概要
LUMIX DMC-G7は買いどきか?
2015年6月に発売されたパナソニックのミラーレス一眼カメラ『LUMIX DMC-G7』は本格的に4Kフォトを搭載した初のモデル。4Kフォトのみならず、4K動画や空間認識AF(DFD)など現行の最新機種に採用されている機能性が盛り込まれている。
発売当初は8万円台とちょっとお高めだったものの、今では最安値で5万円台に入ってきている。1型センサーのコンパクトデジタルカメラ並のお値段で買えてしまうのだ(ボディだけだが)
さて、そろそろ買おうかなと思っていた矢先になんと高級コンパクトモデルの『GXシリーズ』の「DMC-GX7 Mark II」が登場してしまった。ハッキリ言って性能はG7以上で、さらにコンパクトなボディに詰め込まれている。
価格は新製品というだけあってG7よりもグッと高くなる。さて、それならばサイズは妥協してG7にするか?それともコンパクト命でGX7 Mark IIにするのか?
今回はそんな悩める2機種に絞って比較していこうと思う。
外観比較
正面
一見、G7が結構大きい様に見えるのだが、横幅はほぼ一緒。高さは「LUMIX」と書かれたファインダー部の出っ張りとダイヤル部が出ている分が大きい程度で1.6cmほどの差だ。
見て分かる通り、G7の方が右手のグリップ部分が大きく握りやすい形状をしている。収納する際には邪魔になるが、ハンドリングの良さはGX7 Mark IIよりも良好だ。
背面
G7はサイズが大きい分、ファンクションボタン(Fn)はGX7 Mark IIよりも一つ多い5箇所も搭載している。さらに、AF方式を切り替えるレバーも備えているのでシチュエーションに応じてクイックな操作が可能となっている。
また、ボタン配置は余裕を持ったデザインになっており、撮影中の操作は右手の親指で押しやすい場所に存在する。GX7 Mark IIはFn4・Fn3のボタン配置がカメラの中央寄りとなっており、ファインダーを覗いた状態では非常に使い難い位置にある。
上面
実際に両機種を持ち比べてみると分かるのだが、GX7 Mark IIはコンパクトな分グリップし難い。さらに狭い範囲にコマンドダイヤルとボタンが配置されているので、操作時には窮屈感を覚える。
G7は余裕のあるボタン配置に加えて、左肩にドライブダイヤルを設けてある。4Kフォトモードへのシフトもこのダイヤルから可能となっているので、急なシャッターチャンスにも強い機種はG7と言える。
反面、GX7 Mark IIは凹凸が少ないので収納性は非常に優れており、パンケーキレンズと組み合わせる事で機動力がぐんと向上する。急なシャッターチャンスへの応用力は低いものの、ストリートスナップや家族旅行などにはこちらの方が持って行きやすい。
スペック比較
DMC-GX7 Mark II | DMC-G7 | |
センサー | 4/3型Live MOS ローパスフィルターレス |
?4/3型 Live MOS |
有効画素 | 1600万画素 | 1600万画素 |
防塵対応 | ?SSWF | SSWF |
手振れ補正 | 5軸センサーシフト式 +2軸光学式連動 動画対応 ボディ内補正 4段分 |
ボディ側非搭載 |
ファインダー | 約276.4万ドット 換算0.7倍 LCD |
約236万ドット 換算0.7倍 OLED |
液晶パネル | 3.0型 104万ドット チルト タッチパネル |
3.0型 約104万ドット バリアングル タッチパネル |
AF | 49点 DFD技術 |
49点 DFD |
AF検出輝度 | EV -4?18 | EV -4?18 |
ISO感度 | 200-25600 (拡張 100) |
200-25600 (拡張 100) |
シャッター 電子シャッター |
60-1/4000秒 1-1/16000秒 同調 1/160秒 |
60-1/4000秒 1/16000秒 同調 1/160秒 |
連写 | AFS 8コマ秒 AFC 6コマ秒 AFS 10コマ秒 AFC 6コマ秒 |
AFS 8コマ秒 AFC 6コマ秒 |
連写枚数 | RAW40枚 JPEG 100以上 |
RAW/RAW+JPEG連写 13枚以上 JPEG 100枚以上 |
4KPHOTO | 搭載 フォーカスセレクト |
搭載 フォーカスセレクト(FW2.0で可能) |
動画 | ?4K30p | ?4K30p |
露出測光 | 1728分割測光 EV0-18 | 1728分割測光 EV0?18 |
WiFi | 搭載 | 搭載 |
防塵防滴 | ー | ー |
水準器 | ?○ | ○ |
バッテリー | ?EVF 270枚 モニタ 290枚 |
EVF 360枚 モニタ 約350枚 |
サイズ | 122*70.6*43.9 |
124.9*86.2*77.4 |
質量 | 426g | 410g |
気になるワンポイント
ローパスフィルター
DMC-GX7 Mark IIは従来機に採用されている「ローパスフィルター」を省略。これにより、レンズの性能を引き出しやすくなり、特に高級レンズでの解像度に違いが出てくると思われる。
ローパスフィルターの有無による解像度の違いは確かに存在し、一眼レフカメラではニコンの「D800E・D810」やキヤノンの「EOS 5DsR」などもローパスfルターレスの特性を活用し始めている。
但し、有効画素数はG7同様で約1600万画素だ。シャープさは若干増かも知れないが、高画素化よりも影響は薄いように思う。
ポイント
