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VILTROX AF 15mm F1.7 レンズレビューVol.5 ボケ編

「VILTROX AF 15mm F1.7」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。接写時は広角レンズとしては良好な柔らかいボケが得られました。

製品提供について

このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(2週間)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。2週間と短い試用期間、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

このレンズでボケが欲しいシーンでは、球面収差の味付けが残る柔らかい後ボケ。中途半端な撮影距離では2線ボケの兆候があるものの、被写体に近寄ることで良好な結果を期待できます。騒がしいと感じる場合はボケが小さいので、悪目立ちする可能性は低い。気になる場合は少し絞ることで改善する可能性あり。

べた褒めではないものの、広角レンズとしては概ね肯定的に評価できる描写です。

When you want bokeh with this lens, you get soft background blur with a hint of spherical aberration. At intermediate shooting distances, there are signs of double-line bokeh, but you can expect good results by moving closer to the subject. If you find the bokeh too noisy, it is small, so it is unlikely to stand out too much. If you are concerned, you may be able to improve it by stopping down a little.

While not overly praised, the image quality is generally positive for a wide-angle lens.

VILTROX AF 15mm F1.7 のレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

広角レンズとは思えないような、滲みを伴う柔らかいボケ。ボケが大きくなるにつれ、輪郭が溶ける滑らかな描写です。

前ボケ

後ボケとは打って変わって、ボケの縁取りが硬調で二線ボケの兆候が見られる描写。15mm F1.7で前ボケが目立つシーンは少ないと思われ、過度に心配する必要はありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

低価格の広角レンズとしては非球面レンズの影響が目立ちません。しかし、ボケの縁取りに残存する色収差が発生し、隅に向かってかなり目立つようになります。

ボケ実写

至近距離

VILTROXレンズにしては最短撮影距離が短く、被写体を大きく写すことが出来ます。この際、残存する球面収差で柔らかい後ボケが得られます。広角レンズとしては全体的に滑らかで綺麗。

近距離

撮影距離が少し伸びても、滑らかで綺麗なボケが続きます。フレーム周辺部には騒がしくなる兆候が見られるものの、広角レンズとしては健闘しているのかなと。

中距離

撮影距離がさらに長くなっても、中央から広い範囲は滑らかで綺麗な描写。フレーム端や隅のボケはやや雑然とした描写。とはいえ、ボケが小さくなっているので、騒がしい描写が悪目立ちすることは少ないはず。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

全身から膝上くらいまでをフレームに入れる撮影距離では後ボケが非常に騒がしい描写。ボケが小さいので目立ちませんが、クロップすると気になります。上半身からバストアップ程度まで近る寄るとまずまず良好な描写に改善します。

まとめ

このレンズでボケが欲しいシーンでは、球面収差の味付けが残る柔らかい後ボケ。中途半端な撮影距離では2線ボケの兆候があるものの、被写体に近寄ることで良好な結果を期待できます。騒がしいと感じる場合はボケが小さいので、悪目立ちする可能性は低い。気になる場合は少し絞ることで改善する可能性あり。

べた褒めではないものの、広角レンズとしては概ね肯定的に評価できる描写です。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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