とるなら~写真道楽道中記~

「撮るなら…ここだ!こうだ!これだ!」を探し求めてカメラ片手に写真・機材道楽の備忘録

【評価・作例】チャンスを確実にモノにするためのレンズ『EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM』

      2016/11/24

更新履歴

  • 2016.8.7:ページを改訂。文章を追加
  • 2016.5.28:全体的にリンク追加

紹介:売れてるのは訳がある

CheckPoints

Good
  • 単焦点に迫る描写性能
  • 旧型から向上している望遠端
  • 強力な手ぶれ補正
  • 回転式ズームリング採用
  • ズームリングのトルクが変更できる
  • フードにフィルター窓搭載
Bad
  • 直進ズームでは無くなった
  • 三脚座がやや小ぶりで短い
  • 価格がやや高い

外装・機能性

外装

白レンズらしい堅牢性の高い鏡筒

蛍石・スーパーUDレンズ・Air Sphere Coatingと贅沢なレンズを多く採用し、それらを固定する金属製の鏡筒はプロユースを想像させる堅牢性の高いものだ。氷点下で使用する場合にもその堅牢性は十分発揮されており、スイッチ類やズームなどしっかりと操作できる。

フィルター窓搭載

フードにはフィルタ窓が配置されているので、フードをくり抜く必要が無い。

三脚座がやや小ぶり

三脚座がやや小ぶりで、堅牢で重量感のある本レンズを支えるにはやや頼りない。移動時に三脚座を持って運搬するにしてもややホールディング性に欠ける。また、構図を調整する際に微妙にずれる事がある。三脚座を脱着するにはとても便利になったが、ネジが緩んでいると脱落する恐れも。

競合レンズと比べると軽い

重量は1570gとシグマやタムロンの150-600mmと比べて軽量で機動力を維持できる。さらに望遠が必要な場合にはエクステンダーを装着して補おう。

機能性

防塵防滴

ハードなロケーションにも担いでいける安心の防塵防滴が実装された。従来のレンズでは採用されなかったので、コンディションの変化に弱くレインカバー必須だった事を考えるとありがたい。

フッ素コーティング

防塵防滴に加えて、メンテナンス性を向上させるコーティングがレンズ表面に施されている。撥水・撥油性が高く、溶剤を使わずに汚れをふき取ることが可能だ。乾燥後に静電気を帯電しにくく、汚れが付着しにくい点もグッド。極度にハードな環境でなければコントラストの低下などを招くプロテクトフィルターは外してしまいたいところ。

リングUSM・フルタイムマニュアル

高トルク・高レスポンス・静粛性・高速AFを兼ねる高性能の超音波モーターを採用している。特にこのレンズはAF速度に定評がある爆速っぷり。オートフォーカスの速度、精度はともに旧モデルと比べて向上している。最新機種ではF8対応測距点が増えているので、Extender x1.4との相性も良い。

4.0段分の強力な手ぶれ補正

このポイントだけでも旧型から買い替えたくなる程、効き目が目に見えて違う。

とても強力で400mmを安心して手持ち撮影できるのは頼もしい。厳しい環境でもしっかりと像を安定してくれる。重量が軽くISの効き目が高いので、積極的に手持ち撮影したくなる。

通常の補正「モード1」に加えて流し撮り対応の「モード2」、激しい被写体を補足する場合に有用な露光中のみ補正する「モード3」を使い分ける事が出来る。

難点を挙げるとモード2に設定しようとしたら行き過ぎてモード3にしたりモード1にしたりと焦る場合も。手袋をつけていると力加減にやや戸惑う。

直進ズームが無くなった

旧モデルのズーム方式だった直進ズームは採用されていない。頻繁にズームレンジを変更する場合は前後に重心が移動しがちなのでバランスを取り辛い。また、広角端から望遠端までのクイックなズーミングが難しい。

反面、ズームリングによる画角の微調整はし易くなった。ズームリングのトルクはやや硬めだが、トルクを変更できるリングが内蔵されているのがグッド。あまり軽くすると自重で伸びるので注意。何故かズームリングが70-200mmF2.8LIIと逆。

