広角スナップカメラが欲しくなりFUJIFILM X-E3とXF18mm F2をお買い上げ。まずはX-E3の外観をチェックして行きましょう。
FUJIFILM X-E3 外観編
箱
いつも通りなXシリーズの箱です。
特筆すべき点も無いので次へ進みましょう。
外観
フジフイルムらしいクラシカルなデザイン。
しかし、よく見ると「タッチパネルモニタを採用」「十字ボタンの省略」「AFジョイスティックの導入」などなど従来のXーEシリーズと比べて前衛的なエルゴノミクスを採用しています。
従来の使い勝手に慣れていると少し戸惑う外観かもしれません。とは言え、フジフイルムのタッチパネル機能は第一世代と言った印象(後述します)なので、基本的にAFスティックを使った従来式の操作が基本となることでしょう。
実際に手に取ってみると、以前使ったことがあるX-Pro2と比べて遥かに小さいボディサイズ。
おまけにとても軽い。
グリップを含めてボディ中央はプラスチック製のはずですが、上下に金属パーツを採用しており高級感はバッチリ。
軽量なボディにも関わらず高い質感を維持するデザインはさすがのフジフイルムですね。
「持つ喜び」では競合のソニーα6000シリーズやキヤノンEOS Mシリーズを上回るクオリティでしょう。
トッププレート
高級感のある金属パーツで構成され、質感はとても良好。
「FUJIFILM」や「X-E3」のロゴは印字では無く、彫り込みに黒色の塗装が施されている。
このクラス・価格帯のカメラとしては非常にしっかりとした造りで、趣味性の高い仕上がりだ。
ホットシューカバーは付属しないため、社外製のサムレストやシューカバーを用意すると良いでしょう。
ダイヤル類は全て金属製でトップカバー同様に質感が良い。
シャッターと露出ダイヤルにはローレットが施され指のかかり良く、固さも程よいため一本の指で操作可能。
似たような造形の「OLYMPUS PEN-F」は爪研ぎのような硬く細かいローレットに加え、とても固いダイヤルでした(全体的な仕上がりはX-E3に負けず劣らず良い)。
X-T10あたりから導入されたフルオートスイッチはX-E3にも搭載されています。
カメラ操作が独特で分かりづらいフジフイルム機もこのスイッチをAUTOにすることで簡単な撮影が可能。カメラ操作に慣れていない嫁さんや他人に撮ってもらうときは重宝します。
AUTO中はプリAF(AF作動前からAFが作動する機能)がオンとなるので、レンズによってはとても騒がしい状態となります。これは設定でオフにできません。
電源レバーはスイッチ式。
快適な操作性のX-E3の中で最も使い辛いポイント。指をかけ辛い上にとても固い。
フロントのコマンドダイヤルはX-E2には存在せず、X-E3で新規に配置された操作。押し込むことでシャッタースピードとISO感度を交互に調整することが可能です。
プッシュボタンは思いのほか軽く、回転操作のはずが押し込んでしまったなんてことも。同じプッシュ式のコマンドダイヤルを持つパナソニックのLUMIXシリーズよりも使い勝手は悪い。ダイヤルがもう少し大きく回しやすかったら良かったかも。
ボトムプレート
トッププレートと同じくボトムプレートは金属製。
三脚用ネジ穴が光軸からズレている点が残念。
アクセサリドアはメタリックな塗装を施された樹脂製。金属パーツと外観がほぼ同じなので触って確かめない限りは樹脂製と気が付かないはず。
バッテリーとSDカードスロットがここに備わっています。三脚ネジ穴が真横に配置されているため三脚に固定するとアクセサリドアの開閉が出来なくなります。USB充電に対応しているためバッテリーを取り出す必要はありませんが、SDカードが取り出せないのは明らかにマイナスポイント。
背面操作部
国産のミラーレス一眼としては珍しい十字ボタンを省略したUIデザイン。海外のカメラで言うとLEICA TLやYI M1が似たようなデザインを採用していますね。
また、X-E2のモニタ左側に配置されていたボタンが無くなり、右手で操作できる範囲に集約されています。
AE-L
2か所あるAE-Lボタンはそれぞれ別のファンクション機能を設定可能です。
個人的に家族を撮影する機会が多いため、内側のAE-Lに「顔・瞳検出」を、外側のAE-Lに「AFエリア」を配置しています。
ドライブボタン
同価格帯のカメラ「FUJIFILM X-T20」とは異なりドライブダイヤルがありません。その代わりに「DRIVEボタン」が設置されています。
機能はX-T20のドライブダイヤルとほぼ同じ。
動画機能を呼び出すにはこのドライブボタンを押し、項目の最下部にある「動画」を選択しなければならない事は厄介。特にファンクション機能でショーカットできる訳でもありません。ファミリーカメラとしてX-E3を購入すると不満に感じるポイントとなる可能性があります。
タッチパネル
タッチパネル対応機種なのでタッチ操作がメインになるかと思いきや、メニュー画面での操作は出来ないためジョイスティックを使う必要がある。
