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VILTROX AF 50mm F1.4 Pro レンズレビューVol.4 諸収差編

「VILTROX AF 50mm F1.4 Pro」のレビュー第四回 諸収差編を公開。

製品提供について

このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(1か月)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

収差を完璧に補正した光学設計ではありません。しかし残存収差が「弱点」とは言えず、「レンズの味」と呼べるくらいに軽微な影響に抑えられています。状況によっては色収差が目立つ場合もあると思いますが、その場合もF2.0-2.8くらいまで絞ると改善します。

特筆すべき残存収差がなく、使い勝手の良いレンズです。フォーカスシフトの影響は実絞り測距のない機種では問題となるかもしれません(軽微な影響ですが)。最近のソニー機では社外製レンズの実絞り測距(絞り駆動のサイレント優先設定)ができないので、ベストな結果を得たい場合は気を付けたほうが良いかもしれません。

The optical design does not perfectly correct all aberrations. However, the residual aberrations cannot be described as ‘weaknesses’; their impact is so minimal that they could be termed part of the lens’s ‘character’. Whilst chromatic aberration may be noticeable in certain situations, this can be mitigated by stopping down to around F2.0–2.8.
There are no notable residual aberrations, making this a highly practical lens. The effect of focus shift may be an issue on cameras that do not support real-aperture focusing (though the impact is minor). As recent Sony cameras do not support real-aperture focusing with third-party lenses (when the aperture drive is set to silent priority), you may wish to take care if you wish to achieve the best results.

*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。

VILTROX AF 50mm F1.4 Pro のレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

左が中央でピントを合わせた結果、右が隅でピントを合わせた結果です。

画質はほとんどありませんが、よく見ると僅かな影響があります。絞り開放でも無視できる程度。絞ったら解消します。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

細部に少し残存していますが、無視できる程度に抑えられています。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

倍率色収差と同じく軽微な影響。ゼロではありませんが、目立つシーンは少ないと思われます。F2.8まで絞っても影響は少し残ります。ボケの色付きを完全に抑えるためには数段絞る必要あり。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

穏やかな樽型歪曲。実写ではほぼ無視できる程度に影響は軽微。直線的な被写体をフレームに入れても目立つことは稀。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

点像が僅かに変形していますが、全体像からすると軽微な影響です。点像が重要となるシーンを除けばF.4から実用的な結果が得られています。F2.8くらいまで絞ると、ほぼ解消。

球面収差

F1.4

前後のボケ質に差があります。球面収差は完全な補正状態ではありません。

軸上色収差のテスト結果を確認すると、F1.4-F2.0-2.8の間でピントの山が遠側へ移動していることが分かります。絞り開放測距の場合、フォーカスシフトの影響に注意。

F2.0

F2まで絞ると前後ボケ質の差がほとんど無くなります。

まとめ

収差を完璧に補正した光学設計ではありません。しかし残存収差が「弱点」とは言えず、「レンズの味」と呼べるくらいに軽微な影響に抑えられています。状況によっては色収差が目立つ場合もあると思いますが、その場合もF2.0-2.8くらいまで絞ると改善します。

特筆すべき残存収差がなく、使い勝手の良いレンズです。フォーカスシフトの影響は実絞り測距のない機種では問題となるかもしれません(軽微な影響ですが)。最近のソニー機では社外製レンズの実絞り測距(絞り駆動のサイレント優先設定)ができないので、ベストな結果を得たい場合は気を付けたほうが良いかもしれません。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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