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AstrHori AF 27mm F2.8 レンズレビュー Vol.3 諸収差編

「AstrHori AF 27mm F2.8」のレビュー第三弾 諸収差編を公開。全体的に良好・許容範囲内の補正状態で、これと言って大きな問題点はないように見えます。

おことわり

E&Iクリエイション株式会社より無償貸与の製品を使用しています。
レビューにあたり金銭の授受や内容への指示は全くなかったことを明記しておきます。

今回のまとめ

良好な解像性能からも分かるように、諸収差は全体的に良く抑えられています。Z DX 24mm F1.7のように少し絞りたくなる欠点は無く、F2.8から快適に利用可能(そのぶん絞り値は大きめですが)。

As you can see from the excellent resolution performance, the various aberrations are well suppressed overall. There is no problem with the Z DX 24mm F1.7, where you want to stop down a little, and it can be used comfortably from F2.8 (although the aperture value is larger for that).

AstrHori AF 27mm F2.8のレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

実写でのテスト結果を見る限り、大きな影響はありません。近距離で増大しますが、アーカイブなど特殊な用途でない限り、近距離で平坦な像面が必要となることは少ない。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

良好な補正状態です。これ以上の追加補正は必要ないように見えます。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ピント面前後に極わずかな色づき。これが実写で問題となるシーンは限られています。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

穏やかな樽型ですが、直線的な被写体をフレーム周囲に配置する場合は補正したい場合あり。TTArtisanや7Artisansのレンズプロファイルで修正可能。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

テスト環境

絞り開放で影響がわずかに残存。目くじらを立てるほどの欠点ではなく、実写では無視できる程度に抑えられています。

球面収差

良好な補正状態。

まとめ

高コントラストの色づきがゼロではないものの、目立つシーンは限られています。一般的な実写で影響を感じる機会はほとんど無いと思います。

歪曲収差は直線的な人工物や水平線で少し目に付く程度。それでも状況によっては補正無しで全く問題ないように見えます。

良好な解像性能からも分かるように、諸収差は全体的に良く抑えられています。Z DX 24mm F1.7のように少し絞りたくなる欠点は無く、F2.8から快適に利用可能(そのぶん絞り値は大きめですが)。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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