外観機能編・実写編と記事を書いてきたので、今回は変わった使い方をしてみたいと思う。
このカメラは広角端24mm~標準域程度まではマクロ性能を持ち合わせているので、高倍率カメラながら接写撮影する事が出来る。しかし、広角から標準域までのマクロ撮影ではパース(遠近感)が付き易いので『これぞマクロ!』っぽい撮影をするには少々もの足りない。
かと言って望遠域ではあっという間に被写体に近づけなくなるので、小さな花や昆虫を撮影するには不向き。
それを解決してくれるのが『クローズアップレンズ』だ。これは装着することで、どのズーム域でも一定の距離から被写体を撮影出来てしまうというすぐれもの。つまり、2000mmを使った超拡大撮影も可能だったりする。このカメラにはフィルター用のネジが切ってあるので、一眼カメラ用のクローズアップレンズが代用可能だ。
クローズアップレンズには種類があり、そのレンズによって接近出来る距離やピントが合う幅が違うので購入前に要確認。私は今回『ケンコー MC No3 クローズアップレンズ』を使用した。
実写
単純に被写体の拡大に使うとピントが薄い(望遠になればなるほどピントが合う範囲が狭まる現象)ので、手振れを防止しつつピントを合わせるのが難しい。特に電動ズームのレンズである事に加えて、マニュアルフォーカシングをする為には専用の設定ボタンを配置してやる必要がある。
AFでピントが合わない事も無いが、あまりに望遠で撮ると収差がひどくて使い物にならなかった。
ちなみにこれが2000mm付近で撮った物。
小さな昆虫を写すには良いかもしれないが、花を写すにはオーバースペック過ぎて何が何やらサッパリ分からない。
オススメは望遠側を欲張らないで、35mm判換算で中望遠域(P900でマクロ撮影が出来なくなるすぐのズーム域)が使い勝手が良い。
ほどよく被写体にクローズアップして、背景もまさか小さいセンサーサイズで撮ってるとは思えない大きなボケ味。この程度のズーム域ではまだピント面も程よい深さがあるので、ピント合わせも楽だ。
もうちょっとズームしてやると、さらに背景が溶けてくれるので被写体を浮かび上がらせやすい。
これこそ、まさか1/2.3型センサーで撮影したとは思えないボケ味と解像感を得られる。但し、細部にはカラーフリンジが大きく出ているので、気になる場合は加工して取り除くと良いだろう。L判程度であれば印刷しても目立たなかった。
望遠側のマクロではパースが付きにくいので、平面的な画作りが出来る。P900の小さいセンサーなら被写界深度も深いので、パンフォーカス(被写体全体にピントを合わせられる事)にしやすく相性が良い。
ピントの合う範囲はかなり限られているが、ズーム域が広いので「これだ!」という構図にしやすい点では本家マクロレンズ以上に使い勝手は良い。クローズアップレンズはそこまで高いレンズでも無いので、もし興味があれば一つ買っておいても良いだろう。
中古カメラ屋にも代用出来そうな中古品が結構売っている事もあるので、覗いてみては如何だろうか?
(参照:フィルターの購入早見表)
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