フォーカスリング

スナップショットフォーカス

フォーカスリングはオリンパス独自の「スナップショットフォーカス」を採用。リングを前後にスライドすることでAFとMFを切り替えることが可能です。

スナップショットフォーカス時は約90度の回転角内で近接~無限遠までのピント操作が可能です。電子制御ですがヘリコイド式のような操作感覚でMFを楽しむことが可能です。

ただし、一般的なマニュアルフォーカスと比べて、ピント位置の微調整が出来ません。よく見るとピント位置は段階的に移動しています。

このため、被写界深度が浅い絞り開放の接写や無限遠を使った撮影時はピントが微妙に合わないと感じるかも。絞ってパンフォーカス撮影をする場合に適した機能と言えるかもしれません。まさに「スナップショット」用ゾーンフォーカス。

一般的なマニュアルフォーカス操作にも対応

リングがAF側だったとしてもカメラ側の設定をMFに設定すると一般的な「フォーカスバイワイヤ」の操作でマニュアルフォーカスが可能。この場合のフォーカスリングはやや軽めの回転動作となってます。

フォーカスバイワイヤ操作時はスナップショットフォーカスと異なり無限遠のピント微調整に対応しています。遠景の風景写真や天体撮影で使うのであればフォーカスバイワイヤ式での操作するのがおススメです。

レンズフード

実勢価格4500円とやや高めのレンズフード。75mm F1.8用フードと比べると少し安価ですが、それでも他社の樹脂製フードと比べるとかなり高価。

気軽に携帯したい17mmとしてはちょっと高すぎますね。

しかし、レンズ本体と同様にクオリティはとても良好。社外製の安いレンズフードにも対応していますが、レンズデザインの統一感を考えると純正のコレがおススメ。

フードの固定はネジ式。12mm F2や75mm F1.8のフードと異なりレンズとフードの接触面が小さくネジでしっかり固定しないと脱落しやすい点はマイナス。

フードを装着するとレンズ全長はおよそ2倍に拡張。と言ってもそもそもパンケーキレンズのようなサイズなので携帯性は良好です。

F2.8ズームレンズの最大径よりも短い全長のため、装着するカメラ次第ではレンズを収めるスペースに収納可能です。

ちょっと気になったのが、金属製レンズフードに専用レンズキャップが付属していないこと。

このため17mm F1.8付属のレンズキャップでの脱着が面倒です。コツさえ掴めば気にならない手間ですが、安い社外製のつまみ式キャップに換装するのがおススメ。

ちなみにレンズフードは62mmのレンズキャップがフードにぴったりはまる。ただし、専用の切り込みがあるわけでは無いので、脱落しやすくおススメしません。

カメラに装着する

本レンズをLUMIX GF9に装着し、同じ画角のM.ZUIKO 17mm F1.2 PROをLUMIX G9 PROに装着。

同じ画角でもサイズは大きな違いとなりますね。

このサイズ差で同じセンサーフォーマットと言うのが驚き。選択肢の幅が広いマイクロフォーサーズの強みと言えるポイントでしょう。

実写

遠景解像

  • LUMIX G9 PRO
  • 三脚・無反動電子シャッター使用
  • WB:太陽光固定
  • 仕上がり設定:スタンダード
  • ピント位置は中央固定

F1.8

中央はとてもシャープで完全に実用的な解像性能。像高5割くらまではこの画質を維持しています。

像高5割~四隅の描写は中央ほどシャープでは無くややソフト。

これは海外のレビューサイトでも指摘されているように像面湾曲(ピント面が前後に歪んでいる現象)があるっぽい。ピント位置を四隅に固定すると改善傾向が見られます。

ただし、非点収差の影響があるのか完全に中央と同程度の解像性能とはなりません。

F2.0

チョイ絞りでの改善傾向は無し。

F2.8

1段絞ると微妙に四隅は改善しますが、そこまで大きな改善幅ではありません。

しかし、絞り開放では不安定だった像高5~7割周辺の画質が安定します。この辺りはレンズの非点収差が収束して解像性能が向上しているように感じます。

中央はほぼ変化ありませんが、僅かに発生していた軸上色収差が改善しています。

F4.0

四隅がだいぶ安定してきました。遠景の風景撮影ならば最低でもF4までは絞りたいところ。

中央は大きな変化がありません。絞り開放からトップスピードを維持していると言い換えることも出来るでしょう。

F5.6

四隅はピークの解像性能。パンフォーカスでベストを尽くすのであればこのあたりを使って撮影すると良いかも。

F8.0

僅かに回折の影響を感じますがまだまだ実用的。

スナップショットフォーカスを使ってパシャパシャ撮るつもりならF8でゾーンフォーカスを使うのもアリ。

F11

さらに回折の影響が強くなるものの、まだ実用的。

F16

さすがにここまで絞るとシャープさが損なわれていると感じるレベル。

F22

フレーム全域でやや甘くなります。のっぴきならない事情が無ければ使いたくない絞り値。

ボケ中距離(1.5m~)

