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それでも私がOM-D E-M1Xを予約した理由

ついにオリンパスがトップエンドモデルの新型ミラーレス「OM-D E-M1X」を発表しましたね。338,000円(税込)というクレイジープライスで。国産マイクロフォーサーズとしては最も高価なボディとなりましたが、私は1台予約注文を入れました。今回はその理由についての雑記。

すごい…高いです…

2017年末から噂が立ち始めたE-M1Xが満を持して2019年1月24日に正式発表されました。

グリップ一体型の見るからにトップエンドを目指して開発した本格的なプロモデル。手持ちハイレゾショットに対応したり、AIテクノロジーを取り入れた被写体認識機能、最大7.5段の驚異的な5軸手振れ補正、IPX3のような防水試験、40万回耐用シャッターユニットなどなど…、一般ユーザーからしたら明らかにオーバースペックなマイクロフォーサーズカメラのように感じます。

色々とこだわっているだけにお値段は「338,000円(税込・通販店相場)」、なんと30万円超の高級モデルとなりました。これまで10?20万円を推移していたハイエンドモデルの壁をぶち破った1台。d

しかも仕様をざっと見る限り、中身はE-M1 Mark IIと似通った部分も多いです(後述)。「ぶっちゃけ、普通に使うならE-M1 Mark IIでも良いよね」と感じる人も多いはず。

。。。

。。

とこがどっこい、E-M1Xの情報を収集するうちにジワリジワリと物欲が高まり…

注文してしまいましたとさ。これで3か月は晩酌抜きだぜ!

今回はそんな注文に至る「ジワリジワリと高まる物欲」の部分をちょこっと書いていきましょう。

それでもOM-D E-M1Xを注文した理由

クレイジーな手振れ補正を試してみたい!

新開発のジャイロセンサーにより従来比5倍の検出精度を発揮。

その結果、E-M1 Mark IIで「地球の自転に阻まれる」と思われていた手振れ補正の限界を突破してセンサーシフト式のみで5軸7.0段の補正効果まで上り詰めたようです。

さらにIS内蔵レンズと組み合わせることでなんと7.5段まで向上。ちょっとこれは試さずにはいられない。

重い三脚を持ち歩くくらいなら、多少ボディが重くても手振れ補正でなんとかなるならそっちのほうが良い。もともと重い三脚が苦手だったりするので手振れ補正の向上は大歓迎。

例えば足場の悪い川辺や岸壁など、三脚を設置し辛い場合には強力なツールとなってくれるはず。

オリンパス初となるマルチセレクター

やっとか…、と言う心の声をグッとこらえ素直に喜びたい。

従来まではダイヤル操作かボタンをポチポチするしかなかったので、レバー操作でかなり快適となるはず。(ターゲットパッドAFはグリップが大きいE-M1 Mark IIだと少し操作し辛い)

LUMIXと異なり斜め方向にも対応しているのは好感が持てる。ついでに言うと、ソニーのように陥没したレバーでも、フジフイルムのように小さすぎるレバーでもない。程よいサイズがGood。

実際のところは使ってみないと分かりませんが、かなり期待しているポイント。

手持ちハイレゾショット

「まあ、当分は登場しないでしょ」と思っていた手持ちハイレゾの未来が実はすぐそこだった。

仕組みはPENTAX K-1 Mark IIのダイナミックリアルレゾリューションと似ている。しかし、撮影枚数は16枚とPENTAXの4倍、通常のハイレゾショットと比べても2倍のサンプルを利用する。

複数枚の画像を合成することで、高解像化に加えノイズ低減やシャドーの持ち上げ耐性向上にも繋がるのはE-M1 Mark IIやLUMIX G9 PROで確認済み。

これまでは三脚必須の使い辛い機能でしたが、手持ち撮影で機動性に制限が無くなるため汎用性は飛躍的に向上するはず。

ライブND

噂では電子NDフィルター内蔵と言われていましたが、ふたを開けてみれば多重露光による疑似NDフィルターだった模様。

ND2?ND32相当のセッティングでスローシャッター効果を得ることが可能となっていますが、ND2でもシャッター上限が1/30秒、ND32では1/2秒とかなりシャッター速度の制限がキツイ。

