「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。引き続き「日本製」で光学系やAFに変化はないものの、全体的に金属外装で防塵防滴仕様となっています。
本日のまとめ
光学系そのままに、外装の質感や耐候性を強化した後継モデル。外装や耐候性が重視するポイントではない場合、安価な前モデルを選択するのも一つの手(既に生産完了品となっているので在庫があるうちにお早めに)。また、II型はシルバーカラーが存在しないので、シルバーが欲しい人も前モデルを買う必要があります。
This is a successor model that retains the optical system, but has a stronger exterior texture and improved weather resistance. If the exterior and weather resistance are not important points, then choosing the cheaper previous model is also an option (as it is already discontinued, stock is limited, so be sure to buy it while there is still some left). Also, the Type II does not come in silver, so those who want a silver model will need to buy the previous model.
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 IIのレビュー一覧
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Index
まえがき
- 発売日:2025年 3月 1日
- 商品ページ
- データベース
- 管理人のFlickr
2025年3月に発売したOM SYSTEMの新しい標準単焦点レンズ。
「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」と同じ光学系を採用しつつ、外装のデザインが変わり、防塵防滴仕様が加えられています。販売価格は少し高くなってしまったものの、金属外装による質感の向上に加え、耐候性を獲得したことで使えるシーンが増えたのは強み。フッ素コーティング処理されていれば最高でしたが、4万円のレンズにそこまでを求めるのは難しいのかもしれません。
なお、前モデルに存在していたシルバーカラーはありません。ボディに合わせてシルバーを探しているのであれば、在庫があるうちに前モデルを入手しておいたほうが良いでしょう。
主な仕様
光学系の基本的な仕様は前モデルと同じ。競合する「LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.」と比べて最大撮影倍率が若干小さいものの、最短撮影距離は同程度。
レンズマウント | MFT |
対応センサー | 4/3 |
焦点距離 | 25mm |
レンズ構成 | 7群9枚 |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
フィルター径 | 46mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | ZERO |
サイズ | Ø59.4×42.0mm |
重量 | 156g |
防塵防滴 | IPX1相当 |
AF | MSC |
絞りリング | - |
その他のコントロール | - |
付属品 | レンズキャップ(LC-46) レンズリアキャップ(LR-2) レンズフード(LH-49B) 取扱説明書,保証書 |
価格
売り出し価格は4.3万円。前モデルが3万円ちょっとだったことを考慮すると1万円ほど値上がりしています。金属外装・防塵防滴仕様を考慮すると妥当な値上げ幅だと思いますが、出来るだけ安価な25mm単焦点レンズを探している場合は「LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.」を検討する必要があります。
外観・操作性
箱・付属品
ここ最近の新製品と同じく、エコパッケージ化したデザインを採用。他社も同じような路線を採用する場合があるものの、ここまでそぎ落としたメーカーは無いと思います。
レンズ本体のほか、レンズフードとキャップ、書類が付属。レンズフードは製品によって付属したり、付属しなかったり、統一感がない。
外観
外装が前モデルのプラスチック鏡筒から金属鏡筒に切り替わっています。頑丈で質感のよい触り心地。1万円ほど値上がりしていますが、金属鏡筒なら許容できるレベル。ただし、前モデルに付属していたデコレーションリングがありません。前モデルのリングをそのまま利用できるのか不明。
引き続きコントロールはフォーカスリングのみ。AF/MFスイッチやMFクラッチ構造はありません。
ハンズオン
従来通り小型軽量な標準単焦点レンズ。マイクロフォーサーズの携帯性を活かすことができ、さらに防塵防滴仕様により使用できる環境が幅広くなっています。以前のような外装のプラスチック感はなく、頑丈でしっかりとした作り。
ただし、引き続きレンズフードはプラスチック製。指で触れる機会が多いパーツで、左手を支える時にフードを掴むと、かなりプラスチッキーな感触があります。将来的に金属製の社外製フードの登場を期待したいところ。
前玉・後玉
引き続き46mmフィルターに対応。防塵防滴仕様ですが、前面のフッ素コーティング処理はされていません。水や油汚れなどの付着が予想されるシーンでは、保護フィルターを装着しておいたほうが後々のメンテナンスが楽。
金属製レンズマウントは4本のビスで本体に固定されています。周囲には防塵防滴用のシーリングあり。
後玉付近には「Made in Japan」と記載あり。OM SYSTEMの生産工場はベトナムにあるので、国内の企業に製造委託していると思われます。(S社?)
フォーカスリング
鏡筒と同じく金属製のフォーカスリング。適度な抵抗感で滑らかに回転します。
応答性はノンリニアで、回転速度によってピント移動速度が変化。素早く回転した際にピント全域のストロークは135度程度。ゆっくり回転すると360度ほどのストロークが必要となります。
レンズフード
内側にマットな塗装が施された円筒形のプラスチック製フードが付属。前モデルと同じ型番のフードであるため、共通していると思われます。
装着例
OM-3に装着。グリップレスのOM-3と携帯性の良い25mm F1.8は小さなカメラバッグに簡単に収まるサイズ感。同時発表されただけあって、金属ボディと金属鏡筒の相性が良好。悪くない外観だと思いますが、レンズのデコレーションリングにある「ブルーライン」が少し浮いているように見えます。
カメラと組み合わせても重量は片手で持てる許容範囲内。そのまま片手で撮影も可能です。コンパクトなカメラボディとの相性も良好。
AF・MF
フォーカススピード
フォーカスレンズの駆動にはステッピングモーターを使用。高速かつ静かで滑らかに動作します。一部のPROレンズほど電光石火のAF速度ではありませんが、F1.8レンズのAF速度としては十分以上。非常に快適。全体的に性能は前モデルと同じで、特に大きな変化はないように見えます。参考までに前モデルでのテスト動画を掲載。
ブリージング
ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
本レンズは最短撮影距離と無限遠で画角が僅かに異なるものの、影響は軽微で実使用で問題と感じることは少ない。
精度
レンズ側のAF性能に大きな問題はありません。あるとすればカメラ側の問題であり、特に被写体検出が迷いやすい状況、前後に遮蔽物や騒がしい背景がある場合にAFが引っ張られる可能性があります。
MF
応答性が良く、滑らかに動作します。ゆっくり操作した際のピント移動も滑らかですが、回転速度の変化に敏感で、操作がずれると僅かに段階的な移動になる。遠景でのピント合わせに大きな問題はありません。
まとめ
光学系そのままに、外装の質感や耐候性を強化した後継モデル。外装や耐候性が重視するポイントではない場合、安価な前モデルを選択するのも一つの手(既に生産完了品となっているので在庫があるうちにお早めに)。また、II型はシルバーカラーが存在しないので、シルバーが欲しい人も前モデルを買う必要があります。
価格がパナソニック「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.」に近くなってしまったのが悩ましいものの、レンズに癖が少なく、比較的高速でブリージングの少ないAFを好むのであれば本レンズが最適な選択肢。
光学系はそのままなので、光学的な特徴は従来通り。解像性能や色収差をはじめ、絞った際の光条のかたちもよく似ています。非球面レンズの研磨状態にも大きな違いは無いように見えます。価格差は外装の質感と耐候性と考えて問題ないのかなと。
購入早見表
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作例
関連レンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
- M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
- LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.
- LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
- LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.
- YN25mm F1.7M