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オリンパス Tough TG-5を今から買う人のための徹底レビュー

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今年も夏がじょじょに近づいてきましたね。夏場のプール・海水浴で使うカメラは既に用意しているでしょうか?今回は防水カメラの中でも特に人気が高く高性能な防水カメラ「オリンパス Tough TG-5」をレビューしてみましょう。高いだけあって高機能で面白いカメラに仕上がっています。

Tough TG-5ってどんなカメラ?

Tough TG-5はこんなカメラ

  • 機能性・拡張性の高い本格防水カメラ
  • 最新のイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載
  • レンズの開放F値が比較的明るく(F2.0~F4.9)暗所に強い
  • 高倍率の顕微鏡モードと便利なフラッシュシステムでマクロ撮影に強い
  • RAW出力対応で後処理に強い
  • ライブコンポジット(多重露光)や深度合成など特殊撮影に強い
  • 比較的高い

オリンパス「Tough」は高機能・拡張性に優れた防水カメラとして以前から定評のあるシリーズです。

純正ハウジング(本格的な水中用カメラケース)や水中フラッシュを始め、他社の防水カメラではあまり見かけない高倍率の顕微鏡モードや深度合成機能、フラッシュシステムを備えた本格マクロ機能などを備えています。

さらにレンズが明るく、センサーは解像度を抑えた最新モデルで比較的暗所に強いと言えるでしょう。さらに、RAW出力に対応しているので、パソコンで画像を処理する場合の柔軟性が高い。

防水カメラとしては高価ですが「高性能・高機能・高拡張性」を考慮すると正当性のある価格設定。買えるならコレ買っておけば間違いない。

ただし、防水性能は水深15mと他社機より少し浅いため、ダイビングで使うならば防水プロテクター込みでの使用が宜しいかと。幸いにも純正の防水プロテクターでも3万円切る価格で手に入れることが出来るので、水中で水没を気にせず使いたいのであれば安い投資かと思います。

外観・操作レビュー

Tough TG-5の外観・操作特徴

  • ナイスなデザイン
  • しっかりとしたカメラグリップ
  • 多彩なアクセサリにロック機構の追加
  • 三脚穴は光軸上に配置
  • 高機能だけどボタンカスタマイズ不可
  • レスポンス良好

本体外観・グリップ

 

他社ではあまり見かけない原色系の赤色を採用。

外観デザインの好みは個人差があると思いますが、個人的には直球ドストライク。防水カメラの中では一番カッコいいデザインじゃないでしょうか。

ボディの素材は明示されていないものの恐らくプラスチックとアルミ合金のような質感です。

TGシリーズでお馴染みのレンズアダプターやフラッシュアクセサリは簡単に外れないようにロック機構が新しく追加されています。これは既存ユーザーにとって地味ながら嬉しい改善のはず。

