「VILTROX AF 9mm F2.8」のレビュー第五回 ボケ編を公開。
製品提供について
このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(1か月)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。
簡易的なまとめ
「9mm F2.8」という性質上、かなり近寄らないと大きなボケが得られません。幸いにも、十分な接写性能を備えているので、近寄れば背景をぼかすことが可能。また、超広角レンズとしては快適なボケ質を実現しています。
Given the nature of the ‘9mm F2.8’, you need to get quite close to achieve significant bokeh. Fortunately, it offers excellent close-up capabilities, so getting close allows you to blur the background. Furthermore, for an ultra-wide-angle lens, it produces a pleasing bokeh quality.
*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。
VILTROX AF 9mm F2.8のレビュー一覧
- VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビューVol.5 ボケ編
- VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビューVol.4 諸収差編
- VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビューVol.3 遠景解像編
- VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビューVol.2 解像チャート編
- VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。
描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
ニュートラル寄りで少し柔らかい描写。色収差によるボケの色付きは目立ちません。
前ボケ
後ボケと比べると少し硬調。ただし、9mm F2.8で前ボケが入る機会は少ないはず。心配する必要はありません。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認

玉ボケに非球面レンズの研磨ムラは目立たず、綺麗な描写です。縁取りや色収差の影響はありますが、広角レンズとしては良好な質感に見えます。
ボケ実写
至近距離

縁どりが少し硬いものの、悪目立ちする要素が少なく、快適なボケ。
近距離

ボケが小さくなると縁取りがさらに目立ちますが、色収差などの悪影響は少なめ。
中距離

フレーム端の描写が気になりますが、全体像からするとボケが小さいのめ目立ちません。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
フレームを全身に入れる撮影距離ではパンフォーカスとなるため、ボケは得られません。有意なボケ量を得るにはバストアップくらいまで近寄る必要があります。
接写時の描写は超広角レンズとしては良好。
まとめ

「9mm F2.8」という性質上、かなり近寄らないと大きなボケが得られません。幸いにも、十分な接写性能を備えているので、近寄れば背景をぼかすことが可能。また、超広角レンズとしては快適なボケ質を実現しています。
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作例
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