接写性能が高い

望遠端を使うと0.31倍の最大撮影倍率とクウォーターマクロな性能がある。被写界深度がかなり浅くなるので、被写体は平面的に撮影しないとパンフォーカスにし辛い。

描写

解像力

広角端から中間域は開放からその性能は最大限に発揮し、それは回折の現象が始まるF11までは維持される。反面、開放からカッチリ写るのでポートレートなどで柔らかい表現をするのはあまり得意でない。

フレーム全域で安定した描写性能はさすがLレンズと言った光学性能だ。絞っても変化があまり無いので、被写界深度の調整に専念できるのは素晴らしい。

望遠端では開放の解像力がやや落ちるものの、F8まで絞ればその性能は他のズームレンジに匹敵する。この辺りは旧型と大きく差が出てくるところだろう。

色収差

とても良好に補正されているので、問題になる場面はほぼ無いだろう。望遠端に向かうにつれてやや収差が大きくなるものの、そこまで大きな違いではない。

歪曲・周辺減光

広角端で樽型、望遠端で糸巻き型とズームレンズとしては典型的な歪曲の仕方で、歪曲度合いは大きくない。やや気になる場合もソフトウェアで後処理出来るものだ。全体的におよそ1%程度の歪曲。

周辺減光もズームレンジ全域でおよそ1EV程度の減光がみられるが、1段絞ることで解消される。

逆光耐性

新コーティング技術であるASC(Air Sphere Coating)が採用されている。

逆光耐性は上々でほとんどのシーンで逆光が問題になる事はないだろう。絞り過ぎるとゴーストが目立って来るので、場合にもよるが目安はF11あたり。

評価

被っている単焦点を一掃してこのレンズの購入を検討。そんなレンズがこれだ。

16年ぶりにリニューアルされ、 「Air Sphere Coating」や蛍石レンズ、スーパーUDレンズを導入して、さらに手ぶれ補正効果は2段分から4段分へと大幅に向上。至れり尽くせりのズームレンズとし ては一番長い焦点距離をカバーするレンズ(1.4エクステンダー内蔵型を除く)

画質は単焦点並とのレビューが多く、ユーザーの評価は高い。重量は旧モデルよりも重くなってしまったものの、400mmをカバーするレンズとしてはかなり軽い方。よって、取り回しも容易でシャッターチャンスを狙いやすい点はグッド。

旧型よりも中域~望遠域にかけての解像度が向上している。新型のこのレンズは開放から安定した描写性能を持っており、さらにそれが全域で使用可能だ。明るいレンズでは無いものの、絞り開放から十分使っていける解像度と4倍ズームである事を活用すれば様々なシャッターチャンスに対応出来る良い相棒になってくれるだろう。

価格は競合レンズを考えるとややお高め。しかし、一度購入すれば堅牢性と描写性能から末永く使っていけると考える、と考えると十分に価値はあると思う。

唯一、残念な点は購入後にすぐ商品が届かない事。売れすぎて製品在庫が無いので、多くの場合お取り寄せで数週間待ちとなる。使いたいシーズンに合わせて前もって予約しよう。Amazonなどでは在庫を抱えている出品者もいるが、安くない買い物なので待ってでも信頼できる専門店から買う方がおススメ。

競合レンズと比較して

旧型 EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM

直進ズームという点を考慮すると選択肢となるが、描写性能や手ぶれ補正の効き目、AF速度は新型の方が圧倒的。また、防塵防滴性やフッ素コーティング、新コーティングなど特筆すべき点が多い。出来る事なら新型を買いたいところだ。

中古価格が10万円前後なので、状態の良い中古を狙うという手はある。ただし、その場合はシグマやタムロンの150-600mmの新品と価格帯が被るので、さあどうしようかと悩む事にはなりそうだ。

EF70-200mm F2.8L IS II USM

やや性質が異なるものの、価格帯とサイズが似ているのがこのレンズ。F2.8の大口径ズームレンズで、100-400mm同様の爆速AF・高い光学性能を保有している。

望遠端が200mmなもののエクステンダーを装着すれば疑似400mmを使えるので、守備範囲が400mmまでで良かったらこちらの方が良いかもしれない。ただし、テレコン使用時(x1.4 x2.0)は望遠端の周辺部がやや甘く、絞っても改善されない点は考慮した方がいい。光学性能を重視する望遠端ならば100-400mmに分があるだろう。