サイズは113×66×31.9mmで重量は250g。従来機とほぼ変わりなく、一般的なコンパクトデジタルカメラに近い大きさ。

カメラグリップは比較的大きく、指を掛けてしっかりと握ることが出来ます。

注意点はカメラが中央に配置されているので、カメラを握る右手が写りこみやすいこと。厚手のグローブを装着している場合は特に注意。

一方でレンズ光軸上(カメラレンズの中央)に三脚用ネジ穴があるので雲台取り付け時の操作や運用のし易さは高い。また、小型三脚装着時のバランスも良好です。

操作性

ボタン一覧

  • ズームレバー:TG-4で使い辛かったポイント。晴れてシャッターボタン同軸となったので操作しやすくなっています。再生時に拡大・縮小操作時も使うので便利。
  • 電源ボタン:特に大きな変更点は無し。
  • Logスイッチ:TG-5で新設された各種GPS機能をワンタッチでオンに出来るスイッチ。バッテリーの消耗が半端ないGPS機能を入り切りすることでパワーマネジメントしやすくなっています。
  • コントロールダイヤル:TG-5で新設された機能。モードダイヤルと連動してダイレクトに設定値を操作したり、各種設定画面の操作に使用します。ダイレクトに操作する設定値の種類は以下の通り。
    ・Aモード:F値
    ・Pモード:露出補正
    ・顕微鏡モード:露出補正
    ・水中モード:露出補正
    ・録画モード:露出補正
    ・SCNモード:非対応(ただし「パノラマ・eポートレート」のみ露出補正)
    ・AUTOモード:非対応
    ご覧のように非対応だったり下層モードによって対応していたりちぐはぐ感が否めません。せめてカスタマイズ可能にしてほしかったところ。
  • シャッターボタン:半押しまでのストロークが深く、軽く押しただけではAFが作動しません。半押しから全押しまでのストロークは浅いです。
  • 録画ボタン:唯一ボディに埋没して押しづらいボタン。誤操作を防ぐためと思われますが、再生時の選択機能を担っているので連続して押しづらいため不便。
  • モードダイヤル:回転操作は滑らかで程よい抵抗感を持っています。親指の腹で簡単に操作可能。厚手のグローブを装着していると回しづらいかも。
  • INFOボタン:ライブビュー上の情報表示を切り替えたり、長押しでLEDライトを点灯させたりすることが可能。
  • 再生ボタン:読んで字のごとく。
  • 十字ボタン↑:通常は露出補正機能ですが、コントロールダイヤルと機能が被っていたり、モードによってそもそも露出補正が操作出来なかったり使う機会が少ないボタン。この他にはMFモード時に上下ボタンでピント合わせに使用します。
  • 十字ボタン↓:ドライブモードの変更に使います。ミラーレス一眼と同じボタン配置なので使いやすい。この他にはMFモード時に上下ボタンでピント合わせに使用します。
  • 十字ボタン←:別名「モード機能呼び出しボタン」。ミラーレス一眼「E-M10 Mark III」や「E-PL9」に導入された比較的新しいボタンです。SCN・顕微鏡・水中モード時に下層機能の選択画面を呼び出すことが出来ます。それ以外の機能は無いためA・Pモードでは完全にお役御免状態。せめて仕上がり設定やArtフィルターの呼び出しで使いたかったところ。やはりカスタム機能が欲しいぜ…。
  • 十字ボタン→:フラッシュ機能の呼び出し。TGシリーズは顕微鏡モードなどで多用する方が多いはず。ただし、肝心のフラッシュ機能に制限がありまして…(後述)

全体的にレスポンスが良好

起動時間から各種設定、メニュー画面の移動や決定など、レスポンスが良く快適にカメラを使うことが出来ます。

HDRやパノラマ、深度合成・タイムラプス動画など複数枚の画像を合成処理する場合は少し時間がかかるので注意。

多彩なフラッシュ機能

フラッシュは強制発光・オート発光の他、マニュアル発光(FULL-1/64)やリモート発光にも対応しています。

マクロ撮影でフラッシュを多用する場合、細かい調光機能が搭載されているのは便利ですね。ISO感度やF値とうまく組み合わせることで背景と被写体の明るさを調整することが可能です。(フラッシュ=被写体の明るさ・ISO感度 or F値=主に背景の明るさ)

さらに深度合成時の発光にも対応しているため、本格的な超マクロ撮影が可能となっています。

顕微鏡モード中のフラッシュ発光でNDフィルターが勝手に作動する

TG-5の悩ましい仕様がコレ。

AモードではF値(TG-5では1段目が絞り、2段目がNDフィルターを作動して光量を調節する機能)を操作できますが、それ以外のモードでは基本的にF値が自動的に変化します。

Aモード使用時はフラッシュ発光時もF値を固定してNDフィルターをオフにできますが、顕微鏡モード使用時はなぜか自動的に2段分ほどF値が調整されシャッタースピードは低下します。そよ風で揺れる植物や昆虫撮影時に被写体ブレを抑えることが出来ないのです。

ISOを低感度に固定してもNDフィルターが自動で作動し、フラッシュはFULL発光してしまうのです。

シャッタースピード優先モードが無い!

