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RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.1 外観・操作・AF編

キヤノン「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してMFの使いやすさなどを確認しています。

RF24mm F1.8 MACRO IS STMのレビュー一覧

まえがき

(特殊な超望遠レンズを除くと)35mm F1.8、85mm F2、50mm F1.8、16mm F2.8に続く5本目の無印(非L)単焦点RFレンズだ。そして、0.5倍のハーフマクロと光学手ぶれ補正に対応したラインアップとしては3本目となる。そしてこのシリーズでは最も画角の広いレンズである。

概要
レンズの仕様
マウント RF 最短撮影距離 0.14m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率 0.5倍
焦点距離 24mm フィルター径 52mm
レンズ構成 9群11枚 手ぶれ補正 5段分
開放絞り F1.8 テレコン -
最小絞り F22 コーティング SSC
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ74.4×63.1mm 防塵防滴 -
重量 270g AF STM
その他
付属品
キャップ

一眼レフ用の似たコンセプトのレンズ「EF24mm F2.8 IS USM」が存在する。サイズや重量はよく似ているが、開放F値が「F1.8」と1段以上小さくなり、効果的な手ぶれ補正や0.5倍のハーフマクロに対応しているのが魅力的だ。ただし、インナーフォーカスでは無く、最短撮影距離付近では鏡筒が大きく伸びる点には注意が必要だ。

レンズサイズは35mm F1.8とよく似ており、「24mm F1.8 IS」としてはコンパクトである。防塵防滴に非対応などいくつかデメリットがあるものの、普段使いに適したレンズサイズは強みと言えるだろう。

価格のチェック

売り出し価格はEF24mm F2.8 IS USMよりも2万円ほど高く、気軽に追加できる価格設定では無い。価格を考慮するとレンズフードくらい付属してもらいたいが、残念ながら別売りだ。

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外観・操作性

箱・付属品

キヤノンRFレンズらしい光沢のある黒を基調としたデザインの箱だ。レンズ外観の写真とレンズ名などがプリントされている。中は間仕切りされておらず、レンズ本体は大きめの緩衝材で梱包されている。

レンズ本体の他に前後のレンズキャップと説明書と保証書が付属する。レンズフードは付属していないが、必要であればオプションとして追加購入することが出来る。シンプルなフードだが4千円とやや高価なのが残念だ。レンズも安くは無いので、出来れば付属して欲しかった。幸いにも、RF15-30mmとは異なりRF24mmのレンズフードはEF24mm F2.8 IS USMと共用である。既に互換性のある社外品がいくつか存在するので、純正にこだわりが無ければサードパーティ製フードも一つの選択肢となる。

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JJC製

外観

パッと見はキヤノンRFレンズでお馴染みのデザインだ。しっかりとしたプラスチック製の外装にゴム製フォーカスリング、樹脂製コントロールリングを備えている。所有する喜びをかきたてる質感ではないが、RF-Sレンズほどの安っぽさはない。全体的にグレーのマットな塗装が施され、一眼レフ用レンズよりもスレや傷に強くなっている。

側面にはAF/MF切替スイッチと手ぶれ補正スイッチを搭載している。操作性はRF35mm F1.8と全く変わらないので、違和感なくレンズ交換が可能である。

繰り出し式のフォーカスを採用しており、マクロの撮影距離では内筒が前方へ伸びる。ガタツキは無いものの、誤ってぶつけてしまうリスクを避けるためにレンズフードの装着をおススメする。

ハンズオン

全長63.1mm、重量270gのコンパクトな24mm F1.8である。繰り出し式のフォーカスは少し癖があるものの、携帯性の良い大口径の24mmの存在は強みになる。EOS R10やR7などAPS-Cミラーレスと組み合わせても違和感の無いレンズだ。

前玉・後玉

前玉はフッ素コーティング処理されていないので、メンテナンス性は良くない。水滴や汚れの付着が予想できるシーンではプロテクトフィルターを装着するのがおススメだ。ねじ込み式フィルターは52mmに対応している。他にもRF35mm F1.8やEF40mm F2.8などが対応している。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定されている。後玉はEOS Rシステムらしく非常に大きい。レンズ交換時などにぶつけて傷をつけないように気を付けたい。マウント部の刻印を見ると、このレンズが台湾製であることが分かる。ちなみに最近の非Lレンズは台湾製が多い。

レンズマウントに防塵防滴処理は施されていない。ニコンZシステムのようなスカートも無いので耐候性は期待しないほうが良いだろう。鏡筒内部の防塵防滴をこの価格帯に期待するのはお門違いだが、せめてレンズマウントの簡易防滴くらいはあると良かった。