- 潜在能力の高いプレミアムなレンズで差が出てくる
手ぶれ補正
DMC-GX7 Mark IIには上位機種である「DMC-GX8」を上回る性能を持つ部分がある。この手ぶれ補正もその一つだ。
ボディ単独で5軸手ブレ補正を実現し、4K動画や4Kフォトでもその性能を発揮*1する。さらに、GX8と同様に「Dual.I.S」対応レンズと組み合わせる事でさらに強力な手ぶれ補正を効かせることが出来るのは魅力的だ。オリンパスのシンクロ手ぶれ補正と違って対応レンズが多いので、その恩恵は遥かに大きい。
特にISO感度をあまり高めたくないマイクロフォーサーズ機においては、出来るだけスローシャッターにしてISO感度を抑えたいところ。その際には手ぶれ補正の効きの良さが顕著に現れる。
もちろんレンズ内に手ぶれ補正機構を持たないオリンパスやシグマ、コーワのレンズなども使いやすくなる点も見逃せないところだ。反面、「パナソニックのレンズしか使わねえ!」と来ればボディ内手ぶれ補正が入っていないデメリットは半減する。
*1:4Kフォト時でボディ側補正が効かないのは「DMC-GX8」で「DMC-GX7MK2」は可能。
ポイント(ボディ手ぶれ補正が有効なシーン)
- オリンパス・シグマレンズを使う場合
- ローライトなシーンでシャッタースピードを落とす時
- 超望遠レンズを使う時
ファインダー・背面モニタ
実はこの項目はDMC-G7の方が良かったりする。
GX7 Mark IIは従来機と同じ液晶モニタのファインダーを採用しているが、G7は高コントラストで発色が良いOLEDを採用している。
モニタは上下にしか可動しないGX7 Mark IIに比べて、上下左右に展開出来るG7の方が自由度が高い。
- チルトは上下への可動しか出来ないが、素早く小さく実施出来る
- バリアングルは自由なアングルに調整できるが、チルトに比べてがワンテンポ遅れる
フォーカス・シャッター・4Kフォト
基本性能は非常に似ているが、GX7 Mark IIの方が秀でている部分がある。
GX7 Mark IIにフォーカスセレクトは初期装備とされているが、G7はファームウェア2.0で追加される機能。もしG7を購入したのならばしっかりとファームウェアアップデートをしておくと良いだろう。
公式の解説には「GX7 Mark IIは社外製のレンズにおいてもDFD技術の一部を用いて高速化を実現」との記載がある。ところがこの分はG7でも同様に存在するので大きな差は無いと思われる。その他AF関連の記載もG7と同様。
ポイント
- どちらもDFD搭載
- G7はファームウェアアップデートを忘れずに実施
- GX7 Mark IIは新型の静音シャッターユニット
バッテリーライフ
グリップ部分が大きくバッテリーに余裕がある為かG7の方が継続撮影枚数が多い。しかし、どちらもDFDや4Kフォトを搭載しているのでそれらを活用するとバッテリーの損耗度は非常に高いと言える。どちらにせよ、予備バッテリーは複数持っていた方が安心出来るだろう。
節電の為にオンオフをしっかり管理する電源ボタンはどちらもカメラの左肩に配置されている。片手で操作出来る位置にあるのはとっても便利。
ポイント
- G7の方が継続枚数が多い
- 4Kフォトを活用するならどちらにせよ予備バッテリーは必須
サイズ・重量
実は重量がほぼドッコイ。G7の方がグリップが大きく、バリアングルモニタを搭載しているのでサイズは大きい。しかし、GX7 Mark IIはボディ内手ぶれ補正を搭載しているので、その分中身が詰まっているので重いという訳だ。
G7はややプラスチッキーでチープな印象を受けるものの、外観に高級感を求めなければさして気にならない。落としてプラスチックが割れないかどうかは気になるところ。
ポイント
- G7の方がやや軽い
- G7の方がハンドリング性が良い
- GX7 Mark IIの方が収納性に優れる
まとめ
DMC-G7は価格の割にパフォーマンスの良いモデル
DMC-GX7 Mark IIと比べて、価格差は大きいものの性能差はそこまで大きな違いは無い。
特に画質で言えばローパスフィルターレスで解像度に違いはあるものの、有効画素数には変わり無いので画質の違いが顕著になる事は無いだろう。浮いたお金でレンズを買った方が満足出来る。
さらに、現行モデルで採用の進んでいる機能に関しては概ね搭載しているので「あれが出来ない、これも出来ない」という場面は少ないと思われる。(ボディ手ぶれ補正以外)
社外製レンズについてもハイスピードレンズ(大口径レンズ)をハイスピードで使う分には手ぶれ補正が無くともブレる心配はあまり無いので、全く使えない訳ではない。三脚を使うなり、何かしらで対策を打てば手ぶれ補正数段分の差を少なからず埋めることが出来る。
こんな人はLUMIX DMC-G7がオススメ
- ボディ価格は抑えたいけど、機能性は落としたくない。ボディサイズは妥協出来る
- レンズはそこまで高級レンズが無い。キットズームやワンランク上のパナソニック製レンズ
- 三脚を使った超望遠レンズでの撮影
- 4Kフォトを活用したい
こんな人はLUMIX DMC-GX7 Mark IIがオススメ
- 高機能性とコンパクト性を両立したい
- 荷物を少なくして、スナップ写真・夜景・夕景を撮りたい
- 三脚・一脚は使いたくない
- 手持ちレンズはパンケーキレンズなど軽量なモノが多い
購入早見表
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