Olympus/OMDS関連の情報 OLYMPUSレンズ カメラ レンズ 機材の噂情報・速報 機材レビュー 管理人レビュー

M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II レビューVol.4 諸収差編

M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」のレビュー第四弾 諸収差編を公開。軸上色収差やコマ収差が残存しているものの、価格を考慮するとバランスの取れた良好な結果が得られました。

本日のまとめ

光学系は前モデルと同じであるため、長所と短所も変化なし。倍率色収差は良好に補正されています。歪曲収差や球面収差も無視できる程度に補正されているので問題なし。

軸上色収差とコマ収差が主な欠点ですが、これらは絞ることで改善可能。絞り開放の結果を重視する場合は他の選択肢も要検討ですが、この価格帯でバランスの良い選択肢だと思います。

The optical system is the same as the previous model, so the pros and cons remain unchanged. Magnification chromatic aberration is well corrected. Distortion and spherical aberration are also corrected to a negligible degree, so there are no issues.

Axial chromatic aberration and coma aberration are the main drawbacks, but these can be improved by stopping down the aperture. If you prioritize results at maximum aperture, other options should be considered, but I think this is a well-balanced choice in this price range.

M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 IIのレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

F1.8の絞り開放から像面湾曲の目立つ影響はありません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放から良好に補正。絞り値全域で特にこれと言った問題はありません。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放ではやや目立つ量の軸上色収差が発生。高コントラストなシーンでは前景におけるマゼンダの色ずれと、背景におけるグリーンの色ずれが発生する可能性あり。これは絞りにより改善するものの。F2.0-F2.8でも残存する可能性が高い。しっかり抑えたいのであればF4まで絞る必要がある場合も。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

元は極僅かな糸巻き型歪曲で、JPEG出力の段階で過補正気味な樽型歪曲として処理。いずれにせよ無視できる程度。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

完璧な補正状態と言えず、絞り開放付近ではいくらかコマ収差が残存。画質に致命的な影響を与えるほどではないものの、点光源が多い夜景などでは少し気になる場合あり。また、フレーム隅におけるコントラスト低下の原因。

球面収差

前後のボケ質を見比べると描写に僅かな違いを感じるものの、良好に補正されているように見えます。

まとめ

光学系は前モデルと同じであるため、長所と短所も変化なし。倍率色収差は良好に補正されています。歪曲収差や球面収差も無視できる程度に補正されているので問題なし。

軸上色収差とコマ収差が主な欠点ですが、これらは絞ることで改善可能。絞り開放の結果を重視する場合は他の選択肢も要検討ですが、この価格帯でバランスの良い選択肢だと思います。

購入早見表

このような記事を書くのは時間がかかるし、お金もかかります。もしこの記事が役に立ち、レンズの購入を決めたのであれば、アフィリエイトリンクの使用をご検討ください。これは今後のコンテンツ制作の助けになります。

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

関連レンズ

関連記事

-Olympus/OMDS関連の情報, OLYMPUSレンズ, カメラ, レンズ, 機材の噂情報・速報, 機材レビュー, 管理人レビュー
-, ,