富士フイルム「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」のレビュー第五回 ボケ編を公開。
ボケが綺麗なキットズームレンズ
大きなボケは得られませんが、悪目立ちしにくく、綺麗な描写のレンズです。他社の安価なズームレンズと比べて差があるとすればこのあたり。玉ボケも滑らかで綺麗な描写である場合が多く、絞り開放から快適に使うことが出来ます。
While it doesn't produce large bokeh, this lens avoids standing out in a bad way and delivers beautiful rendering. If there's a difference compared to other companies' inexpensive zoom lenses, it's in this area. The bokeh is often smooth and beautifully rendered, allowing comfortable use even at wide apertures.
XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRのレビュー一覧
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR レンズレビューVol.5 ボケ編
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR レンズレビューVol.4 諸収差編
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR レンズレビューVol.3 遠景解像編
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR レンズレビューVol.2 解像チャート編
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
球面収差
50mm F4.8を使用。前後のボケ質を比較してみると、描写に差があることが分かります。球面収差は完全に補正されておらず、チャートテストでのコントラスト低下など画質に影響が発生しています。
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。
描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
50mmの接写時はボケの輪郭が強調されず、溶けるようにピントから外れます。滑らかで綺麗な描写。軸上色収差の影響はなく、悪目立ちする要素はありません。
前ボケ
後ボケとは異なり、縁取りが硬い2線ボケの兆候があります。色収差の影響が少ないので悪目立ちしませんが、複雑な前景が入ると雑然とした描写になる可能性あり。しかし、極端な影響ではなく、「50mm F4.8」であることを考慮すると、無視できる範囲内抑えられています。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認
口径食、色収差が良く抑えられています。悪目立ちする要素が少なく、キットズームレンズとしてはかなり綺麗なボケ質です。
ボケ実写
16mm
接写時、少し引いて撮影した場合、どちらも良好な描写を維持しています。ボケが小さくなると少し荒れ始めますが、それでもキットズームレンズの16mmとしては良好。
50mm
ボケが大きな撮影距離でまとめは全体的に滑らかで綺麗なボケです。「50mm F4.8」という性質上、ボケは大きくならないものの、キットレンズとしてはきちんとした質感。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
人物のように大きな被写体を撮影して後ボケが得られるレンズではありません。ボケを得るためには、どの焦点距離でもバストアップや顔のクローズアップ程度まで近寄って撮影したいところ。
質感は単焦点レンズほど良好とは言えませんが、標準ズームレンズとしては悪くない質感だと思います。
16mm
50mm
まとめ
大きなボケは得られませんが、悪目立ちしにくく、綺麗な描写のレンズです。他社の安価なズームレンズと比べて差があるとすればこのあたり。玉ボケも滑らかで綺麗な描写である場合が多く、絞り開放から快適に使うことが出来ます。
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作例
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