2016.7.6:暫定公開中。本文が現在随時追記中
まえがき
一眼カメラでファインダーを覗いていると、どうしてもローアングルやハイアングルの写真を撮り難い。それは、しゃがんで撮る必要があったり、手を上に伸ばして高めのポジションにすると撮影範囲を確認出来なくなってしまうからだ。
そんなシチュエーションにはバリアングルモニターを搭載するカメラがとても心強い。地面スレスレまでカメラを下げてもバリアングルモニターで簡単に撮影範囲やフォーカスポイントを確認する事ができる。モニターが動かなければ地面に寝そべったり、モニターを確認せずに当てずっぽうでシャッターを切る他無い。
現在は、小型なミラーレス一眼カメラでもバリアングルモニターの導入は進んでいるが「OM-D E-M5 MarkII」や「PEN-F」の様な10万円前後する高級機や「LUMIX DMC-G7」「LUMIX DMC-GX8」の様に一眼レフとあまり変わらない大ぶりなボディになるモデルが多い。
それならいっそ、本格的なミドルクラス一眼レフカメラでバリアングルモニターが搭載されているモデルを選択してみるのもアリだろう。今回は現行の国産一眼レフメーカーである「キヤノン」「ニコン」「リコーイメージング」から最新モデルを1台ずつチョイスしてみた。
機種紹介
センサー・AF性能が飛躍的向上したEOS 80D
旧モデル「EOS 70D」と比べて有効画素数やダイナミックレンジが向上した2400万画素センサーをはじめ、現行の画像処理エンジン「DIGIC6」を搭載し高感度のノイズ処理性能の向上、APS-Cハイエンド機である「EOS 7D Mark II」に採用されている低ショックなミラー機構を取り入れている。低感度のダイナミックレンジに関しては、従来のAPS-Cモデルよりも頭一つ抜きん出る性能を持っている。
さらに、オートフォーカス性能が飛躍的に向上しており、広範囲をカバーする測距点は全てクロスセンサーであり、F8に対応するポイントが27点も存在する。
シャープネス設定の細分化やピクチャースタイルの追加など、細かい点でも改善や追加機能が施されており競合を含めた「APS-C一眼レフ」のカテゴリでは上位に位置づけされるモデルだ。
ペンタックスの技術が惜しみなく投入されたPENTAX K-70
基本的な外観は前モデル「K-S2」を踏襲しているものの、中身が部分的に大きく変化している。
特にペンタックスのミドルクラスとしては初となる超解像撮影モード「リアルレゾリューション」が使える点やライブビュー時に位相差AFとコントラストAFを組み合わせて作動させる「ハイブリッドAF」が搭載されている。
さらに今年の春に発売されたフルサイズ一眼レフ「PENTAX K-1」で初披露された新機能が惜しむこと無くK-70に盛り込まれている。
ニコン初のタッチパネル搭載一眼レフカメラ D5500
基本スペックはD5300とあまり変わらないが、ニコンとしては初となるタッチパネルに対応した液晶モニタを搭載した一眼レフカメラ。
初導入ながらタッチ機能は意欲的に導入しており、キヤノンではまだ導入されていない「タッチFn」機能が採用されている。D5300で定評のある高感度性能に加えて、軽量だったボディがさらに軽量化を施されている。
EOS 80DやK-70と比べてワンランク下のモデルにはなるものの「これで十分」という人にはしっかり応えてくれるカメラになっている。
外観比較
正面
全体的にEOS 80Dがひと回り大きいサイズとなっている。3つのミドルモデルの中では最も高価で操作性に富んでいるので当然と言えば当然の結果。
とは言え、K-70やD5500の操作性も負けておらず、K-70・D5500にもマウント側面にファンクション機能を持つ物理ボタンが配置されている。
背面
上面
物理ボタンが多いEOS 80Dは直感的な操作を行うにはとても便利。特にサブ液晶の表示位置とボタン配置がマッチしているので、確認しながら操作しやすいポイントは大きい。AFエリア・AFモード変更やドライブを頻繁に切り替えるスタイルであれば、K-70やD5500では煩雑に感じる操作性だろう。
