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【比較】お手頃価格でフルサイズを始めるならどれだ?『D750』『EOS 6D』『α7II』

本音を言えばペンタックスのフルサイズ機を待っているのだけども、軍資金が溜まってくるとついついスケベ心が顔を出す。

特に最近記事を作成する際に下調べをしていて興味があるのはニコンのD750。画素数も欲張っていないし、防塵防滴を採用してた、それでいてお値段は20万円を下っていたりとかなりお手頃。

今回はベストチョイスなエントリーフルサイズ一眼カメラを探すべく3台のカメラに絞って話を進めていきたい。

スペック比較

え、D610じゃないの?」と思われるかもしれないが、前述の通りD750が凄い気になるんだ。とっても。と言うことでD750。

Nikon D750 EOS 6D α7II ILCE-7M2
発売時期 2014年9月 2012年11月 2014年12月
有効画素 2432万画素 2020万画素 2430万画素
常用ISO感度 100-12800 100-25600 100-25600
処理エンジン EXPEED4 DIGIC5+ ?BIONZ X
秒間連写コマ数 6.5 4.5 5
ファインダー倍率
ファインダー視野率
0.7倍
100%
0.71倍
97%
0.71倍
100%
モニタ チルト式 固定式 チルト式
シャッター速度 1/4000-30 1/4000-30 1/8000-30
AF
検出輝度
51点
(クロス15点)
-3~19
11点
(中央1点クロス)
-3~18
117点
-1~20
手ぶれ補正 レンズ依存 レンズ依存 ボディ内蔵
5軸4.5段分
SDカードスロット 2 1
GPS 非搭載 搭載 非搭載
WiFi 搭載 搭載 搭載
連続撮影枚数 1230コマ 1090コマ 270コマ
防塵防滴 対応 対応 配慮した設計
重量 840g 755g 599g
2015年12月現在の価格
(Amazon)
\189,800
\152,500
\166,400

撮像関連

最近のモデルにしてはどのモデルも画素数は控えめ。と言っても2000万画素クラスで必要十分。その分ファイルサイズも大きくない、RAWファイルも5000万画素と比べるとまだまだ軽い。

特に画素数を欲張っていないということは1画素あたりの面積が広く光情報を受け取りやすい。1画素あたりの面積が広い場合の恩恵として「階調性の豊かさ」「高感度性能の良さ」が取り上げられる。階調性は見比べないと分かり難いかもしれないが、特に高感度性能はノイズのノリ具合が大きく違ってくるのでその恩恵は大きい。

1画素あたりの面積だけで言えばEOS 6Dが画素数を押さえ込んで面積を広くしているので有利だ。但し発売より3年経過しているモデルであり、画像処理エンジンも1世代前のイメージングプロセッサが搭載されている。D750は最近刷新されたEXPEED4を搭載、特に高感度でのノイズ処理には定評がある処理エンジンだけに期待が寄せられる。

オートフォーカス・ドライブ

D750

D750は価格の割りに上質な性能を有している。連写性能はニコン機ではD4sに次ぎ、AFは上位機種と同等(精度等が若干差があるらしいが)。バッファはRAWで21コマ詰まらずに連写出来る。エントリーとして使う分には十分過ぎるスペックを持ち合わせているので、中級的な使い方をする上でも不満無く応えてくれるだろう。唯一の泣き所はシャッタースピードが1/4000秒までと1段分稼げない事。大口径レンズを晴天下で使用する場合にはNDフィルターを使用するシチュエーションが少なからず出てくる。

EOS 6D

発売時期が2012年だけに、この点において他モデルと比べて劣ってしまう。11点の1点クロスと測距点が少なく、測距点と測距点の間隔が広いので動体を撮影するにはやや心許ない。また、RAW+JPEGでは7コマでバッファが詰まってしまうので、連写するならJPEGで割り切って撮影に臨むほうがストレスは無いだろう。

α7II ILCE-7M2

速度優先時は最高5コマ/秒だが、通常の連写は半分の2.5コマな点は注意。但し、他の機種も静音撮影時は秒間3コマだったりするのでそこまで違う訳ではない。また、バッファは3機種の中では一番大きく連続撮影は可能。

