このページではNikon Z7のファームウェアアップデート「3.0」で追加された機能についてチェックしています。
ファームウェア Ver3.00のおさらい
- ProGrade・Lexar製のCFexpress Type Bに対応
- 動物を認識して顔・瞳検出に対応
- ターゲット追尾 AFの操作性改善
・ボタンカスタマイズに設定可能
・3D-トラッキングと似た操作性に変更 - レンズFn2ボタンに対応
- フォーカス制限切替に対応
- 不具合の修正
CFexpress
「Ver2.20」ではソニー製CFexpress Type Bのみの対応でしたが、「Ver3.00」でProGrade・LexarのCFexpressに対応したようです。
残念ながらLexarのCFexpressは国内での取り扱いが始まっていません。ただし、ProGrade DigitalのCFexpressは既にAmazonで購入することが可能です。
購入先が限られているものの、ソニーToughやSanDisk製CFexpressよりも手ごろな価格となっているので検討してみてはいかがでしょうか。
? | ProGrade Digital CFexpress Type B |
120GB | Amazon |
256GB | Amazon |
325GB | Amazon |
カードリーダー | Amazon |
参考:Sony Tough CFexpress
CEB-G128 CFexpress Type B メモリーカード 128GB | ||||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo | ソニー直営 |
CEB-G256 CFexpress Type B メモリーカード 256GB | ||||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo | ソニー直営 |
CEB-G512 CFexpress Type B メモリーカード 512GB | ||||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo | ソニー直営 |
動物認識
動物認識を実装しているメーカーはソニー「動物瞳」とパナソニック「動物認識」のみ。これにニコンの「動物認識」が加わります。この分野でキヤノンを出し抜くとは思っていなかったので個人的に驚いています。一番槍では無いものの、フルサイズミラーレス初号機で動物認識を実装したのは評価できるはず。
ニコンの「動物認識」はソニーの「動物瞳」と似た機能ですが、「瞳」に加えて「顔」も検出可能です。瞳が検出出来なかったとしても顔検出で追従可能となっているのがGood。ただし、パナソニックのように「動物の体」を認識することは出来ません。顔の検出が外れてしまうとお手上げです。
使い方はいたって簡単。カスタム設定の「a4 オートエリアAF時の顔と瞳認識」から「動物認識する」を選ぶだけ。
これでオートエリア時に動物の顔や瞳を検出するようになります。この状態でも人間の顔や瞳を検出することは可能。
ソニーと異なり、この機能を利用できるのは「オートエリア」のみ。1点やワイドエリアでは利用できません。
また、動物認識のオンオフを切り替えることが出来るボタンカスタマイズ用の機能はありません。設定変更の際はメニュー画面に潜る必要があります。オンオフを切り替える頻度が高いのであればマイメニューに登録しておくべきでしょう。
ひとまず手持ちの人形で動作をテストしてみたところ、問題無く検出しました。動く被写体でも手前の瞳へ自動的に乗り移る動作はGood。
人間の瞳検出テストでも感じたのですが、ニコンの検出精度はなかなか優れているように見えます。
瞳を見失っても顔検出で粘りを見せる。
ターゲット追尾の操作性
ニコンの「ターゲット追尾」とはオートエリア時に「OKボタン」を押すことで任意のターゲットをロックオンする機能です。
ニコン一眼レフのライブビューに搭載している「ターゲット追尾」と全く同じ。
フレーム内を自動的に追尾してくれる便利な機能であり、顔検出が使えない時(眼鏡や帽子、ヘルメットで反応が悪い時)などの応用として活躍が期待できます。
ただし操作性に難があり、一度ロックオンすると再び「OKボタン」を押して解除するまで追尾し続けます。これがかなり使い辛い。
正確に追尾し続けているうちは問題無いものの、残念なことに前景に引っ張られて被写体をロストしてしまうことが多いのです。この場合「OKボタン」で追尾を解除し、再び「OKボタン」で被写体の追尾を開始する必要があります。
追尾機能が必要となる撮影現場で押し辛いOKボタンを2回も押す必要があるのは極めて不便な操作性。
これがファームウェア3.00で大きく変わりました。
ターゲット追尾の操作性 (赤字が変化したポイント) |
|
FW3.00 | FW2.10 |
OKボタン・タッチ操作で追尾開始すると、OKボタンでのみ追尾解除されます。 |
|
シャッターボタンの操作で追尾開始・解除が可能となった他、押し辛い縮小ボタン以外でも追尾モードを抜けることが可能となりました。追尾AFがトラブっても素早く復帰させることが出来るので便利。これまでと比べると遥かに実用的なシステムとなっています。
特にシャッターボタンを使った追尾オン・オフは一眼レフの「3D-トラッキング」と似た操作性なので馴染みやすいはず。
ただし、「オートエリア時のタッチAF」「OKボタンで追尾開始」の場合は従来通り「OKボタンで追尾解除」となるので注意が必要です。二通りの追尾方法があるので、状況で使い分けると良いでしょう。
追尾モードのオンオフはOKボタン・縮小ボタンの代わりにFnボタンへ専用機能を割り当てることが可能。撮影中に押し辛いOKボタン以外から追尾モードへ移行できるのは便利ですが、この機能の為に少ないFnボタン枠を割くのはモッタイナイ気がする。個人的にはAF-ONボタンに割り当てたかったのですが…。(Fn1・Fn2・レンズFn1・レンズFn2にのみ登録可能)
参考動画
動画では伝わり辛いかも…。
顔検出
人間の瞳検出について大きな変化は見られません。特筆すべき点は無し。
ファームウェアVer3.00の雑感
満足度:90点
ファームウェアアップデートによる大きな進化は期待していなかっただけに、「Ver2.00」「Ver3.00」と続けて驚かされる結果となりました。特に顔検出や瞳検出は力を入れているように感じます。まさか動物認識まで対応するとは…。Zシステムが始動して1年半ですが、ソフトウェアの開発にも力を入れている模様。
ターゲット追尾の操作性については「やっとか…」と感じるのが正直なところ。しかしユーザーの意見をくみ取り、インターフェースに反映させたことでZシステムの信頼性が高まったのは確か。この調子でファームウェアアップデートを繰り返し、より磨きのかかったミラーレスにしてもらいたいですねえ。
「ソニーに追いついた」とは言えませんが、大部分のシチュエーションでは満足のいく性能となってきているはず。今後の展開に期待。
サイト案内情報
ニコン関連記事
- ニコンが「Z f」用最新ファームウェアVer1.21を公開
- ニコンダイレクトが「Z50II」全キットの供給不足を告知
- ニコン Z50II 予約販売開始
- DPReviewがZ50IIのサンプルギャラリーを公開
- ニコンミラーレスカメラのモデルネームから半角スペースが無くなっている
- ニコン Z 50 生産完了
- 「Z50II」と「EOS R10」の外観やスペックの違い
- 「Z50II」と「Z 50」の外観やスペックの違い
- SmallRigがニコン Z50II用ベースプレートを販売開始
- ニコン Z50II は革新的ではないが初めてカメラを購入する人々に適している
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。