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TTArtisan AF 40mm F2 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

「TTArtisan AF 40mm F2」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。

製品提供について

このレビューは株式会社 焦点工房より無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

同社「AF 75mm F2」の流れをくむレンズ。手ごろな価格ながら筐体の作りが良好で、AFやMFにこれと言った問題点はありません。操作性の良い絞りリングも搭載しており、40mmを楽しむ面白い選択肢となっています。

ソニーE・ニコンZマウントそれぞれに競合製品が存在するものの、低価格を重視しつつ、レンズの外観や操作性を気にする場合は検討する価値があります。

This lens follows the same design philosophy as the company's “AF 75mm F2.” Despite its affordable price, it features a well-built body with no notable issues in terms of AF or MF performance. It also includes a user-friendly aperture ring, making it an interesting option for those looking to enjoy 40mm photography.
While there are competing products available for both Sony E and Nikon Z mounts, this lens is worth considering if you prioritize affordability while still valuing lens design and operability.

 TTArtisan AF 40mm F2のレビュー一覧

まえがき

TTArtisanブランドで9本目となるAFレンズ(フルサイズ用としては3本目)。AFレンズでは比較的珍しい焦点距離「40mm」を採用しつつ、小型軽量ながら「F2」の開放F値を実現。フルサイズ対応ですが、APS-Cと組み合わせても面白い焦点距離・レンズサイズとなっています。

直接競合するのは「NIKKOR Z 40mm f/2」「FE 40mm F2.5 G」「VILTROX AF 40mm F2.5」あたりでしょうか。本製品の価格帯としては珍しい金属鏡筒・金属製フード・絞りリングなど高級感のある作りが特徴的。

主な仕様

6群9枚のレンズ構成には1枚のEDガラスと1枚の非球面レンズ、2枚の高屈折率レンズを使用。MTFを見る限りでは周辺に向かって画質の落ち込みが少なく(Z 40mm F2 比)、安定感のある結果が得られそうですね。

最短撮影距離は0.4mと長く、0.3mを切るニコンやソニーと比べると寄りにくく、0.34mのVILTROXよりも少し長い。小さい被写体のクローズアップには不向きですが、実写でどのような写りとなるのか気になるところ。

レンズマウント E/Z/L
対応センサー フルサイズ
焦点距離 40mm
レンズ構成 6群9枚
開放絞り F2
最小絞り F16
絞り羽根 7枚
最短撮影距離 0.4m
最大撮影倍率 不明
フィルター径 52mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 不明
サイズ φ65×46mm Z-mount
φ61×44mm E-mount
重量 167/176g
防塵防滴 -
AF STM
絞りリング クリック付
その他のコントロール -
付属品 レンズフード

価格のチェック

売り出し価格は29,700円で、交換レンズとしては手ごろな価格。ソニー「FE 40mm F2.5 G」は非常に高価ですが、ニコン・VILTROX・銘匠光学はそれぞれ3万円前後。価格的に競争力はありませんが、鏡筒の作りや光学性能でどのように区別できるのか見ていきたいと思います。

TTArtisan AF 40mm F2
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外観・操作性

箱・付属品

TTArtisanではお馴染み、ファブリック調のカバーを張り付けた独特なデザイン。MFレンズはグレーのカバーでしたが、AFレンズはブラックカラー。APS-C用のAFレンズは箱の質感やデザインを一新していましたが、AF 40mm F2では元に戻っており、同社のAF 75mm F2と同じ。

書類を除くと、レンズの付属品はフードとキャップのみ。リアキャップはレンズ更新用のUSBドックとなっているので、紛失しないように気を付けたいところ。

外観

筐体は全体的に金属製のしっかりとした作り。手ごろな価格ながら質感が良く、安っぽさを感じません。前から後ろまでプラスチックパーツを多用している「NIKKOR Z 40mm f/2」と比べると質感は全く異なります。(ニコンも極端に安っぽい作りではありませんが…)

鏡筒のデザインはAF 75mm F2と同じ。レンズは全体的に黒色の塗装が施され、装飾は一切ありません。凝った意匠ではありませんが、一見してTTArtisanと分かるクラシックな外観。

他のTTArtisan AFレンズと同じく、レンズリアキャップに電子接点を搭載。ファームウェアアップデートはレンズにこのキャップを装着して実施します。紛失しないように注意。

ハンズオン

ソニー・ニコンと同じく手のひらサイズの小型軽量サイズ。パンケーキレンズというほど薄くはありませんが、フルサイズ用の単焦点レンズとしてはコンパクトば部類の製品に違いなし。

