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M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 レンズレビューVol.3 遠景解像編

「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」のレビュー第三弾 遠景解像編を公開。ピントを合わせた部分はF2からシャープ。ただし、像面彎曲の影響でフレーム全体を良好にするためには、かなり絞る必要があります。

簡易的なまとめ

マイクロフォーサーズ初期の1200万画素センサーであれば問題なかったのかもしれませんが、解像度が高まった2000万画素・2400万画素・80MPハイレゾショットでは像面湾曲の影響が目につきます。この収差は絞りによる改善効果が薄いため、対応策は絞って被写界深度を広げるしかありません。

If it had been a 12-megapixel sensor from the early Micro Four Thirds era, it might not have been a problem, but with the higher resolution 20-megapixel, 24-megapixel and 80MP high-resolution shots, the effect of field curvature is noticeable. As this aberration is not improved by adjusting the aperture, the only way to deal with it is to adjust the aperture to widen the depth of field.

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2022.12.21 晴れ 無風
  • カメラ:OM SYSTEM OM-1
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II

テスト結果

F2の絞り開放では周辺・隅に向かって若干ソフトな画質。これは像面湾曲が影響しており(後述)、絞らない限りフレーム全体のパンフォーカスは期待できません。影響が目立つのは像高5割から隅にかけて。顕著な影響ではないものの、2000万画素や2400万画素を最大限活かす性能とは言えません。ピントが合えばシャープなだけに惜しい。

F5.6-F8くらいまで絞ると像面湾曲の影響を被写界深度でカバーすることが可能。ベストを尽くすのであればF8まで絞りたいところ。

中央

ピントを合わせた中央は絞り開放から非常に良好。F2.8まで絞ると細部がさらにシャープとなりますが、基本的にはF2から実用的な画質。F8まで絞ると回折の影響が画質が若干低下するものの、フレーム全体の均質性を重視する場合はしっかりと絞って撮影するのがおススメ。

周辺

中央と比べるとかなりソフトな結果。絞ると改善するものの、シャープな結果を得るにはF5.6-F8くらいまで絞りたいところ。ただし、周辺にピントを合わせるとF2から実用的な画質。

四隅

周辺から隅に向かって画質の極端な低下はありません。ただし、像面湾曲の影響を避けるためにはしっかりと絞る必要があります。

隅(周辺でピント合わせ)

前述の通り、周辺部にピントを合わせると比較的良好な結果を得ることができます。F2の絞り開放ではコマ収差の影響が目立つものの、F2.8まで絞ると大幅に改善します。ただし、この際はフレーム中央がピントから外れてしまうため、不自然な結果となる。パンフォーカスを得るためには、やはりF8くらいまで絞りたいところ。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

以下の作例は「F2でフレーム中央ピント合わせ」「F2でフレーム周辺ピント合わせ」で撮影した写真をクロップしたもの。

作例を見るとわかるように、ピントを合わせる場所によってフレーム内でピントが合う位置が変化します。F2で遠景のパンフォーカスは不可能であるため、全てにピントを合わせるためにはかなり絞る必要があります。

まとめ

マイクロフォーサーズ初期の1200万画素センサーであれば問題なかったのかもしれませんが、解像度が高まった2000万画素・2400万画素・80MPハイレゾショットでは像面湾曲の影響が目につきます。この収差は絞りによる改善効果が薄いため、対応策は絞って被写界深度を広げるしかありません。

F2で遠景を撮る機会は少ないと思うので、過度に心配する必要はありません。ただし、マイクロフォーサーズでは一般的な「F2.8」「F4.0」と言った絞り値では補正不足となるため、「F5.6」「F8」までしっかり絞って使いたいところ。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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