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RICOH GR IIIを使いこなす フォーカスレビュー編

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このページではリコーイメージングのコンパクトデジタルカメラ「GR III」のオートフォーカスに関するレビューを掲載しています。

GR III オートフォーカスレビュー

フォーカスモードの種類

フォーカスモードは以下の8つ。

名前 機能
オートエリアAF 25点分割全点オート
セレクトAF 全点オート時の1/4程度のサイズの1点AF
ピンポイントAF セレクトAF時の1/4程度のサイズの1点AF
追尾AF 他社のロックオンAFと同義 ポイント移動可
コンティニュアスAF セレクトAFのAF-C版
MF 方向ボタン↑プッシュ後に背面ホイールでピント操作
スナップ ゾーンフォーカスでピント固定
(1m/1.5m/2m/2.5m/5m/∞)
無限 無限遠固定

セレクトAF

セレクトAFのエリアサイズは変更不可。他社のように少し大きめの1点エリアモードが無いのは痛い。このため、ブリージング(ピント移動時の画角変化)とウォブリング(フォーカス時にピントが前後に動作)の影響が大きい、特にフレーム周辺部へピントを合わせる場合に苦労する。

オートエリア

オートエリアは「25分割」と1エリアがセレクトAFよりもかなり広範囲。1エリアが大きな範囲を占めるので、小物や近くの被写体を撮るには不向き。さらに近景よりも後景にピントが持っていかれることもしばしばある。幸いにもGR IIIはタッチ操作に対応しているので、オートエリアでピントが合わない場合はタッチ操作で一時的にセレクトAFとして操作することが可能。

ピンポイントAF

ピンポイントAFはセレクトAFよりも範囲が狭いので、さらにブリージングとウォブリングの影響を強く受けやすい。影響を受けない中央1点を使う限り快適だが、四隅へ向かうほど近景での使用は困難となっていく。

コンティニュアスAF

他社でいう「追従AFモード(シャッター半押しで被写体へピントを合わせ続ける)」にあたる機能。後述しますが、実用的とは呼べない代物。

セレクトAFと同サイズの1点AF固定。全点オートには対応していない。

追尾AF

コンティニュアスAFの全点オートのようなモード。

初めにセレクトAFのように1点で被写体を捕捉し、そこから被写体を認識する限り全点で追従可能。思ったよりも検出&追従してくれるが、肝心の追従AFはイマイチ。

MF

読んで字のごとく。マニュアル操作でピント合わせを実行するモード。

ピント操作は「マクロモードボタン(方向ボタン上)」を押してピント操作モードへ移行する必要あり。操作モードへ移行後は背面ホイールを操作してピントを移動させる。これが非常に使い辛い。

そもそも背面ホイールが指にかかり辛く、回しにくい。さらにホイールを回転させてもピント移動距離が少ないので無限遠から近景まで操作するのは非常に手間がかかる。幸いにもタッチ操作で一時的にセレクトAFを利用可能。

注意点はマクロ領域を使うことが出来ないこと。MF範囲は0.3m~無限遠のみで、マクロモードのまま「MF」へ移行しても強制的にマクロモードを解除される。

スナップ

「1m/1.5m/2m/2.5m/5m/∞」のピント位置で固定するモード。いわゆるゾーンフォーカスなので、絞って被写界深度を深くした状態で使うモード。

被写界深度の感覚が分からない人でもモニター左側にピント位置と被写界深度の指標が表示されるので便利。(後述)

