【評価･作例】明るく高描写なAPS-C用魚眼レンズ『SIGMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM』

シグマはフルサイズ用・APS-C用・全周魚眼・対角魚眼というように、魚眼レンズが豊富にラインナップされている。本レンズはそんなラインナップのひとつで、APS-C用の使いやすい対角魚眼レンズだ。

APS-Cセンサーサイズに最適化された魚眼レンズを発売しているのはニコンの魚眼単焦点とペンタックスの魚眼ズームのみ。キヤノンに関してはフルサイズ用の魚眼レンズしか発売していない。（しかも結構高い）

使いやすいレンズを選ぶにはやや物足りなく、品揃えを補完するには最適なレンズとなっている。

開放F値がF2.8と明るいレンズに仕上がっているので、星撮り用のレンズとして使うカメラマンも多い。フロントにフィルターを装着する事は出来ないが、リアフィルター用のポケットが搭載されているのでゼラチンフィルター等を使用可能。

中央の描写は開放から良好な像を提供してくれるが、解像度のピークはF5.6まで絞り込む事で際立って良好になる。但し、周辺部に関してはやや甘い傾向にあるので、フレーム全域でしっかりと結像を狙うのであればF11程度まで絞り込んで使いたいところ。

色収差も魚眼にしては良好に補正されているので、後処理でなんとかなる程度に抑えられている。逆光耐性も良好で、強い光源をフレームに入れてもフレアやゴーストは良く抑えられている。

注意点として、キヤノンで使う場合には対角線の画角が狭まってしまうので「やや」パースが付けにくくなる。