EF70-300mm F4-5.6L IS USM

性能を考えると価格もそれ成りと言ったところで、どうしてもそこまでお金はつぎ込めないと言うことであれば、400mmに目をつぶるとこの選択肢。より軽量で光学性能はとても良好なので、あまり400mmを使わないのであればこちらの方が良い選択肢かもしれない。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM|SportsSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM|Contemporary

防塵防滴性と光学性を極めたSportsラインと手頃な価格と光学性能を両立したContemporaryラインの2種類。

どちらも600mmの超望遠をカバーしており、競合クラスと比較してもなかなかの性能。フォーカス速度はキヤノンのリングUSMの爆速っぷりと比較してしまうと遅い。予測できる動き物や風景には不満無く使えるが、激しく動く被写体を補足するにはややAFが遅い印象。決して遅くはないが、USMが速すぎる。

どちらもEF100-400mmと比べて重く手持ち撮影にはやや不向き。特にSportsの重量感は半端ない。三脚推奨と言えるので、手持ち撮影しやすい100-400mmは大きなアドバンテージと言える。必要であればエクステンダーを装着するという手も。しかし、シグマの2モデルは専用のテレコンバージョンレンズがリリースされているので、さらに望遠端を拡張できる点はグッド。

三脚に固定して使用が前提であれば、大きく拡張性能があるSportsラインがおススメ。

価格はSportsもContemporaryも100-400mmよりも安く、特にContemporaryは10万円前後とリーズナブル。

TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD Model A011

超望遠のジャンルでは最もお手頃価格で10万円を切る。描写性能はシグマにやや劣るものの、お手頃な価格と愛情でカバーしよう。

注意点として中古レンズで手ぶれ補正の流し撮りに対応していない型番が存在する。さらに、流し撮りは後付けの対応なので専用モードが存在するわけではない。

三脚座が元から大きく、ハンドリング性が良い点は何気におススメ。ただし、そもそもヘビーなレンズなので手持ち撮影するかと言われるとノーと言わざるを得ない。

TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2 Model A022

2016年に登場したタムロンの新型150-600mm。

A011と比べてテレ端の周辺部に改善されている。また、防汚コートによるレンズ前玉の保護や任意のズームポジションでロック出来る機構が追加されているほか、テレコンバージョンレンズが1.4倍と2.0倍の2種類に対応。

機能面がシグマのContemporary・Sportsに追いついているので今から買うならA011よりもA022がおススメ。

参考サイト

購入早見表

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海外レビューサイト抄訳

ePHOTOzine

スウィートスポット
100mm F5.6
200mm F5.6
400mm F8

Good

  • 良好な解像力
  • 素晴らしい鏡筒の造り
  • 調整可能なズームリング荷重
  • コンパクト(比較的)
  • 歪曲が少ない(比較的)
  • 防塵防滴
  • 良好に補正されている色収差
  • 効果的な手ぶれ補正
  • 素早いオートフォーカス

Bad

  • 高い

Lens Tips

Good
  • 堅牢でハイクオリティの造り
  • 全域で素晴らしい中央の解像力
  • とても良好なフレーム端の画質(APS-C)
  • 良好なフレーム端のは質(フルサイズ)
  • 色収差補正
  • 球面収差が気にならない
  • 極僅かな歪曲
  • 優れたコマ収差補正
  • 中程度の非点収差
  • 素晴らしいボケ
  • 静かで正確なオートフォーカス
  • 効果的な手ぶれ補正
  • 豊富なアクセサリー
Bad
  • 望遠側で周辺減光が目立つ
  • フレア

レンズデータ

レンズ構成図

lens-construction100-400

MTFチャート

mtf

レンズ仕様

画角(水平・垂直・対角線) 20°~5°10’・14°~3°30’・24°~6°10’
レンズ構成 16群21枚
絞り羽根枚数 9枚
最小絞り 32-40
最短撮影距離 0.98m
最大撮影倍率 0.31倍(400mm時)
フィルター径 77mm
最大径×長さ φ94×193
質量 1,570g
手ブレ補正効果 4.0段分(CIPAガイドライン準拠)

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