使い辛いMFを利用するくらいならコチラがおススメ。

「撮影距離」を状況に合わせて変化させる必要があるため、この機能を多用するならFnボタンかADJレバーに「スナップ撮影距離」を割り当てておくと便利。

無限

読んで字のごとく。18mm F2.8のGRレンズならこれで間に合う場合も少なくないはず。

ただ、スナップモードで無限遠も選べるため、特にコチラを使う必要は無いかも?フルプレススナップ機能(後述)もこのモードでは発動しなかったりする。

マクロモード

従来のGRユーザーであれば気を付けたいポイント。まずはレンズ仕様をご覧あれ

GR III GR II
撮影距離範囲 マクロ 約0.06m~0.12m 約0.1m~∞
撮影距離範囲 通常 約0.1m~∞ 約0.3m~∞

ご覧の様に、GR IIはマクロモードでも無限遠にピントを合わせられたのに対し、GR IIIは0.06~0.12mと制限されています。

このため、マクロモードに突入すると通常の撮影距離でピントが合わなくなります。最短撮影距離が大幅に向上した代償でしょうか。

マクロモードでピントを合わせづらいと感じている場合は撮影距離が0.12m付近ではないか注意する必要があります。

ピント位置と被写界深度の確認

「MF/スナップ/無限」モードの場合、モニター左にピント位置と被写界深度(ピントが合う奥行)が表示されます。

上部写真のように、F5.6からF16まで絞ると緑色で表示された被写界深度が深くなっているのが分かります。

ピント距離表示は「0.06~0.30m」と「0.3m~∞」の2種類が存在し、ピント位置により自動で切り替わります。

フルプレススナップ

「オートエリア/セレクト/ピンポイント/コンティニュアス」モード時にシャッターボタンを半押しせず、一気に押し切ることで「スナップ」モードで設定した撮影距離で撮影することが出来る機能。

フルプレススナップ設定時は赤枠で囲んだ部分に「FS」と撮影距離が表示されます。

オートフォーカスでピントを合わせづらい時や瞬間的なシャッターチャンスに合わせて、一時的にスナップモードとしてピントを合わせることが可能。個人的にはAFで合わせづらい夜景の無限遠を撮りたい場合に重宝しています。

ただ、近接から無限遠へピントが移動するのに時間がかかるため、瞬間的なシャッターチャンスを捉えるには少し気になるタイムロスが発生する。

撮影した画像を確認すると、フルプレススナップで撮影したことと、どの撮影距離を使ったかが判断できるようになっています。

フォーカスアシスト

エッジ強調

いわゆる「ピーキング」モード。

使い勝手は他社と同等ですが、ピーキングの色を変えることが出来ないので場合よっては見づらいと感じるかも。

エッジ抽出

PENTAX KPで初登場した新しい機能。ピーキングで検出した範囲のみを表示する、合焦領域をより分かりやすくしたモードです。

ピント領域がかなり分かりやすくなった反面、その他領域はまったく判断できなくなるので手持ち撮影で使うのは難易度が高い。

オートフォーカスやシャッター半押し時はエッジ抽出モードが解除される模様。

絞りプレビュー

RICOH GR IIIにおける絞りプレビューの方法は2通り。

  • 左側面の「動画ボタン」長押し機能に割り当てる
  • シャッター半押し(AF後)、自動的に実絞りプレビュー

シャッター半押し後の実絞りプレビューは設定をオフにするすべが無い。このため、夜景などでF16など絞り込んだ状態だとシャッター半押し後は強制的に高感度ISOでのライブビューとなるので注意が必要。

オートエリア・セレクト・ピンポイントAFの動作確認

分かりやすくするため50mmクロップを使用。

しっかりと光を当ててやった状態の場合、ブリージングやウォブリングの影響が少ない中央領域なら快適に動作する。ピント位置を四隅に配置すると途端に不安定となってしまうのは悲しい。

今回はマクロ領域に近い近景で撮影しているためブリージングが大きくなっています。実写で3mより離れた被写体を撮影する場合はブリージングが非常に小さくなるので問題はあまり感じないはず。

コンティニュアスAFの動作確認

至近距離のためフォーカス速度が遅い、という点を省いたとしても基本的なレスポンスが遅すぎる。

合焦からデフォーカスへ変化しても、再度スキャンが始まるまでの間隔が長い。長すぎる。

ジワリジワリと前後へ移動する程度なら追従するものの、一般的なスピードで移動する物体を追いかけるのはほぼ不可能に近い。像面位相差AFの恩恵は主にココで発揮されると思うのですが…。