曇天・日陰の小川や夕景・夜景では使える機能かもしれませんが、快晴の日中では白飛び必至で物理的なNDフィルターは必要かも。

とは言え、日中にND1000+ライブNDで長秒撮影のような使い方であれば結構イイ感じに撮影できるかもしれないと思うのです。

これでRAW出力に対応していたら化ける機能かも、と思うのですがJPEG限定なのかRAW出力対応なのか、どこみたも情報が載っていないという…。

液晶236万ドット×0.83倍相当の光学ファインダー

236万ドット液晶に非球面レンズと高屈折レンズを含む4枚構成の0.83倍相当な光学系を採用した電子ファインダー。

しかし、「ファインダーでかい!こだわりの光学系!」「オイオイ、未だに236万ドットの液晶かよ…」と既存OM-Dユーザーをアンビバレンツな感情にさせる罪作りなファインダー。

個人的に言うと最適解はNikon Z 7の0.80倍 OLED369万ドットだったかなぁ…。

「最短表示タイムラグ0.005秒」「デュアルTruePic VIIIによる暗部の滑らかな諧調表示」と言った強みもあるようなので、悲観するのはまだ早い。

OM-D初となるBluetooth搭載モデル

公式ページではあまり強調されていませんが、Bluetooth 4.2を搭載。

GPSを内蔵するE-M1Xにとって位置情報の付与は特に魅力的な機能ではありませんが、画像の転送予約に対応しているのは一つのポイント。

個人的には将来的に低解像(2M)な画像の自動転送に対応してくれたらなと期待しているのです。現状の機能性だと特に活用しないかなぁ…。

強化された深度合成

従来の8枚合成固定から3?15枚と柔軟性が出てきたようです。特に15枚は従来の8枚合成よりも被写界深度の深い画像を生成できるようになります。

特にマクロ領域では便利な機能となりそうです。相変わらずメニュー画面の手間はありそうですが、マイメニューの登場で少し緩和されそうですね。

使いやすいマイメニュー

他社ではメジャーとなりつつあるマイメニューに対応。

メニュー画面で「REC+ダイヤル」操作で簡単にマイメニューへ登録できるのは素晴らしい。他社ではいちいち大量の設定項目から選ぶ必要があるので非常に面倒くさいのですよね。

特にオリンパスはメニュー階層が深い機能が多かったりするので「深度合成」「ハイレゾショット」「AFリミッター」などを登録することで従来モデルよりも使いやすくなりそうです。

やり過ぎなToughボディ

従来(IPX1)よりもはるかに厳しい防滴試験を実施するなどして、より過酷な環境下でも安心して使用できる信頼性を確保しました。

とのこと。「天候に左右されずに、レインカバーを用いなくても撮影が可能です。」とか商品ページで言ってのけちゃうカメラメーカーさんはなかなかいない。

動画を見るとIPX1と言うよりもIPX3に相当するようなチェック方法で水かけています。まさに水浴び。

正直ここまで水を浴びるような環境で撮影することは滅多にない。とは言え、滝や水辺で撮影する機会はあるのでよりタフな防塵防滴であるのに越したことは無いですね。

不満が無い訳でもない

インテリジェント被写体認識

スポーツカメラと言うこともあり、車両・航空機・鉄道を優先したのは理解できるものの…

できれば猫と人物も入れて欲しかった!