前玉・後玉

防塵防滴には非対応で、前玉のフッ素コーティング処理は不明。ダメージが予想されるシーンでは保護フィルターを装着しておくと良いでしょう。前面にはレンズのロゴやフィルター径などが白字でプリント。白字は光を反射しやすく、フィルター面へ写りこむ可能性があるので個人的に好みではありません。(もう少しグレーが良かった)

フィルター径は52mm。ニコンの「Z 28mm F2.8」「Z 40mm F2」と同じフィルター径です。

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金属製のレンズマウントは4本のネジで固定。防塵防滴用のシーリングはありません。光学系最後尾付近にはフレアカッターがあり、内部は反射を抑えるためのマットブラックな塗装が施されています。

フォーカスリング

金属製のフォーカスリングを搭載。適度に滑らかですが、個人的に期待するよりも抵抗感が弱め。少し緩く感じます。応答性は直線的で、フォーカス移動量は回転速度に依存しません。ピント全域のストロークは約270度と長め。フルマニュアルでピント合わせをするのは手間がかかりますが、微調整としては十分。

ストロークや応答性は良好ですが、フォーカスリング操作時のピント移動は滑らかと言えません。特に拡大して微調整する際に段階的なピント位置の移動が目立ちます。40mm F2で気にするポイントではないかもしれませんが、MFを重視する際は注意。

絞りリング

絞り全域で1/3段刻みのクリック付き絞りリングを搭載。きちんとしたクリック感で滑らかに操作できます。クリックを解除する機能はありません。この価格帯のAFレンズとしては心地よい操作性の絞りリングです。

レンズフード

金属製の花形レンズフードが付属。とてもシンプルなデザイン・形状のフードですが、本体にしっかりと固定でき、脱着は容易。問題はありません。

装着例

Z8に装着。ボディが大きいのでレンズがとても小さく見えます。マウント外形よりもレンズ直径が少し小さく、Z 40mm F2よりも若干小さい印象。全体的なハンドリングはほぼ同じ。小型軽量ボディと組み合わせた際は絞りリングが役に立つと思います。

参考までにZ50IIとの組み合わせも掲載。

AF・MF

フォーカススピード

AFはステッピングモーターで動作。滑らかな動作で静かな駆動音。AF速度は電光石火と言えないものの、十分な速度で動きます。近距離で素早く動く動体を追従しない限り不満と感じる場面は少ないはず。フレーム端や隅でも問題なく合焦します。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

画角の変化がゼロとは言えないものの、目立たない程度に抑えられています。

精度

Z8との組み合わせで目立った問題には遭遇していません。接近時に周辺画質が低下するので、AF精度や再現性が低下する可能性あり。

MF

リニアレスポンスで約270度と長いストローク。カメラ側のカスタマイズには対応していないので270度固定。マニュアル操作のみで完結するにはストロークが長すぎます。AF後の微調整として使うことになると思いますが、動作が微妙に滑らかではない点が気になります。(ピント合わせに問題ない程度ですが…)

まとめ

同社の「AF 75mm F2」の流れをくむレンズ。手ごろな価格ながら筐体の作りが良好で、AFやMFにこれと言った問題点はありません。操作性の良い絞りリングも搭載しており、40mmを楽しむ面白い選択肢となっています。

ソニーE・ニコンZマウントそれぞれに競合製品が存在するものの、低価格を重視しつつ、レンズの外観や操作性を気にする場合は検討する価値があります。

光学性能は現在チェック中。
ソニーFE 40mm F2.5 G ほどの切れ味ではありませんが、バランスの良い描写に見えます。硬すぎず、柔らかすぎず、自然な解像感を楽しむことができます。ボケは撮影距離によって背景が騒がしく見えますが、近距離では特に大きな問題はありません。最短撮影距離が長い点には注意が必要。

球面収差は Z 40mm F2 よりも良く抑えられています。滲むような柔らかいボケは得られませんが、接写時でもピント面は十分な解像感とコントラスト。AFもまずまず良好に動作。

他のコンパクトな40mmレンズと同じく、周辺減光はかなり目立ちます。絞りを閉じたり、カメラ側の補正を活用したくなる場面が多い。F8くらいまで絞っても減光が若干残る感じ。

逆光耐性は以前のTTArtisanレンズと比べると良くなっています。まだフレアが目立つ場合があるものの、フレーム全体に大きな影響を及ぼす可能性は少ない。色収差も良く抑えられているので、積極的に絞り開放を利用できると思います。

購入早見表

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TTArtisan AF 40mm F2
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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