上記と絡めて問題となるのがシャッタースピード優先モードが無いこと。カメラの特性上動く被写体を撮影する機会が多いにも関わらずシャッター速度の微調整機能が無いのです。

高速シャッターを使うにはSCNモードの「動く被写体」や「こども」に設定して1/500秒を使うしかありません。これはちょっといただけない。

アクセサリードア

2重ロック構造を採用しているので誤って蓋が開いてしまうリスクを低減しています。

アクセサリドア内には一般的なマイクロUSB-B端子とマイクロHDMI端子が配置。従来の独自規格なUSB端子と比べてとても使いやすくなっていますね。

バッテリー室には専用バッテリーとSDカードスロットが併設されています。

TG-5はUSB充電に対応しており、WiFiを搭載しているので使い方によってはこのドアを開ける機会は少ないはず。

アクセサリドアと同じく2重ロック機構となっています。

ディフューザー FD-1

水中でも使用可能な専用フラッシュディフューザーです。

カメラのフラッシュを直接照射するよりも光が柔らかくなるのでおススメ。ただし、直射と比べて光量がだいぶ低下するためマクロ?至近距離用。

また、LEDライトは実質使用不可ですが接写時のAFアシストライトとしては使える程度の光量は確保されています。

前述したように、フラッシュとNDフィルター(F値)、ISO、シャッタースピードの連動がイマイチで少し使い辛さを感じます。

顕微鏡モードで明るさを確保したいのであればLEDライドガイド「LG-1」を導入したほうが良いかもしれません。

追記:TG-5側でFD-1の認識が必要

TG-5側で「アクセサリー FD-1を装着している(ライブパネルで操作可能)」と認識させることでF値が上がらなくなりました。FD-1を装着していない状態でもこの設定は可能。

レンズアダプター

魚眼やテレコンバージョンレンズを装着するためのアダプタですが、一般的な40.5mmフィルター径なので各種円形フィルターを装着可能です。コンパクトデジタルカメラとしては貴重な特性と言えるかもしれません。

個人的にNDフィルターで流し撮りやC-PLで風景撮影をしたく導入しました。

なお、専用のキャップが付属しますのでレンズ保護の観点から導入するのも良いでしょう。

40.5mmは一眼カメラ用レンズとしても小さい径ですので、使い勝手の良い49mmまでステップアップリングで繋げ使用しています。

また、49-77mmを導入してフルサイズ用のフィルターも装着可能にしてみました。この場合でも広角側でケラレ(アダプターがカメラの撮影フレームに入り込んでしまう現象)はありません。

TG-5の内蔵NDフィルターは光量を2段分低下させることが出来るため、ND16あたりを購入して内蔵NDと組み合わせることでND16?64あたりをカバーすることが可能。

ND1000と組み合わせるとND1000~4000まで行き来できるため日中のスローシャッターに重宝しますが、TG-5のスローシャッターは4秒までなのでNDフィルターが濃すぎると光量によって対応できなくなるので注意

シリコンケース・専用ケース

オリンパス純正の専用シリコンケースもゲット。

スマホのシリコンケースと同じく塵やゴミは付着しやすいですが衝撃から外装は保護され傷が付きにくくなります。

特にTG-5は液晶モニタを異物にぶつけやすい形状ですのでシリコンカバーの必要性は高いと思われます。

ただし、このカバーを装着することで十字ボタンや録画ボタンがやや押しづらくなってしまいます。

直接専用カメラケースに収めることは可能ですが、摩擦係数の高いカバーなので収納時に手間取るかもしれません。

社外製レンズプロテクター

UNが販売するTG-5用の開閉式レンズプロテクターも併せてゲット。

プラスチック製のチープな造りですが、お値段なんと2000円。レンズの保護性や利便性を考慮するとおススメのアイテムですがもう少し質感に気を遣ってほしかったところ。

装着はTG-5のマウントに直接装着します。

プラスチック製ですので変なかみ合わせのまま無理に回すと破損させるおそれがあるので注意。

ちなみにシリコンカバーを着た状態でも装着可能です。

使用時はカバーを開け、カメラ収納時はカバーを閉じるだけ。このカバーを装着することによるケラレや逆光への影響はありません。

スリムなレンズカバーなので装着した状態でポケットやカメラケースへ収納可能。

TGユーザーなら是非とも買っておきたい一品。

メニュー

Tough TG-5 メニュー特徴

  • インターフェースは最新のオリンパスデザイン
  • 設定項目はミラーレスエントリー機並
  • ボタンカスタマイズ不可
  • 相変わらず深い階層のフォーカスブラケットやインターバル撮影