ボケに緑色の縁取りが発生しているため完璧なボケ質とは言えません。しかし、この画角としては滑らかなボケ質かなと感じます。ボケ量は低下しますが1段絞ると色収差が落ち着きマイルドな描写となります。

この撮影距離で目立ちやすい「玉ねぎボケ(主に非球面レンズの影響による)」の傾向はありません。

ボケ近距離(~1m)

中距離と比べてボケ量が多くなり、相対的に色収差が少なく見えます。このため騒がしさが低減して見た目の良いボケと言えるでしょう。

絞り開放から騒がしさの無いボケですが、1段絞るとさらに使いやすいボケ質となります。

軸上色収差

この価格帯の大口径レンズとしてはとても良好に補正されています。

目立った色づきは発生しないのでかなり使いやすいレンズ。

逆光耐性・光芒

一言でとても良好。

限定的ですが逆光時に汚いゴーストが出るものの、撮影角度を少しずらすだけで解消できます。

F11あたりからシャープな光芒が発生。円形絞りのわりに綺麗な光芒となり、F16やF22まで絞ると非常に強い光芒が発生します。

実写でも強烈な光芒

実写で使用してもかなり目立つ光芒が発生しました。光芒の筋がとても良く伸びるため、注意しないと被写体を覆い隠してしまうかもしれません。

歪曲

デジタル補正されているため大きな歪曲は無し。海外の一部レビューサイトでRAWデータにデジタル補正を適用しないと大きな樽型歪曲が現れるらしい。

残念ながら私の環境でデジタル補正をオフにすることは出来ないため元の歪曲収差は未確認です。

ただし、デジタル歪曲補正による四隅の解像性能低下はそこまで感じないのであまり気にする必要は無いでしょう。

色・コントラスト

開放から良好なコントラストでヌケが良く発色も豊か。

17mm F1.2 PROと撮り比べるとマイクロコントラストがやや弱く、若干だがマゼンダ寄り。色は撮り比べて細部を確認すると分る程度の差なので実写で特に問題と感じるシーンは少ないはず。

オートフォーカス/マニュアルフォーカス

オートフォーカス

とても高速かつ静かなフォーカス駆動です。

ピント距離による画角変化(ブリージング)は小さく、パナソニックのコントラストAFでも快適に動作します。追従AFも快適。

マニュアルフォーカス

前述した通り、スナップショットフォーカスを使うばあいは精密なピント調整が出来ません。また、このモードでは最短撮影距離にも制限があります。

PROシリーズの「マニュアルフォーカスクラッチ」とは別物と考えるべきでしょう。

まとめ

ここがおすすめ!

  • 小型軽量ながら金属製のしっかりとした鏡筒
  • スナップショットフォーカス機構
  • 軽快で静かなオートフォーカス
  • 頑丈なレンズフード
  • 開放からとても良好な中央画質
  • 絞るととても良好な周辺画質
  • この画角としては良好なボケ描写
  • 軸上色収差が僅か
  • 絞った時の個性的な光芒

ここに注意

  • レンズフード別売り
  • 別売りレンズフードにキャップが付属しない
  • スナップショットフォーカスはピントの微調整不可
  • 絞り開放時の周辺解像・像面湾曲

満足度は90点。

「4万円の単焦点」と考えると高バランスの小型軽量なレンズ。

金属製の別売りレンズフードや像面湾曲の影響はマイナスポイントですが、「趣味性の高いスナップレンズ」と考えると一蹴できる欠点。単純に17mm単焦点が欲しいと考えているならば少し割高と感じるかも。

より高価な「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」と比べてしまうと解像性能・ボケどちらもやや劣りますが、絞り値を適切に調整することでそこまで大きな差とは感じない描写。17mm F1.8ユーザーでF1.2 PROに乗り換えたとしても価格差ほど描写に違いは感じないかもしれません。

また、「個性的な光芒・小型軽量・プレミアムなレンズフード」と言った面で優れている。この画角の用途や使い方を考えると、大きく重たい17mm F1.2 PROよりも小型軽量な17mm F1.8のほうが良いと感じる人も多いはず。

おそらく多くの人は「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」と迷うはず。発色は15mm F1.7がやや強めで小絞り時の光芒は17mm F1.8がより個性的。他の特性は似ている部分が多く、画角や絞りリング・スナップショットフォーカス機構の選択で悩めば良いでしょう。付属品の充実っぷりを考えるとLEICA 15mm F1.7がコスパで有利。

Sample image

元データはFlickrに掲載しています。

今回使用した機材

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 ブラック
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