117点の像面位相差AFと25点のコントラストAFを併用、エリアの広い隙のないオートフォーカスを使用することが出来る。レフ機のような爆速AFこそ期待出来ないものの、旅行などで使う分には快適に使用できるだろう。

また、1/8000秒までシャッタースピードを稼ぐことができるので大口径レンズも比較的使いやすい。

ファインダー・モニタ

どの機種もファインダー倍率は0.7倍付近。特段大きくも無いが、小さくも無いので常用する分には十分。

EOS 6Dがファインダーの視野率が97%と100%で無い点が悔やまれる。奇跡の1枚が撮れたと思ったら隅に異物が写っていたと言うこともあるので、場合によってはトリミングする必要がある。また、対角魚眼と円周魚眼を使い分けることが出来る『EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM』などを使う場合に、実は四隅がケラれていたなんて事も有り得る。

また、背面液晶が固定式な点も他モデルと比べて劣る点。ハイアングルやローアングルからの撮影が多いのであれば間違いなくチルト液晶はあった方が便利。但し、WiFiを搭載しているのでスマホと連携すれば撮れないことも無い(チルト液晶に比べると煩雑だけどね…)

反面、D750は一眼レフ機では珍しい可動液晶を搭載したモデル。特に現行のフルサイズ一眼レフカメラではかなり希少。と言うことは、それらを活用した写真は他の機種では撮りにくく、オリジナリティを出しやすいモデルとも言える。

その他機能

WiFi・GPS

この2つの機能を同時に搭載している一眼カメラは非常に少ない。国内メーカーでは2機種(EOS 6DとD5300)のみ。

WiFiは多用する(スマホでの遠隔操作や画像のシェア)が、GPSって何に使うの?って方も多いと思う。例えば、登山や旅行の行程で「どこで撮影したのか」が分かると、後で整理するときにかなり便利。最近ではSNSで投稿する時にGPSの情報があると自動でマッピングしてくれたりもするのでさらに便利。特に登山では目印の無い撮影ポイントも多いので「お!これは会心の出来だなあ、次もココでトライしよう」と言った時に撮影ポイントを確認し易いという便利さもある。

ちなみにEOS 6Dは電子コンパス(どの方向に向けて撮影したのか)には非対応みたいだ。

WiFiはこの3機種はどれも搭載している。ちなみにD750は見通し30mの距離で通信可能としている。他の2機種では特に通信距離の明記は無いが、古い機種だと15mだったりする場合もある。

手ぶれ補正

ボディ依存のD750とEOS 6Dに比べて、4.5段分の手ぶれ補正効果をボディに搭載したα7IIとでは使い勝手がかなり違う。レンズ依存の場合はどうしてもレンズが肥大化してしまい大きくなりがち。特に最近は標準の大口径ズームレンズに手ぶれ補正を搭載する傾向にあり、その特徴はさらに顕著になっている。かなり重たくて大きい。

反面、ボディ内蔵型はレンズが比較的軽量コンパクトに済む点はかなりのアドバンテージ。特に古いオールドレンズから最新レンズまでを一律でカバー出来るのは良いポイントだ。快晴のシチュエーションではあまり恩恵が無いが、夜景や光量が不足するシーンでの手持ち撮影が多いのであればその効果は大きい。

防塵防滴

防塵防滴構造を求めるならD750・EOS 6D。防塵防滴に配慮した構造ならα7II。どれも急なコンディションの変化には対応出来るが、α7IIは若干心許ない感じだ。

防塵防滴はボディだけでなくレンズも重要になってくる。

例えばキヤノンEFマウントであれば、「大三元」「小三元」と言った「Lレンズ」のズームレンズであれば防塵防滴性能を有しているレンズが非常に多い。特に古いレンズで無ければ防塵防滴と思って差し支えなのない感じ。但し、単焦点レンズは防塵防滴でないレンズが多く、「Lレンズ」でも新しいタイプ出ないと防塵防滴と謳っていない。

ニコンFマウントではそもそも防塵防滴をおおっぴらに謳っていないので、判別し辛いが特に高級レンズにはシーリングを施してあるレンズが多い(大三元ズームレンズなど)

