【評価･作例】流し撮り対応のシグマ大口径望遠ズーム『APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM』

開放ではやや甘い描写なものの、それを柔らかい表現と言い換えることが出来る範囲のもの。1段絞ることでシャープさが見違えるようになり、F4?F11までは良好な描写性能を得ることが出来る。OS（手ぶれ補正）は効き目が良く、流し撮りにも対応している。それを支えるオートフォーカスも正確で高速だ。

泣き所は周辺描写で、全域において開放では甘い傾向がある。特に広角端での周辺描写が甘く、しっかり解像させたいのであればF5.6~F11、F16まで絞る必要がある。風景・鉄道など主要な被写体を四隅に配置する場合には念頭に入れておこう。

ちなみにこのレンズ。似たような名前で「OS無し」だったり「II（だけど古い）」だったりとバリエーションがある。オークションで検索すると一様に表示されていたりする。2016年現在の状況だと「OS搭載モデル」が最も新しいモデルとなっている。

競合モデルはタムロンの『SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD (Model A009)』だ。こちらは2013年発売と比較的新しく、4段分の強力な手ぶれ補正と簡易防滴を備えているので汎用性が高い。若干だが価格が高い事に目をつぶればA009の方が使い勝手は良いように感じる。シグマのAPO70-200mmは流し撮りに対応しているので、その点を重視するならばこちらのレンズをチョイスするという手もある。

ペンタックスマウントにおいては貴重なレンズ側手ぶれ補正搭載のモデル。ファインダー像を安定させた望遠を使いたければ数少ない選択肢に入る。既にディスコンしており新品は高価で稀だったりするが、中古市場ではチラホラと姿を見せるので見かけたら一考してみると良いだろう。

現在は新ラインである「｜Sport」において「120-300mm F2.8 DG OS HSM｜Sport」が発売されている。価格は二回りほど高価なレンズとなっているが、サンニッパをカバーするズームレンズとしてはオンリーワンなレンズに仕上がっている。