追尾AFモードの動作確認

検出後のターゲット追従性能は比較的良好。他社と比べてもそう悪く感じないはず。

ただし、前後の移動に対するレスポンスはコンティニュアスAFと同様。ただ、比較してまだ使えそうな気がする。

マクロモードでのAF動作確認

ご覧のように、AFの使い勝手は癖がかなり強い。

マクロモード時の撮影距離が狭いというのみならず、前述してきたようにブリージングの影響が強い。中央領域以外ではセレクト・ピンポイントAFが使い物にならない状態。

安定してAFを利用できるのはグリッドで仕切られた中央領域。像高5割程度と言ったところでしょうか。中央領域でAFを動作させる限りでは問題無く利用可能。

クロップモード時の動作確認

前述したように、ブリージングとウォブリングの影響が強いためセレクトやピンポイントAFでは四隅のピント位置で合焦しづらい。

これは35mm・50mmクロップ時も同様。合わせづらいと思ったら中央領域でAFを作動させるべし。

この動作確認で一つ不思議に感じたのが以下の写真。

ご覧のように、クロップモード時でもセレクトAFの対応フレームサイズに変化が無い。オートエリアの25分割も同様。

これは像面位相差AF対応カメラとしてはなかなか変わった挙動。ソニーやニコンなどの像面位相差AF対応モデルはクロップ時でも元のサイズのAFエリアが反映される(つまりクロップ時はAFエリアが大きく見える)。キヤノンのようにデュアルピクセルCMOS AFやパナソニックのようにコントラストAFなら理解できるものの、一般的な像面位相差AFセンサーのGR IIでこの仕組みは不思議。

コントラストAFの分割数が多いソニーαは比較的小刻みに調整できますが、GR IIIほど微調整は出来ない。これはいったいどういうことか?

AFの挙動から察するに、像面位相差AFはあくまでも補助的なもので基本はコントラストAFなのかもしれない。あくまでも推測なので、実際のところは不明ですが…。まぁ、コンティニュアスAFのレスポンスが酷いので、像面位相差AFが効いている気がしないのは確か。

低照度時のAF動作確認

F2.8・ISO 4000・1/8sでEV+2となる程度の光環境にて。夜に部屋のあかりを消して、片隅(ミニスタジオとは反対側の)でスタンドライトを点灯させている状態です。

印象としてはPENTAXのライブビューと同程度。精度は悪く無いけど、かなり遅い。F2.8とそこまで明るいレンズでは無いので諦めが肝心。

今回は比較的コントラストが強いAmazon電池を使っているため合焦しやすいかも。実写ではもう少し悪化する恐れあり。(精度の面で)

実際、イルミネーションでの1点オートフォーカスはかなり厳しい。オートエリアでも地面に吸われてしまい使い物になりませんでした。

タッチパネル動作確認

非常に滑らかで高レスポンスのタッチパネル。これは素直に凄い。

リコーイメージングとしては初のタッチパネル対応モデルなのに、ソニーやフジフイルムよりも良好。キヤノンやパナソニックに近い使い勝手。

今回のおさらい

GR IIIのフォーカス特徴

  • 像面位相差AFに過信は禁物
  • マクロモードは撮影範囲に制限が発生する
  • MFモードでマクロ領域が使えない
  • シャッター半押しでの実絞りプレビューは解除不可
  • ブリージングの影響が大きい近接時は中央領域でAF推奨
  • オートエリアは25分割と少なく背景にピントが抜けやすい
  • クロップ時でもフォーカスエリアのサイズが変わらない
  • 低照度AFは動作が遅いものの、精度は良好
  • AFが難しい時はスナップ・フルプレススナップを活用
  • タッチパネルのレスポンスは最高

GR IIIのアキレス腱。AF目当ててGR IIIを検討するのはおススメしません。

GRのコンセプトを考えると近接やマクロモードにおける使い勝手の悪いAFは許容すべき点なのかも?主な使い方はスナップなど軽快に撮り歩くスタイルのはず。それに、3m以上の撮影距離では夜景やイルミネーション以外でそう大きな問題は感じません。

ただ、「それなら像面位相差を積む必要性無かったのでは?」と感じてしまう、パフォーマンスの悪さが気になるところ。像面位相差用素子を載せるために画素欠損するくらいならコントラストAFでも十分だった。実際、GR IIのコントラストAFで困っていなかった、という人も少なくないはず。

プラスの側面を挙げると、クロップモード時もAFエリアサイズが変わらないのでピンポイントAFが使いやすいこと。レスポンスの良いタッチパネルで軽快な操作ができること。と言った点がある。

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