基本的に最新のミラーレス一眼に搭載されているTruePic VIIIと同じ体系のメニュー画面です。

ただし、E-M10 Mark IIIやE-PL9などのように簡略化されカスタマイズや撮影モードの細かい設定は出来ません。

何度も書いていますが、やはりボタンカスタマイズ機能は欲しかった…。あとシャッタースピードを調節できる最低シャッター速度機能とか。

相変わらずフォーカスブラケットやインターバル撮影の設定は階層深くにあり使い辛いですね。

実写レビュー

Tough TG-5 実写特徴

  • ISO 100?400でストレスフリーのノイズ性能
  • ISO 800が画質の分かれ目
  • ISO 1600?3200の画質は時と場合による
  • ISO 6400?12800は非常用
  • AF-C機能無(自動追尾はある)
  • 仕上がり設定の調整はメニューからのみアクセス可能
  • 高コントラストな領域で色収差が目立つ
  • 深度合成な内蔵フラッシュ発光対応

ISO感度ノイズ

ベストな画質はISO100?400

基本的にISO100?400まではノイズフリー、もしくは気にならない程度のノイズ感。画質でベストを尽くすのであればISO感度を400までに制限して、手振れは気合か三脚でなんとかするのが良いでしょう。

晴天下の風景や旅行ならばISO100?400に収まるはず。

ISO800は画質の境目

ISO800はややノイズが目立ち始めディテールに影響します。カメラ内蔵のノイズリダクションは少しベタつきのある描写なので個人的にザラついてもノイズリダクションオフの描写が好み。場合によってパソコンの現像ソフトで後処理するのがベター。

曇天や小雨ではISO640?ISO800を常用することとなります。

ISO1600?3200は場合によって実用的な画質

ISO1600?3200はさらにノイズが目立つものの、色再現は良好でディテールも拡大しなければまずまず使えるレベル。

主観的な意見を述べると「ノイズの粒状感が上品なので悪く無い画質」と言ったところ。ノイズリダクション弱めでそのまま使いたいレベル。

この領域の感度を使うコツは「出来るだけ暗部を持ち上げない撮り方をする」こと。カメラの初期設定や通常の仕上がり設定では暗部を持ち上げ処理する場合が多く、ノイズがかなり目立ちます。黒潰れや白飛びは切り捨てて主題の明るさに集中するとノイズはそこまで目立たないはず。

この感度を使うのは「一般的な照明下の屋内でフラッシュを発光させない」シーン。

ISO6400?12800は避けたい画質

ISO6400?12800は発色が低下し明らかに画質が悪くなります。非常用と言って差し支えないでしょう。出来れば避けたいISO感度です。Artフィルターやモノクロ写真なら場合によって使えそうです。

やや暗い環境や屋内でシャッタースピードを上げた撮影(SCNで「こども」「動く被写体」モード時)はこの感度を使う必要があるかもしれません。

屋内で動く子供をフラッシュ無しで撮るには力不足です。

参考画像

ISO100~400までは通常撮影画像。ISO800以降はノイズリダクションのオン・オフ画像を同時に掲載しています。

オートフォーカス

フォーカスモード

オートフォーカスモードは以下の3種類。

  • 25点オートAF:25点のフレーム枠から自動で被写体を認識してAFが作動します。
  • 1点AF:25点から任意の1点を選択肢してオートフォーカスを作動します。任意のフォーカスポイントはメニュー画面から選択、もしくはOKボタンの長押しで選択可能です。
  • 自動追尾AF:通常は中央1点ですが、シャッターボタン半押し中にOKボタンを押すことでフレーム枠内の被写体を自動追尾します。ミラーレス一眼でいるところのロックオンAFに似た動作ですね。
  • 顔検出AF:AFモードとは別枠でオンオフの切り替えが可能です。オンの場合はどのAFモードでも顔検出が優先されます。
  • MF:AFモードとは別枠でAF/MFの切り替えをします。MFモード中はAFが作動せず十字ボタンの上下でピント位置を移動させることが可能。フォーカスピーキングに対応しています。

