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レンズの特徴
中央解像力 | 非常に良好 ピーク F2.8-F5.6 |
周辺解像力 | 周辺 良好 四隅 開放が甘い ピーク F4-F8 |
軸上色収差 | 僅かな色づき | 倍率色収差 | 良好 |
球面収差 | 問題無し | コマ収差 | 僅かに発生 |
非点収差 | 良好 | 歪曲 | 僅かな樽型 競合よりも良好 |
周辺減光 | 開放でやや目立つ F4で解消 |
逆光耐性 | 強くは無い |
AF | 繰り出し式 比較的遅い |
手ぶれ補正 | 約2~3段分 |
ボケ傾向 | ?前後ともに滑らか、玉ボケは非常に硬調 | ||
備考 | ?TIP対応・防汚コート・簡易防滴・MF回転角190° |
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フィルター購入早見表
プロテクト | C-PL | ND | ソフト |
X-CAP |
レンズデータ
レンズ仕様
モデル名 | F012 |
焦点距離 |
35mm |
明るさ | F/1.8 |
画角(対角画角) | 63°26' <35mm判フルサイズ一眼レフカメラ使用時> 43°29' <APS-Cサイズ相当デジタル一眼レフカメラ使用時> |
レンズ構成 |
9群10枚 |
最短撮影距離 |
0.2m |
最大撮影倍率 |
1:2.5 |
フィルター径 | Φ67mm |
最大径 | Φ80.4mm |
長さ* | 80.8mm (キヤノン用) 78.3mm (ニコン用) |
質量 | 480g (キヤノン用) 450g (ニコン用) |
絞り羽根 | 9枚 (円形絞り) |
最小絞り | F/16 |
スナップには使いやすい35mmというスタンダードな広角域の単焦点レンズだ。『SP 45mm F/1.8 Di VC USD』と同様に大口径レンズながら手ぶれ補正「VC」を搭載。そして何よりもタムロンから単焦点レンズが出るとは(マクロレンズ以外で)思わなんだと言う方も多いはず。
高画素化の流れを受けて、描写能力の高い単焦点でカメラを活かしたいという市場の流れがあったそうだ。そして、サードパーティ製としての独自性を強めるためには『手ぶれ補正の搭載』と『寄ることが出来る』を強みとした。
さらにeBANDコーティングによる逆光耐性が良好なので、シーンを選ばずにヌケの良い描写を得られる点も説得力がある。周辺減光が少ないので臆せず開放から使う事が出来る上にシャープでキレのある解像度を感じさせる。
描写とは関連性が薄いが防汚コートも採用しているので、レンズ前玉のメンテナンス性に優れている。プロテクトフィルター無しで積極的に利用出来るので、このレンズ本来の描写を得ることが出来る。
噛ませ犬にして申し訳ないが、『EF35mm F1.4L II USM』や『AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED』は最大撮影倍率が0.2倍チョイである。最大撮影倍率が0.4倍のこのレンズは風景から小さな被写体までこなせる便利な広角と考えると純正には無いメリットだろう。構造上、AFは爆速では無いとタムロン設計者自身が述べているのでその点は考慮を。
APS-C機(KissやD5000系等)で使用したら倍率は0.6倍ほどとハーフマクロ以上をこなせる便利な標準レンズと化す。フルサイズで無くても使い勝手は悪くは無い。
海外の評価
Photozone:良好な光学性能だが競合レンズも強力な存在
ニコンFマウントのレビューです
- タムロンがシグマを追い抜こうと野望を抱いているのはビルドクオリティを見れば明らかだ。従来までは大量のプラスチックを使って小さく軽量なレンズが多かったが、金属パーツを使用して緻密に組み立てられてる。加えて簡易防滴も備え、前玉にはフッ素コーティングを採用している。
- オートフォーカスは非常に高速で静かだ。
- 手ぶれ補正は3段分と主張しているが、我々のテストでは2段分だ。
- 歪曲は0.7%の樽型であり、広角レンズとしては非常に穏やかなものである。
- このようなレンズで周辺減光は顕著であり、本レンズも例外では無い。絞り開放では四隅に向かって目立つ光量の低下(-1.7EV)が発生する。F4まで絞ればほとんどのシーンで問題ないはずだ。
- 解像力はまずまずの結果である。中央解像は絞り開放から高いが、フレーム端と隅は目に見える程ソフトだ。F4まで絞ると端と隅の解像度は非常に良好となる。ピークはF5.6まで絞った時で、優れた中央解像と非常に良好なフレーム周辺部の画質となる。
- 像面湾曲は小さい。
- テストした個体の偏芯性能は良好だ。
- 絞った場合の焦点移動は示さなかった。
- 色収差は良好に補正されている。
- ボケの品質は良いところと悪いところがある。前後のボケはどちらも非常に滑らかだが、ハイライトの玉ボケはかなり悪い。絞ったとしても玉ボケの質は改善されない。
- ボケの色づきは大口径レンズとしては典型的なものだ。絞ることで改善する。
このレンズの評価は難しい。本当に見事な一面もあれば、そうでは無い一面もある。
