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ボケ味に定評のある銘玉 smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited【評価・作例】

更新情報

  • 2018-04-04:PENTAX FORUMSがレビューを掲載しています。
  • 2017.5.21:Flickr作例を追加
  • 2016.7.21:ページを更新

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smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited ブラック 新品・中古情報
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レンズデータ

スペック

レンズタイプ 望遠単焦点
焦点距離(35mm判換算) 77mm(118mm)
開放絞り値 F1.8
最小絞り F22
画角 21°
レンズ構成 6群7枚
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.7m
最大撮影倍率 0.14倍
フィルター径 49mm
最大径 x 長さ 64 x 48 mm
質量(重さ) 270g

レンズ構成図

img-smcpentax-fa77_03

魅惑のFAリミテッドレンズ

2016.7.21更新:管理人によるレビュー追加

Kマウントと言えばFAリミテッドレンズ群。2000年初頭におけるフィルム用のレンズであり、言ってしまえばオールドレンズ。デジタルカメラ対応の新設計レンズと比べると、そりゃあ収差など目に付く部分も多い。

しかし、それを分かっていても使いたくなる魔性のレンズ。Kマウントユーザーでも所有者が多く、「これがあるからPENTAXをヤメラレナイ」と言う方も多いはず。さらにフルサイズ機のリリースを間近に控えており、かつての焦点距離で使う事が出来るとくれば注目度も自然と高くなる。

レビューサイトでも「仕組んでるのでは?」と思いたくなるほど高評価が多い。高評価のポイントとしては「綺麗なボケ味」「繊細な表現」「フィルムレンズのくせに解像度は高い」と言った点。特に「綺麗なボケ味」を推す方が多く、このレンズを買うポイント。作例を十分に見てボケの傾向をチェックしておこう。

逆に低評価されている方を見てみると、「設計の古さ」「解像度」「ボディ側駆動」という点を指摘されている。確かに、クイックシフトフォーカスに対応していなかったり、防塵防滴ではなく、フィルムレンズ故にAFの微調整が必要などと癖のあるレンズには違いない。しかし、細かい点を抜きにして「1枚のハッと息を呑める写真」が撮りたいのであればKマウントのベストチョイス。解像度重視ならばDA★の検討を。

2016 CP+にてこのレンズのリニューアルについて聞いてみた。ネックであるパープルフリンジは光学設計を変える必要があり、「レンズの味」が変わってしまうとの事らしい。更新されたロードマップには『中望遠の大口径単焦点』と記載されているが、それがFA77mmのリニューアルである可能性は低いだろう。リコーイメージング担当者曰く『欲しいと思った時が買いどきです』。という訳で一度売ったこのレンズだったが、つい先日買い戻した。

 

レビュー

解像力・描写

基本的にはフィルム時代のオールドレンズと言った傾向が見られ、現代の「開放から収差を抑えたシャープな描写」とは言い難い。中央ではピントの芯は感じられるがやや柔らかく、周辺部では「やや甘い」とと言うのが絞り開放の率直な印象。しかし、1段絞れば急激に立ち上がり、それはF8程度まで維持しており、その解像力は現行の単焦点に並ぶしっかりとしたものだ。コントラストも高めで、設計の古いレンズとしては味付けが濃く立体感が強く表れる。

パンフォーカスな風景写真でも絞る事で十分な性能を発揮してくれるが、どちらかと言えばポートレートや心象写真のジャンルでしっくりくる絵作り。競合レンズと比べても程よい収差が「味」として活きており、写真全体のボケ具合としてはとても綺麗に表現されている。

泣き所はハイコントラストな部分でパープルフリンジが盛大に発生する事。77mmの綺麗なボケと引き換えで、これを補正してしまうと「味」も変わってしまう。現代レンズと比べると癖があるので、オールラウンダーとは言いにくいがハマれば「おや?なんて素晴らしい写りをしているのだろう」となるレンズ。

造り・機能

リミテッドレンズに共通するアルミ削り出しは高級感がある素晴らしい造りになっている。現代のレンズのようにところどころに樹脂の素材が使われているものでない為、「高級品」らしいレンズ。

オールドレンズらしい「金属製で手にしっくり来る感触」に加えて、現代レンズらしい「オートフォーカシング」が可能。他のメーカーでは同じような思想に基づいたレンズであっても、どうしても「電磁絞り」や「電子制御」という印象をどことなく受けてしまうものが多い。そんな中において、このレンズは「工芸品」的な造形美の印象が強い。

半面、「クイックシフトフォーカス」や「機械絞り」「ボディ内モーター駆動」などメカとして考えるとかなり古臭い。むしろ現行のシステムとして考えると最低限の機能性しか持ち合わせていない。また、防塵防滴・SPコーティングなど耐候性・メンテナンス性もやや劣っている。

引き出し式の内蔵フードは便利。フィルターを装着しても干渉しないのでSPコーティングが無い代わりにプロテクトフィルターを装着しておくのも一つの手だろう。付属品のかぶせ式フードは何かに引っかかるとぽろっと落ちるので、市販の49mmキャップを購入して使っている。

総評

「迷うくらいなら初めからこのレンズ」と勧められる事が多いレンズだが、真っ先にこのレンズに飛び込むとこのレンズの良さがあまりわからないかもしれない。特に開放や色収差には癖があるので、「どんな被写体にも解像力抜群、ボケも綺麗なスーパーレンズ」と勘違いして購入すると痛い目を見る。

ただし、回り回って最終的に「中望遠の単焦点レンズ」として落ち着くのは77mmになる。この画角で必要な要素が高次元でバランスが取れている上に、驚きのコンパクトさを持っている。

まずはお手頃なDA・DFA単焦点レンズなどに手を出してみて、「う?ん、なにかこう…違うんだよなあ…」という場合に試してみると良いかもしれない。開放のヌケの良さや切れ味で言うと『smc PENTAX-DA★55mm F1.4 SDM』に分がある。こっちもこっちでパープルフリンジが凄いけども…。

他社のフルサイズ用中望遠大口径レンズと比べた場合、やや高く感じる。写りに関してはどのレンズにしても特殊レンズをあまり使わずに収差を活かしたボケ味優先という傾向があり、価格の差に関してはレンズの造形美という部分と77mm特有のボケ味に価値を見出せるかどうかと言った所。その辺を考えるとそんなに高い買い物でも無い。

49mmとコンパクトでリーズナブルなフィルターを装着できるのも地味に有り難かったりするので、個人的には49mmのNo3ACクローズアップフィルターの組み合わせが好きだったりしちゃたりする。

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