オートフォーカス性能

極端に暗い環境で無ければまずまずのオートフォーカス速度で正確にピントが合います。ミラーレス一眼にある「AF-C」の概念が無いので基本的にAF-S(シャッターボタン半押しでAFが一度動作する)です。

顕微鏡モードではAFリミッターが作動しているのか無限遠側(遠くの被写体)にピントが合いません。その反面、手前の被写体にピントが合いやすくなっています。

仕上がり設定

仕上がり具合はTruePic VIIIのミラーレス一眼と似た少しアッサリしている描写です。コントラストと彩度コッテリにしたい場合はスタイルを調整するよりポップアート IIなどアートフィルターを多用するのも一つの手。

幸いにもオリンパスのカメラはデジタルフィルター適用中でもRAW出力に対応しているため、必要とあらばRAW現像で調整することも可能です。

TG-5のインターフェースでは仕上がり設定をライブビュー中に操作することが出来ません。しかいし、メニュー画面から仕上がり設定を開くことで調整可能です。

  • iFinish
  • Vivid
  • Natural
  • Flat
  • Portrait
  • モノトーン
  • カスタム
  • eポートレート
  • ポップアート I・II
  • ファンタジックフォーカス
  • デイドリーム I・II
  • ライトトーン
  • ラフモノクローム I・II
  • トイフォト I・II・III
  • ジオラマ I・II
  • クロスプロセス I・II
  • ジェントルセピア
  • ドラマチックトーン I・II
  • リーニュクレール I・II
  • ウォーターカラー I・II
  • ヴィンテージ I・II・III
  • パートカラー I・II・III

色収差

Tough TG-5は明るいレンズの宿命とも言える色収差の問題が発生しています。逆光状況やそれに準ずるシーンで縮小せずとも色づきを見つけることが可能です。

幸いにもRAW現像で色抜き可能。この程度の色収差量であればマニュアルで問題無いかもしれません。

深度合成

ミラーレス一眼では専用機能として独立していますが、TG-5の深度合成は顕微鏡モードの1機能として存在します。

仕上がり設定・ホワイトバランス・フラッシュ・ISO感度・露出補正などは調整可能ですが、F値やシャッタースピードはプログラムオートとなっています。

LEDライトに対応しているのはもちろんのこと、面白いことに内蔵フラッシュも最小?FULLまで調光可能で対応しています。コンパクトながら力強いマクロ撮影機能と言えるでしょう。

医療機器も製造しているオリンパスだけあって上手く合成処理されています。ボケ量が大きい箇所の合成は僅かにハロっぽくなっていますが、ピントはしっかり合っています。

まとめ

本気で写真と向き合うための防水カメラ

Tough TG-5の強み・弱み

  • Good:スタイリッシュで実用的なカメラデザイン
  • Good:豊富なアクセサリ群
  • Good:円形フィルターの装着が容易
  • Good:低感度で良好な画質・高感度で比較的良好な画質
  • Good:カメラ操作・設定ともにレスポンス良好
  • Good:顕微鏡モード(高倍率マクロモード)
  • Good:他社に無いユニークで実用的な機能(深度合成・ライブコンポジット・フラッシュ機能)
  • Good:RAW出力対応
  • Bad:シャッタースピード優先・マニュアル露光モードが無い
  • Bad:高機能だがカスタマイズや操作性が追い付いていない
  • Bad:SCNモード各種機能に制限が多い
  • Bad:シャッタースピードの下限が4秒
  • Bad:高コントラストな領域で色収差(パープルフリンジ)が発生しやすい