フォーカスリング

ゴム製の適度な幅のフォーカスリングを搭載。リングは滑らかに回転し、ざらついたり引っかかる動作は見られない。フォーカスリングのレスポンスは「リニア」「ノンリニア」をカメラ側で変更することが出来るが、ストロークの調整は出来ない。どちらの設定でも一般的な操作速度であれば約180°のストロークを備えている。ノンリニアの場合、ゆっくりと回転することで微調整が可能となっている。特にF1.8のハーフマクロに対応しているので役に立つ機能だ。

コントロールリング

ローレット加工が施された樹脂製のコントロールリングを搭載。この辺りの仕様はRF35mm F1.8と全く同じである。独立したコントロールリングのため、RF16mm F2.8やRF50mm F1.8と異なりクリック感のある操作性だ。無段階コントロールよりトルクが強く、誤操作の心配は無い。

スイッチ

側面にはAF/MFスイッチとISスイッチを搭載。RF35mmと同じ配置・デザインとなっているので配置や触感を体が覚えており、操作しやすい。

レンズフード

EF24mm F2.8 IS USM」と共用の花形レンズフードに対応している。別売り品なので、必要であれば買い足しておこう。価格はRF15-30mm用の新しいレンズフードと同程度だが、フードの内側には反射防止用のフェルト生地を備えたしっかりとした作りである。

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JJC製

RF35mm F1.8のドーム型フードと異なり、伸びる内筒を保護するように装着可能だ。マクロ撮影で接写する機会も多いと思うので、個人的には社外製でもいいのでフードを装着しておくのがおススメである。

装着例

EOS R5に装着したところ、バランスが良く携帯性を損なっていない。このサイズ感で24mm F1.8を利用できるのは素晴らしいことだと思う。おまけに光学手ぶれ補正まで利用可能なので、EOS RPなどコンパクトなフルサイズミラーレスとも相性が良い。

試しにEOS R10に装着してみた。
正直に言うと、EOS R5よりもR10のほうがしっくりと来る。幅・全高・奥行に均質感があり、程よくコンパクトで愛くるしい。レンズフードを装着すると少し違った見え方となるので、R10装着時はフードを外して使いたい。

AF・MF

フォーカススピード

このレンズはステッピングモーターで繰り出し式フォーカスユニットを駆動する。EOS R5と組み合わせたところ、至近距離で高速移動する物体を追従するには力不足だが、一般的な撮影に過不足のない程度に速いことが分かった。
繰り出し式フォーカスとしては静かだが、リードスクリュータイプのSTMレンズと比べると動作音の発生は避けられない。動画撮影時はさらに駆動音を抑えるために低速で動作するので素早いピント合わせには不向きである。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。

ピント位置によって画角が大きく変化するので、状況によってはズームしているように見えてしまうかもしれない。繰り出し式のハーフマクロレンズでフォーカスブリージングを抑えた設計を期待するのは難しい。

精度

EOS R5やR10との組み合わせでピント精度に問題は見当たらなかった。ピント位置の再現性も良好だ。ただし、フォーカスブリージングで画角が大きく変化するので、フレーム隅にピントを合わせる場合はフォーカスエリアから被写体が外れてしまう可能性があるので気を付けたい。

MF

前述した通りフォーカスリングのストロークは約180°だ。適度なストロークでフルマニュアルでの操作もやぶさかではない。

まとめ

RF35mm F1.8 MACRO IS STMを使ったことがある人ならば、お馴染みのコンパクトサイズと操作性で扱うことが出来る24mm F1.8だ。コンパクトサイズの大口径レンズであり、さらに光学手ぶれ補正やハーフマクロにも対応した汎用性の高いレンズに仕上がっている。フルサイズミラーレスのみならず、APS-Cと組み合わせて換算38.4mmの準広角レンズとして使うのも面白そうだ。

対応するレンズフードが花形となり、フォーカシングで伸びる内筒を保護しやすくなったのもGood。やや高価な別売りオプションである点が残念だが、ロック構造や内側の反射防止対策などしっかりとした作りとなっている。とは言え、安いレンズでは無いのでフードくらい同梱して欲しいのが正直なところである。

繰り出し式フォーカスや防塵防滴に非対応である点は賛否が分かれると思うが、小型軽量で汎用性高いレンズに仕上がっている。日常的に24mmを持ち歩きたいと思うのであれば、面白い選択肢になると思う。

購入早見表

RF24mm F1.8 MACRO IS STM
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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