ソニーEFマウントも同様、ボディと同じく「防塵防滴に配慮した設計」となっている高級レンズが多い。

この3社では高級レンズに防滴シーリングが施しある場合が多く、安めレンズには施されていない場合が多い。つまり、「安いボディとレンズ」で探されている方にはどれも防塵防滴とは無縁な存在。

SDカードスロット

D750のみデュアルスロット。RAWとJPEGを分離出来るのでかなり便利。HDDに写す時もそのままフォルダを分けて保存出来る。

また、サイズの小さいJPEGを安めのカードで、サイズの大きいRAWを転送速度の高いカードでと使い分けれる点も良い。他にもバックアップとしてSDカード2枚に記録するも良し、128GBのSDカードを2枚挿しで256GBにするも良し。

バッテリー

α7IIは予備バッテリーが無いと安心出来ない。行程にも依るが、恐らく2,3個は備えがあった方がいいレベル。D750やEOSの 6Dはこのクラスの一眼レフ機としては十分良好。

各社バッテリーグリップによる拡張が可能なので、さらに持続能力は向上できる。

総評

末永く使えるスペックのD750

特段スペックにこだわりが無くても、撮影の幅が広く使いやすいのはこれだ。連写性能やオートフォーカス、防塵防滴にデュアルスロット・チルト液晶と全体的にそつが無く、機能的。

今回の3機種では一番大きくて重いものの、上級機と比べるとまだ軽い。重量面さえカバー出来ればエントリーからハイクラスまで十分に使い続ける事の出来る一眼レフカメラだ。魅力的な機能面を持ち合わせつつ、価格は20万円を切るローコスト。浮いた資金を高級レンズに回しやすいと言う点で、中級者や上級者にもオススメ出来るカメラだと思う。

D610との価格差は5万円前後と開いてはいるが、腰を据えて長く使い倒そうと思ったらコチラの方がかなりオススメ。上位機種のD810は30万円台とかなり高価な機材なので、画素数意外あまりスペックの変わらないコチラで済ますというのも一つの手。

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動体撮影を割り切れば真価が見える EOS 6D

初めてのフルサイズ機としては必要十分。さらに本体重量が680gとミドルクラスのAPS-C機並な軽さ。携行し易いので持ち歩いて苦にならないのは良い点だ。

測距点が11点だったり、連写コマ数を稼げないので動体撮影には心許ない。しかし、画素数を抑えた暗所性能や階調性は十分に動体撮影をカバー出来る魅力がある。軽さを活かして、高画質なスナップ撮影には最適でシーンを選ばずにワンショットを撮れるのは便利。

コンパクトな分、ボタン類が少なくなっているので凝った設定にアクセスするには不便。右手にボタンが集中しているので、背面液晶で撮影写真の確認の際も右手中心で操作する必要がある点は上位機種と勝手が違う。

上位機種との価格差は10万近くあるので、ステップアップはし辛い。フルサイズはこれまでと割りきるか、踏ん張って5DのMark3に突撃するか…。

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フルサイズを気軽に持ち歩くなら α7II ILCE-7M2

小さい分、バッテリーやグリップ性では一眼レフに敵わないが、その分軽量コンパクトを活かした機動力は持ち合わせている。あまり玉数は無いが、小さなパンケーキレンズでも手ぶれ補正を効かせる事が可能なのでこの点においてフルサイズ一眼レフ機よりも大きなアドバンテージとなる。

像面位相差による広域なAFエリアは快適で、場合によってはコントラストAFによるピントの追い込みも可能。

1世代前のモデルと比べるとデザインも機能も一皮二皮剥けているので、少し安くなったα7よりはこちらがオススメ。まだまだレンズの種類が少ない点は否めないが、今後のロードマップも頼もしい注力っぷり。高級レンズ路線が続いたので、お手頃なパンケーキレンズ群が増えるとさらに扱いやすくなりそうだ。

もうちょっと軽量レンズが増えるとサブカメラとしての需要も高まりそうだ。個人的にはメインカメラとしてのイメージは沸かないものの、サブカメラとしては十分に使えそう。

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