「VILTROX AF 35mm F1.7」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。フレーム隅の画質が若干低下するものの、至近距離でも良好な結果が得られました。コストパフォーマンスの高いレンズ。
簡易的なまとめ
至近距離で撮影したとしても画質の大幅な低下はありません。中央からフレームの広い範囲でF1.7の開放絞りから良好な結果を得ることができます。特にインナーフォーカスレンズで接写時の画質低下がよく抑えられていることに驚きました。2万円台の大口径オートフォーカスレンズであることを考慮するとコストパフォーマンスは非常に高い。
Even when shooting at close range, there is no significant deterioration in image quality. You can achieve excellent results across a wide range of the frame from the center with an aperture of F1.7. I was particularly impressed by how well the inner focus lens suppressed image quality deterioration during close-up shooting. Considering that this is a large-aperture autofocus lens priced in the $200 range, it offers extremely high cost performance.
VILTROX AF 35mm F1.7のレビュー一覧
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:Z50II
- 交換レンズ:VILTROX AF 35mm F1.7
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
フレーム角に少しの低下が見られるものの広い範囲は絞り開放から概ね良好な結果。絞ることにより細部のコントラストが改善。 2000万画素のテスト機では絞った際のテスト結果が上限値に阻まれていますが、高解像センサー搭載モデルではより良好な結果を期待することができるはず(後述)。
絞り開放で少しソフトなフレーム角の画質も2~3段絞ることで改善します。F4以降はフレーム全体でとても良好な結果を得ることができました。価格を考えると優れたパフォーマンスと言えるでしょう。
中央
絞り開放からシャープな結果ですが細部のコントラストは少しソフト。 F2まで絞ると少し改善しF2.8で良好なコントラストを得ることができます。 F2.8でピークを迎え、それ以降の絞り値で大幅な画質の変化はありません。
周辺
中央と比べると僅かにソフトな画質ですが、F2.8やF4点ゼロまで絞るとほぼ同じ結果を得ることができます。倍率色収差の影響はほとんど見当たらず絞ることでコントラストの高い結果が得られます。絞った際の結果は中央とほぼ同じで、見分けるのが難しい。
四隅
中央部や周辺部と比べるとややソフトな結果。ただし、倍率色収差の影響は少なく、 F4点ゼロまで絞るとシャープでコントラストの高い結果が得られます。
数値確認
Center | Mid | Corner | |
F1.7 | 3352 | 3058 | 2630 |
F2.0 | 3210 | 3665 | 2304 |
F2.8 | 3692 | 3573 | 2966 |
F4.0 | 3478 | 3601 | 3646 |
F5.6 | 3297 | 3628 | 3601 |
F8.0 | 3297 | 3628 | 3338 |
F11 | 2821 | 3282 | 3120 |
F16 | 2276 | 2582 | 2331 |
まとめ
至近距離で撮影したとしても画質の大幅な低下はありません。中央からフレームの広い範囲でF1.7の開放絞りから良好な結果を得ることができます。特にインナーフォーカスレンズで接写時の画質低下がよく抑えられていることに驚きました。2万円台の大口径オートフォーカスレンズであることを考慮するとコストパフォーマンスは非常に高い。
大口径レンズにボケではなく明るさを求める場合にも優れた選択肢。ニコンZマウントでは競合する製品は「30mm F1.4 DC DN」「VILTROX AF 33mm F1.4」など。しかし、接写時の性能低下や絞り開放の光学性能、そして価格設定を考慮すると35mm F1.7は最優先で検討すべきレンズと言えるでしょう。
(手持ちのカメラと互換性があるか要確認ですが)
購入早見表
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作例
関連レンズ
- E 35mm F1.8 OSS
- XF33mmF1.4 R LM WR
- XF35mmF1.4 R
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- XC35mmF2
- 30mm F1.4 DC DN
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