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ニコン曰く、このレンズは軽い AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED【評価・作例】

  • 2017.11.7:ページを全体的に更新しました。
  • 2016.8.11:ページを公開

レンズの特徴

中央解像力 ?良好
(50mmの開放が甘い)
ピーク F2.8-F5.6
周辺解像力 良好
ピーク F4-F8
軸上色収差 問題無し 倍率色収差 広角 目立つ
中間 目立つ
望遠 中程度
球面収差 問題無し コマ収差 ?広角で目立つ
非点収差 非常に良好 歪曲 広角 目立つ樽型
周辺減光 ?広角で特に目立つ
F4で解消
逆光耐性 良好
AF 高速 手ぶれ補正
ボケ傾向 広角?中間は騒がしい、望遠は滑らかで綺麗
備考 ?金属外装

レビュー・作例・参考サイト

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レンズデータ

レンズ仕様

型式 ニコンFマウントCPU内蔵Gタイプ、AF-S DXズームレンズ
焦点距離 17mm-55mm
最大口径比 1:2.8
レンズ構成 10群14枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)
画角 79°-28˚50′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
FXフォーマット/35mm判換算:25.5mm-82.5mmレンズの画角に相当
焦点距離目盛 17、20、24、28、35、45、55mm
撮影距離情報 カメラへの撮影距離情報を出力可能
ズーミング ズームリングによる回転式
ピント合わせ IF(ニコン内焦)方式、超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能
撮影距離目盛 ∞?0.36m、1.25ft(併記)
最短撮影距離 0.36m(焦点距離35mm時)
最大撮影倍率 0.2倍
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
絞り方式 自動絞り
最大絞り f/2.8
最小絞り f/22
測光方式 開放測光
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) 77mm(P=0.75mm)
マウントアダプターFT1適否 AF駆動可
寸法 約85.5mm(最大径)×約110.5mm(バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで)
質量 約755g
付属品 ・77mmスプリング式レンズキャップ LC-77
・裏ぶた
・バヨネットフード HB-31
・ソフトケース CL-1120

MTFチャート

wide

wide

tere

tere

レンズ構成図

AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f2.8G IF-ED

紹介

CheckPoints

Good
  • F2.8から優れている中央の描写
  • 絞った場合のフレーム全体の安定感
  • SWMによる高速フォーカシング
  • 防塵防滴に配慮した設計
  • 戦車のような堅牢な造り
Bad
  • DXフォーマットの標準レンズとしては巨大で重い
  • 周辺部(四隅)の描写
  • フィルター径が77mmと大きい
  • 価格がとても高い
  • 色収差が目立つ

外装・機能性

外装

DXフォーマットの標準ズームとしてはヘビー級となる755g。海外ではこのレンズを評価する際に「戦車」という単語を持ち出すこともある。戦車と呼ばれる理由には訳があり、非球面レンズを3枚、EDレンズを3枚含む10群14枚のレンズ構成は頑丈な鏡筒で守られている。さらにDX用としては貴重な防塵防滴に配慮した設計になっているので耐候性も有している。D7000シリーズ・D500で防塵防滴システムを組むならば良い相棒になってくれそうだ。

ニコン公式ウェブサイトには「大口径3.2倍ズームレンズでありながら、軽量・コンパクト化を実現しました。デジタル一眼レフカメラの常用レンズに適しています。」と述べている。ニコンからすると軽いそうだ。私はまだまだ鍛錬が足らないらしい。まあ確かに、『AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8 ED VR』と比べたらまだまだ軽い。最近のニコンに限らず高画質化を追求するレンズはどうしても重く、大きくなる傾向。

ズームリングがマウント近くに存在するので、頻繁に焦点距離を変更するにはやや慣れが必要な印象。逆にピントリングは幅広く掴みやすい。

機能性

防塵防滴

ニコンは防塵防滴を強く謳っていないが、このレンズには耐候性を向上させるシールが施されている。ニコンらしいタフなレンズという評価も多く、ハードなロケーションに担いで行けるDXレンズとしては貴重な存在だ。

SWM

フォーカシングは超音波モーターによる駆動方式で、静かに高速フォーカシングが可能だ。DXキットレンズとフォーカス速度を比べると天と地ほどの差を感じるかもしれない。

手ぶれ補正は非搭載

ニコンFXフォーマットではついに手ぶれ補正が搭載された巨大な大口径標準が登場。しかし、本レンズには手ぶれ補正が搭載されていないので、望遠端でのファインダーの安定性やシャッタスピードの管理はややデリケートに扱う必要がある。