長所はカジュアルユースでもおススメできるポイントが多く、短所は主に一眼ユーザーが凝った使い方をする場合に少し不満と感じるレベル。

画質は1/2.3型センサーなりですが、画素数を抑えているためか比較的オールラウンドに立ち回ってくれる画質です。欠点を把握して撮影して編集すればそこそこ満足できる写真に仕上げることが出来るでしょう。

防水カメラとしてはやや高価ですが、パフォーマンスや機能性・拡張性を考慮すると妥当な価格設定と感じます。

ただ、個性的な機能・拡張性を使わなければ割高感が強いため、単純に防水カメラが欲しいだけであれば比較的安い「Nikon COOLPIX W300」や「FUJIFILM Finepix XP130」で満足できるはず。

とは言え、このページをここまで読んで下さった方であれば「TG-5の画質・機能・拡張性」が気になっている人のはず。

大丈夫。多少コストはかかりますが、最も後悔しない防水カメラを探してるのであれば「Tough TG-5」がベストの選択肢です。

実写作例は最下部にて

Tough TG-5 購入早見表とおススメアクセサリー

用途別おススメアクセサリー

  • 子供と水遊びや虫の撮影で使いたい…TG-5+シリコンジャケットCSCH-126
    特に必須アイテムは無し。虫を撮るときは顕微鏡モードで「INFO」ボタン長押しでLED発光が使えます。
  • 一眼カメラのサブとして…TG-5+CLA-T01+各種コンバージョンレンズ・C-PL/NDフィルター
    自分の用途に合わせて魚眼なり、マクロキットなり、フィルターなり。個人的にはマクロとフィルター。
  • マクロ撮影…TG-5+充電池 LI-92B+FD-1+LG-1+CLA-T01+テレコンバーター TCON-T01
    取り敢えず使いやすいのはLEDガイドのLG-1。FD-1はフラッシュ発光を多用するためバッテリー損耗が激しい。テレコンTCON-T01はカメラのテレ端(100mm)を使うため開放F値はF4.9です。当然ながら薄暗い環境ではISO感度が上がりやすいので注意。
  • 水中撮影…TG-5+PT-058+UFL-3
    防水プロテクターはケチらず導入しておいたほうが良いと思うのです。

購入早見表

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テレコンバーター TCON-T01 新品・中古情報
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フィッシュアイコンバーター FCON-T01 新品・中古情報
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コンバーターアダプター CLA-T01 新品・中古情報
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水中専用フラッシュ UFL-3 新品・中古情報
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防水プロテクター PT-058 新品・中古情報
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ファイバーケーブルアダプター PFCA-03 新品・中古情報
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Oリング POL-058 新品・中古情報
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実写作例とコメント

ここからはFlickrにアップロードした画像を掲載しています。

顕微鏡モードで簡単に本格マクロ撮影が出来るのは便利ですね。

撮影倍率は一眼カメラと比べて遥かに高く、被写界深度を稼ぎやすいので小型センサーの得意分野と言えるかもしれません。

ただし、被写体が動いていたり風で揺れていたりすると難易度が跳ね上がり、高感度ISOを使うと画質が一気に崩れる点がネックです。

また、ダイナミックレンジが狭いので暗部を無理に持ち上げるとノイズが出やすい点も小型センサーの欠点と言えるでしょう。

上の作例は暗部(中央の暗い部分)を真っ黒な状態から大きく持ち上げています。オリジナルデータを確認すると分りやすいですが、ソコソコノイズが発生しています。

正直に言うと、ウェブやSNS上で使うにはこの画質でも許容範囲内かなと思っています。

ダイナミックレンジが狭いのは仕方ないことなので、あえて黒潰れと白飛びを活かした高コントラストな写真を撮るには良いかもしれません。

不必要な情報が元から写りこまないのでイメージ通りの写真が出来上がります。

フルサイズ一眼カメラの場合は暗部の情報も綺麗に残っているため、”ディテールのある暗部”となってしまいがち。後から編集するのであれば情報が残っていた方が自由度の高い表現が可能ですが、どうせ高コントラストな写真にするのであれば最初から白飛び黒潰れで良いかもしれません。