現状で人体認識はLUMIXのみ。そのLUMIXも至近距離で動き回ると苦しかったりするので、近距離・クローズアップで人物へ華麗に追従できるとパーフェクトだった。

ついでに言えば猫と鳥。この辺はアマチュアなら結構需要あると思うのですよねえ。

まあ、ファームウェアアップデートで認識範囲を拡大できそうな気配もあるので気長に待つとしましょう。

E-M1 Mark IIと同じイメージセンサー

E-M1 Mark IIはマイクロフォーサーズとしては悪く無い画質(むしろ良いほう)ではあるものの、2016年登場のカメラと同じイメージセンサーと言うのは如何なものか?

特に処理エンジンとイメージセンサーはミラーレスにとってコアと呼べるようなもの。それが2016年のカメラと同じ、もしくはそこまで変化が無いというのはただただ残念。

フジフイルムはX-T3でどちらも最新モデルへ刷新、連写性能やAFのパフォーマンスをググっと持ち上げてきましたね。ソニーはセンサーメーカだけあって魅力的なパフォーマンスのセンサーを搭載したカメラをどんどんリリースしています。

E-M1 Mark III世代と言うよりは2016年から続くMark II世代のトップエンドモデルと認識するのが正しいのかもしれません。惜しい、実に惜しい。

OI.ShareのBluetooth機能

前述したように、Bluetoothの機能不足。

  • リモコン機能
  • 低解像画像の自動転送
  • 電源オフ時の画像閲覧(Bluetooth→WiFi)

が出来るようになるとかなり使えるアプリとなりそう。(実際、LUMIXやNikon Zは自動転送や画像閲覧には対応してる)

OM-D E-M1Xは30万円の価値があるか?

登場が1年遅かった

現OM-D E-M1 Mark IIユーザーなので、乗り換え費用は約20万円前後。普通にフルサイズミラーレスが買えちゃう価格です。

新規購入となると338,000円。もう少し足せばスポーツ向けフルサイズミラーレス(α9)が買えちゃう価格です。

オートフォーカスのパフォーマンスは特定の被写体(インテリジェント被写体認識が有効な)を撮影する人以外は価格ほどに価値を見出すことは出来ないでしょう。

E-M1 Mark IIと同じプロセッサーとイメージセンサーを使っている以上、画質について飛躍的な改善は望めないでしょう。正直に言うと、イメージセンサーがE-M1 Mark IIより良くなっているのであれば、より高価でも迷うことは無かったと思います。

「登場が1年遅かった」と言うのが正直なところ。”OM-D 第2世代のトップエンドモデル”としてリリースするのであれば、遅くとも2017年後半?2018年前半に発表していれば違った結果となったかもしれません。2018年後半からフルサイズミラーレスの競争が激化し、2019年にはAIテクノロジーの導入をアピールするメーカーも増えてきました。その中においてE-M1Xの存在が話題となるかと言うとかなり微妙。

上記の理由で「30万円超値付けはクレイジー」と感じるのです。最終的にGH5Sよりやや高いくらいの相場で落ち着くのではないかと思っています。

それでもE-M1Xに手を出す理由は何か?

オートフォーカスに期待していないわけでも無いのですが、基本スペックは一緒(被写体認識以外の部分)なので実際に使ってみないと分かりません。被写体認識は人物を実装した時点でスタート地点だと考えています(家族写真でも使うので)。

個人的には「進化した手振れ補正による手持ち撮影での表現領域拡大」「ズームレンジ全域で安定したパフォーマンスの12-100mm F4 IS PROと組み合わせた際の手持ちハイレゾショット」による機動性とパフォーマンスの両立に価値を見出しています。この辺りは2019年現在でも目新しいテクノロジーで評価できるポイント。ついでにライブNDや深度合成など豊富な撮影機能もGood。

それでもE-M1 Mark IIからの乗り換え費用20万円は正直高い。ただ、現状で代わりとなる他の選択肢が無いためE-M1Xを選んだ次第。

そもそも論としてオリンパスのレンズに面白いレンズが多いので、どうせならオリンパスボディでベストを尽くしたいという思いもあったりなかったり。

OM-D E-M1X購入早見表

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