M/Aモード

フォーカシング中でもタイムラグ無しにマニュアル操作を可能にするモード。誤作動でマニュアルモードになりにくい「オートフォーカス優先モード」である「A/M」モードは搭載されていない。

描写

解像力

広角端(17mm)において絞り開放から中央はとても良好でキレを感じるシャープネスな描写を得ることが出来る。反面、中央の解像力と比べて周辺は立ち上がりが遅く、開放での描写は甘く感じるかもしれない。フレーム全体で安定した描写性能を発揮させるつもりならば、F5.6?F8までしっかりと絞った方がいいだろう。必要であればF11やF16まで絞ってもいい。

中間域も概ね同傾向な性質だが、望遠端に向かって描写が僅かに落ちていく。特に望遠端の絞り開放時は広角端に比べて全体的にソフトで、カリッとしたシャープさが欲しいならF5.6までは最低でも絞って使いたい。

色収差

中央部は比較的良好に補正されているが、周辺部ではハイコントラストな部分において発生しやすい傾向がある。特に絞っても改善されない上に、絞り過ぎると逆に目立ったりする。

気になるのであればソフトウェア的な後処理を施す必要がある。色収差の許容範囲は個人差があるので、作例の周辺部はご自身でよくチェックしておこう。

周辺減光・歪曲

周辺減光

17mmの絞り開放でおよそ1EV程度の減光が発生する。これはズームレンジ全域で同傾向であり、F5.6まで絞る事で解消できる。描写を安定させる意味でも絞れる場面ではしっかり絞った方が良さそうだ。

歪曲

広角で樽型の歪曲が顕著に発生する。反対に望遠端では糸巻き型の歪みがやや大きい。

逆光耐性

高価なレンズではあるものの、現行の高級レンズに施されるナノクリスタルコートは採用されていない。とは言ってもフレアが問題になる事は少なく、コントラストを損なうシーンは少ないだろう。

評価

サードパーティ製が数多くのラインナップを揃えているカテゴリにあって、「重い」「でかい」「高い」と三重にウェイトが圧し掛かるこのレンズを選ぶ価値を見出せるかどうかがポイントになる。

特に大きなボケは必要ないので、DXフォーマットで軽量なシステムを組みたいときには良いだろう。特にD500とセットならば高感度性能と大口径を活かした高速シャッタースピードを維持しつつ、高速フォーカシングで被写体を追従できる。

造りは良好で堅牢なレンズであるが故に、中古美品を選択するという方法もある。その場合にはサードパーティ製との価格差は縮まるので、改めて検討のテーブルに乗せることが出来るかもしれない。

競合レンズと比較

AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

土俵が違うものの、より広いズームレンジで広角端ではF2.8の明るさをカバーしている。

さらにDXフォーマットでは初となる電磁絞り「Eタイプ」のレンズであり、連写時の露出安定性がGタイプに比べて安定している点はGood。さらに、手ぶれ補正・ナノクリスタルコート・フッ素コート採用など魅力的な性能を持っている。望遠端のF値もやや高感度に振ればシャッタースピードを維持できるので、ノイズ耐性に強くなってきている現行モデルであれば使いやすいと思う。

こちらはズームリングが前玉付近で、ピントリングが手前に配置されている最近のデザインだ。

17-50mm F2.8 EX DC OS HSM

売れに売れているシグマの大口径標準ズーム。なんと言っても3万円を切る価格で大口径ズームを手に入れる事が出来るので、キットレンズからのステップアップにはとてもお手頃感がある。

安いながら機能性はしっかりしており、超音波モーター(HSM)・円形絞り・手ぶれ補正・インナーフォーカシングとぱっとみて遜色ない。防塵防滴性能が無いという事くらいだろうか。

発色は控えめなシグマでよくある寒色系。

17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM

このレンズもやや土俵は違うが使い勝手の良さを持っている。シグマ現行ライン「Contemporary」ラインの一つで、USB Dockによるピント調整やファームウェアアップデートに対応している。

ニコンの16-80mmと比べるとズームレンジが短いものの、最短撮影距離が22cmと短くなんちゃってマクロ撮影をもこなすことが出来る便利なズームレンズだ。価格も17-50 HSMと近い価格で3万円ちょっとで手に入れる事が出来る点も魅力的。

SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)

シグマの対抗馬となるタムロンの標準ズーム。価格も性能も似ているので悩むと思うが、こちらの方がちょっとだけ安い。よく言われるように、カッチリ写したいのであればシグマを花やポートレートなど柔らかく写したいのであればタムロンを。

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