前述したように、背景情報は白飛びで吹き飛ばしています。

高コントラストなシチュエーションでは暗部にパープルフリンジが発生する場合があります。上の写真では特にフレーム下部の暗部に色づきを見つけることが出来ます。

この程度であれば後処理で色抜きすることも出来ますが、今回は敢えてそのままアップしておきます。

Tough TG-5はモニタが可動しなためローアングルの撮影が非常に難しい。カメラを上向きに低姿勢で構える必要があるため、モニタを確認することが出来ないのです。

一つの解決手段として、スマートフォンからアプリ「O.l Share」を使い遠隔操作することで視認性が向上します。

フルサイズ換算で100mm相当の画角が使えるため圧縮効果のような演出も可能です。ボケは色収差が無い状況であればまずまず滑らかと言えるかもしれません。

圧縮効果に加えて深度合成でパンフォーカスにすると面白い写真となります。

曇天の中、望遠側を使って手持ち撮影。

手振れを抑えるためにISO800でなんとかパチリ。センサーシフト式手振れ補正を搭載しているはずですが、効き目はミラーレス一眼と比べてかなり弱く感じます。

それなりにノイズが発生しているのでLightroomでノイズ低減とシャープネスをゴリゴリ適用して現像してみました。

1200万画素に解像性能を期待するのもおかしな話ですので、コントラストを上げてそれっぽい感じに仕上げると良さそうです。

NDフィルターを使ってスローシャッターにチャレンジ。

TG-5導入初期と言うことでAモードで光量落とす手法を使うの忘れていました。

曇天・小雨でND16+F4で約1秒のシャッタースピード。さらにNDフィルターで2段落とせば、TG-5で限界となる4秒となりそうです。

曇天ならND16あれば事足り、晴天ならND64-500あたりが良いかもしれません。

フラッシュディフューザーFD-1を装着してパチリ。

まだアクセサリを認識させていないため、F値が過剰に上がっています。アクセサリを認識させていればもう少し明るく写ったはず。

曇り空から晴れ間が見えた瞬間。

ダイナミックレンジが狭く、暗部から中間域を優先すると明部は簡単に白飛びします。ホワイトスカイは出来るだけ隠すように撮ると良さそうです。

左からパノラマ撮影。

露出は左側で固定されるので、当然ながら明るい箇所はハイキー気味となります。

TG-5のパノラマモードは解像度が非常に低いのであまりおススメできる機能ではありません。

再び顕微鏡モードでFD-1を認識させずにフラッシュ発光でやきもきしていた写真。

風で葉が揺れ動くの被写体ブレが収束する瞬間を撮るのが大変でした。

次はしっかりフラッシュ発光して撮りたいと思います。

アートフィルターの「ポップアート II」を使用。

程よくコントラストが高く、彩度も最近流行りのコッテリ描写。SNSなど小規模サイズの画像としてアップするには相性の良い仕上がりと感じます。

歪曲収差はレンズプロファイルが適用されているためか微塵も収差を感じません。

24mm相当の画角でも非常に直線的な描写が楽しめます。

薄暗い屋内でも開放F値 F2の明るさを使えばISO250に抑えることが可能。

とは言え、ダイナミックレンジが狭いのでノイズが目立つ部分は敢えて黒潰れさせました。

黒潰れ作例素の2。

屋内はISO感度が上がりやすいのでノイズを紛らわすことが出来るラフモノクロームでパチリ。

「ポップアート II」作例その2。

曇天時の低コントラストな状況で相性の良い仕上がり設定かもしれません。

彩度やシャープネスの微調整が出来ない点が残念。

「ポップアート I」は全体的に明るく写りますがコントラストはそこそこ高いです。

Vivid+ローキーからさらにLightroomでローキー処理を施して現像。

小型センサー+ローキー or 高コントラストな描写が結構好きなのかもしれません。

上と似たような処理で現像。

ローキーその3。やはりコントラストが高い部分にてパープルフリンジが目立ちます。

色抜きするシチュエーションはそこそこ多いかも。

ローキーその4。

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