タッチパネルを使った操作は以下の通り
- 上下左右フリック…ファンクション呼び出し
- ダブルタップ…拡大
- タップ・ドラッグ…AFエリア選択・タッチAF
- ピンチイン・アウト…拡大・縮小
- スワイプ…画像送り
- Qメニューの選択・文字入力
フリックとドラッグの操作は似ているので最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると使いやすいと感じるはず。
全体的にタッチパネルのレスポンスが悪く、キヤノン・オリンパス・パナソニックと比べて動作がワンテンポ遅れる傾向。ソニーα6500と同じ程度かもう少し悪い。「2017年モデルとしてこの連スポンスはどうなの?」と感じてしまいます。
フジフイルムのタッチシステムはまだ始まったばかりなので今後の改善を期待したいところ。
レスポンスが悪く評価を落としていますが、フリックによるファンクション呼び出し機能はGood。
AFスティック
前述した通り、タッチパネルのシステムが依然として限定的な機能のため一部の操作はAFスティックを操作せざるを得ない状況があります。例えば…
- メニューコマンド全般
- マニュアルWB
- RAW現像
などなど。特に移動量の多いメニュー画面やWB時はタッチ操作したかったなぁ…と言うのが正直なところ。
AFスティックの形状がキヤノンやソニーのそれよりも小さく、ニコンのサブセレクターに似ている。コンパクトな反面、大ぶりな操作に不向きで強度面にも不安が残る質感。
操作後にスティックを離しても方向入力が止まらない場合もあったりするのでハード的な改善が必要と感じます。
ストラップ金具
ストラップ金具は三角環付きの金属製。
ストラップを装着せずに三角環を付けておくとチャラチャラと音が発生するので動画撮影時によろしくない。必要であれば付属の道具を使って三角環を外してしまうと良いでしょう。
三角環無しでもピークデザイン用のアンカーはなんとか装着可能。
ファインダー
FUJIFILM X-E3は236万ドットの有機ELファインダーを使用。
このタイプは他にオリンパスのPEN-Fで使用経験あり。
液晶ファインダーと違ってコントラストが強いので液晶を見慣れていると有機ELに違和感を感じるかもしれません。慣れてしまえばとても見やすいファインダーです。
ファインダー倍率は一眼レフスタイルのミラーレスよりも少し小さめながら必要十分なサイズ。ピーキング無しでマニュアルフォーカスをするには少し小さいと感じるかもしれません。
視度調整はファインダー横のダイヤルで「-4?+2m-1?」の範囲で設定可能。
メガネを装着したままだと僅かにケラれが発生します。
個人的には大型アイカップを装着できるようなデザインが良かった。
USB充電
カメラ左側面のアクセサリドアを開けるとHDMI・USB・マイク入力端子が配置されています。X-E2とHDMI端子のタイプが異なっています。
X-E2と同じタイプのバッテリーですが、X-E3は新たにUSB充電に対応。
バッテリーを何個も持ち歩く必要が無くなり、20,000mAhのモバイルバッテリーさえあれば事足りる。
USB給電(USB側の電源でカメラを動かす)には対応していないので、充電をするにはカメラの電源をオフにする必要があります。
サムレスト
フジフイルム機と言ったらドレスアップだよね、と言う事で現在色々と調達中。
取り敢えずF-Fotoのサムレストが到着したので装着してみました。
今回のおさらい
- X-Pro2と比べてとても小さく軽量
- トッププレート・ボトムプレートは金属製で高級感がある
- ホットシューカバーは付属しない
- ダイヤル類の動作は良好だが、コマンドダイヤルのプッシュが軽く誤操作しやすい
- 電源レバーが操作し辛い
- フルオートスイッチの使い勝手が良い
- 三脚ネジ穴が光軸からずれている
- SDカードスロットはバッテリーと同室。このため三脚に設置するとSDカードの交換不可
- タッチパネルのレスポンスが比較的悪いが、フリックによる機能呼び出しはGood
- メニュー・WB時にタッチ操作不可
- AFスティックの導入は歓迎できるが十字ボタンの代わりとして使うには耐久性や使い勝手が悪い。
- 有機ELのファインダー見やすいがアイカップ交換不可
- USB充電対応はGood
全体的にクオリティの高い仕上がりとなっていますが、新規導入された技術面でやや洗練さに欠ける部分があります。特にタッチパネルを重要視して購入を検討しているのであれば、そのレスポンスはカメラ屋さんなどで触って確かめてみるべき。
タッチパネルのレスポンスとAFスティックの小ささに問題が無ければオススメできるフジフイルム機と言えるでしょう。
次回はX-E3の画質をチェックしてみようと思います。
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