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サムヤン×シュナイダー AF 14-24mm F2.8は欠点もあるが小型軽量でコスパ良好

PhototrendがLKサムヤン「AF 14-24mm F2.8」のレビューを公開。小型軽量ながら良好な光学性能のF2.8ズームレンズと評価。ただし、露出が不安定となる場合があり、マゼンダ偏りの傾向がある模様。

Phototrend:Test Samyang AF 14-24 mm f/2,8 FE : zoom ultra grand-angle ultra-léger

  • 外観:ドイツブランドが10年以上の空白を経て復帰し、シュナイダー・クロイツナッハの青リングが前面に使われている。これはサムスンとの過去の提携を経た象徴的な復帰でもある。
  • 構造:軽量化のためにプラスチックを多用しているが、仕上がりは良好。ただし、付属のレンズフードは安っぽい。耐候性を備え、過酷な環境下でも使用可能。USB-Cポートで光学系の更新も可能である。
  • 携帯性:445gと非常に軽く、同クラスで最軽量級。長さ約9cm、最大径約8cmとサイズも抑えられている。最短撮影距離では鏡筒が2cm伸びる。大口径の超広角ズームとしては珍しく、77mmの円形フィルターが前面に装着可能である点も利点。
  • 操作性:ズームリングにはV字型の滑り止めが施され、操作感は良好。移動量も少なく扱いやすい。AF/MFスイッチとカスタムボタンも搭載し、操作性は非常に高い。天体写真ではMF操作が重要になる場面もある。
  • AF:通常使用では素早く正確に合焦する。ただし、暗所や動きの速い被写体では精度にばらつきがあり、稀にポンピング(ピント迷い)が発生し、フォーカスが外れることもある。
  • MF:前方に配置されたフォーカスリングは非常にスムーズで操作しやすい。
  • 手ぶれ補正:光学式手ぶれ補正は非搭載。手ぶれ補正はボディ側のIBISに依存するが、超広角のため手持ち撮影における制約は少ない。
  • 解像性能
    14mm:f/2.8開放で中央は非常にシャープだが、周辺部の均一性には欠け、f/4〜f/5.6で改善される。
    18mm:f/2.8から中心部が非常にシャープで、周辺も14mmより改善。角部はf/4で改善される。
    24mm:中央はやや低下するが全体的に良好。エッジはきれいで、f/8で最も均一性が高まる。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:最短撮影距離18cmにより、被写体に非常に近づける。f/2.8と9枚羽根の絞りにより、特に最短距離で背景が滑らかにぼける。被写体が背景と離れている場合は効果的に被写界深度を調整できる。24mmでも広角ながらポートレート的表現も可能。
  • 色収差:全体的に良好に抑制されているが、細部の縁に薄いピンクのフリンジが見えることがあり、完全な除去は難しい。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:RAWでは強い樽型歪みがあり、手動補正は難しい。Lightroomでの自動補正プロファイルは未搭載である。
  • 周辺減光:f/2.8で四隅の暗さが顕著。特に14mmでは鏡筒の端が写るほどで、f/4で軽減、f/5.6で停滞。24mmでもf/2.8では目立ち、f/4で改善、f/5.6で停滞する。ボディ側の自動補正では不十分。
  • コマ収差:比較的目立たないが完全には消えない。主に画像の角に現れるが、軽いトリミングで対処可能なため、天体写真にも適する。
  • 逆光耐性:ゴーストは見られず、フレアも非常に控えめ。強い間接光でのみごく軽度の異常が出る。
  • 光条:絞りを絞ることで小さな18本の光条が発生し、美しい表現が可能である。
  • 作例集:リサイズのみ。作例多数。
  • 総評:サムヤンにとって重要な製品であり、シュナイダーとの提携で生まれた初の超広角ズーム。大口径レンズでありながらコンパクトかつ軽量で、優れたAFと画質を持つ。14mmの全絞りで中心はシャープ。改善の余地としては色がマゼンタ寄り、最広角での均一性や歪曲補正の課題がある。それでも価格に対する価値は非常に高く、優れた性能を持つズームレンズとして強く推奨できる。
  • 競合について:シグマ14-24mm F2.8 DG DN Artは長さ13cm、径8.5cm、重量795gと、サムヤンに比べ大きく重い。また、ソニー FE 12-24mm F4 Gよりもサムヤンの方がコンパクトかつ軽量である。
  • 備考:画像全体のレンダリングに課題があり、撮影画像は露出不足になる傾向。色もマゼンタ寄りに偏る傾向があり、ソニーボディ側のカラープロファイルの調整が必要となった。

2025年4月に登場したLKサムヤンとシュナイダーコラボの新しい広角ズームレンズ。F2.8の大口径で14mmの超広角をカバーするズームレンズとしては小型軽量。特に77mmの円形フィルターに対応している競合製品は存在しません。

14mm F2.8をカバーするズームレンズで携帯性を重視する場合は唯一無二の製品と言えるでしょう。さらに価格も手ごろ(1199ユーロ)で、導入しやすいのは魅力的。

Phototrendのレビューでは、小型軽量ながら良好な光学性能を評価。広角側の絞り開放では周辺部の画質低下があるものの、少し絞ると改善するようです。問題は強めの周辺減光と歪曲収差でしょうか。自動補正が適用出来れば問題ないものの、ケラレに近い減光と歪みを大きな歪曲の手動補正は難しい模様。

マゼンダ偏りの傾向もみられるようですが、このあたりは他のレビューサイトの結果も見てみたいところ。

LKサムヤン・シュナイダー AF 14-24mm F2.8 最新情報まとめ

レンズの仕様

発売日 2025.4.22
レンズマウント E
対応センサー フルサイズ
焦点距離 14-24mm
レンズ構成 11群15枚
非球面レンズ 3枚
高屈折率レンズ 5枚
EDガラス 3枚
開放絞り F2.8
最小絞り F22
絞り羽根 9枚
最短撮影距離 0.18m
最大撮影倍率 0.17-0.26倍
フィルター径 77mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング UMC
サイズ φ84×86.8mm
重量 445g
防塵防滴 対応
AF STM
絞りリング -
その他のコントロール カスタムボタン
AF/MFスイッチ
付属品 レンズフード

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