レンズの解像力は中央が絞り開放から素晴らしい性能だが、周辺は開放で甘い描写だ。しかしこのような大口径レンズでは重要なポイントでは無いだろう。さらに絞ればF4以降は非常に優れている。倍率色収差や歪曲の補正も良好だ。
加えてビルドクオリティで大きな進化を遂げている。従来のタムロンレンズと比べて遥かに丈夫で頼もしいものだ。AFは高速で手ぶれ補正は効果が小さいものの実装したことは歓迎できる。
しかし、競合レンズである手頃な価格のNIKKORや明るく、シャープネスとボケ質が良好なシグマArtが存在する。正直に言えば我々はニコンの「価格」かシグマの「明るさ」を選ぶだろう。
SP35mmは良好な光学性能を持ったレンズだが、欠点を考慮すると優先的な選択肢とはならないだろう。
Lenstip:数多くある選択肢の中の一つ
- 後玉は無限遠側にピントを合わせるとマウント部と同じレベルだが、近接側にピントを移動させると後玉は2センチほど鏡筒内へ移動する。
- このレンズは日本製だ。
- 29mm幅のリブ付きでゴム製のフォーカスリングは滑らかで均等に動作する。ピント距離全域は190°の回転角を持っている。マニュアルフォーカスでとても正確にピントを合わせることが可能だ。
- 特殊レンズは贅沢に使われており、出し惜しみはされていない。
- 付属品はキャップとフードのみ。ポーチやケースが付属していないのは残念だ。
- 手ぶれ補正の効果は実際に3段分だ。このカテゴリの手ぶれ補正としては評価に値する性能である。
- 絞り開放の中央解像性能はシンプルに素晴らしいものだ。テストした個体は39lpmmと高い数値に達している。これはSP45mmやAF-S35mm F1.8Gを上回り、さらにEF35mm F2 ISをやや上回る数値だ。
- 絞ると45lpmm近くに達するが、これはレコードを打ち破るほどの解像性能では無い。
- APS-Cフレームにおける解像性能は非常に良好だ。絞り開放でさえ我々が定める基準値を超え、絞ることでさらに良好な結果となる。これはEF35mm F2 ISよりも僅かに良好であり、AF-S 35mm F1.8Gよりも明らかに良好だ。さらに重要なことはシグマよりも良好だと言う事だ。
- フルフレームの隅における解像性能は少し絞るだけで実用的な画質となる。急速に周辺画質が立ち上がるのはタムロンの長所と言えるだろう。キヤノンやシグマで良像を得るためにはさらに絞る必要がある。
- フルフレームの隅における解像性能は全てのライバルに打ち勝つものであり、タムロンには拍手喝采だ。
- 軸上色収差は致命的な問題を抱えてはいないが、DXフォーマット機に装着した場合にはボケの色づきがもう少し目立つかもしれない。
- 倍率色収差の補正は極上だ。絞り開放ではほとんど視覚出来ない状態であり、絞ったとしても極僅かだ。
- 球面収差の深刻問題は発生していない。
- 歪曲収差の補正ではライバルを明らかに上回っている。例えば中一光学の35mm F2やより高価なAF-S 35mm F1.4Gの半分程度。さらにこのカテゴリでは最高性能だったシグマをも上回っている。これには再び拍手喝采だ。
- コマ収差はAPS-C/DXフレームであれば何の問題も無い。フルフレームは目立つようになるが、キヤノンやニコンよりも良好だ。しかし、シグマほどでは無い。
- 非点収差は4.6%と僅かな数値を示している。
- 周辺減光はAPS-C/DXフレームで問題はほとんど発生しない。
- 周辺減光はフルフレームで増加するものの、ライバルと比較して良好だ。ニコンはより悪く、キヤノンはさらに恐ろしい減光が発生する(タムロンよりも暗いレンズなのに)。さらにシグマよりも良好だ。このカテゴリではライバル全てに上回る結果を出している。
- 逆光耐性はこのレンズにおける残念なポイントの一つだ。
- オートフォーカスは静かだが高速では無い。ピント距離全域を移動するためには0.9?1.0秒ほど必要だ。しかしこれには訳がある。タムロンの接写性能の良さを思い出してほしい、その分ピント移動距離が増えているのだ。
- オートフォーカスの精度に関して深刻な問題は発生しなかった。シビアにチェックしても不満がでるような精度では無かった。
長所:しっかりとたスタイリッシュなデザインの鏡筒・簡易防滴・接写性能・非常に良好な中央画質・良好なAPS-Cフレームの画質・許容範囲のフルフレーム四隅の画質・中程度の軸上色収差・非常に低い倍率色収差・球面収差の問題が無い・非常に低歪曲・素晴らしいボケ・僅かな非点収差・ライバルよりも特に小さい周辺減光・静かで正確なAF・効果的な手ぶれ補正・5年保証
短所:逆光耐性・AFはもう少し早い方が良かった
このレンズは直接のライバルであるキヤノンよりも明るく、ニコンと比べて手ぶれ補正の優位性を持っている。さらに接写性能、高品質なレンズの造り、効果的な保証内容が付いてくる。
大きな問題はシグマの存在だ。少し高価だが、より明るく充実した付属品がある。さらに中央解像力はよりシャープだ。しかし、周辺の解像力や歪曲、周辺減光はタムロンが有利である。
35mmで注目されているのはタムロンやシグマだが、キヤノンやニコンの純正35mmが優れたAF性能を持っていることもセールスポイントとなるだろう。選択肢が豊富で面白い時代になったものだ。
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