スペック比較
EOS 80D | PENTAX K-70 | D5500 | |
センサー有効画素 | 2420万画素 | 2424万画素 ローパスフィルターレス |
?2416万画素 |
記録形式 | RAW 14bit | RAW 14bit (DNG可) | ?RAW 12bit 14bit |
記録媒体 | SDXC UHS-I対応 | SDXC UHS-I対応 | SDXC UHS-I対応 |
ファインダー | 視野率 100% 0.95倍 固定式 ペンタプリズム |
視野率 100% 0.95倍 交換式 ペンタプリズム |
視野率 95% 0.82倍 ペンタミラー |
ライブビュー | デュアルピクセルCMOS AF | 位相差+コントラストAF | コントラストAF |
モニター | 3.0型 104万ドット タッチパネル・バリアングル |
3.0型 92.1万ドット バリアングル |
3.2型 104万ドット タッチパネル・バリアングル |
オートフォーカス | 45点 45クロス F8対応 27点 EV-3-18 |
SAFOX 10 11点測距 9点クロス EV-3-18 |
39点 9点クロス EV-1-19 |
ISO感度 | 100-16000 H(25600相当) |
100-102400 | 100-25600 |
露出測光 | 7560画素RGB+IR | 77分割測光 | 2016分RGB割測光 |
露出補正 | +/-5 | +/-5 | +/-5 |
シャッター | 1/8000 | 1/6000秒 | 1/4000秒 |
ドライブ | 7.0コマ秒 RAW20コマ |
6.0コマ秒 RAW10コマ |
5.0コマ秒 |
フラッシュ | 搭載 ガイドナンバー12 同調1/250秒 |
搭載 ガイドナンバー12 同調1/180秒 |
搭載 ガイドナンバー12 同調1/200秒 |
動画 | FHD 59.94p | FHD 60i | FHD 60p |
手振れ補正 | レンズ側手振れ補正 | ボディ内手振れ補正 | レンズ側手振れ補正 |
電子水準器 | 可能 | 2軸 | 非搭載 |
WiFi | 搭載 NFC対応 | 搭載 | 搭載 |
バッテリー | LP-E6N 860枚 |
D-Li109 480枚 |
EN-EL14a 820枚 |
サイズ | 139.0*105.2*78.5 | 125.5*93.0*74.0 | 124*97*70 |
重量 | 730g | 688g | 470g |
備考 | 高輝度側・階調優先 フリッカー低減 マイメニュー オートライティングオプティマイザ |
ローパスセレクター 肌色補正 明瞭コントロール リアルレゾリューション |
アクティブD-ライティング タッチFn |
EOS 80Dのメリット・デメリット
メリット
APS-Cの一眼レフの中では万能で高機能性なモデルに仕上がっている。
特に前モデルEOS 70Dと比べて、AF性能はグッと向上しているので訴求力は高い。また、ピクチャースタイルに新モードが追加されていたり、NFC対応や強化された防塵防滴など細かい見どころも多い。
- 改善したデュアルピクセルCMOS AFによる快適なバリアングル・ライブビュー
- APS-Cクラスの中では使い勝手の良好なAF性能
- 高級ミドルクラスらしい1/8000秒のメカシャッター
- フリッカー低減機能
- 機能性を高める物理操作ボタンが多い
デメリット
- 価格が高い
- サイズが大きい
- 防塵防滴仕様のAPS-C専用レンズが無い(レンズがフルサイズ用の大きいものになる)
APS-C一眼レフ機の中ではやや高価な部類のカメラになり、3モデル中では最も高い。また、サイズもそこそこ大きいのでカバンなどでの携帯もあまりよろしくない。
特に防塵防滴を活用する場合には大振りなフルサイズ用Lレンズとの組み合わせが必須に近い状態。また、広角レンズの場合にはLレンズを使うと画角が狭くなってしまうので活用が難しい。
APS-C用の純正レンズ「EF-Sシリーズ」は基本的なズームレンズとかなり平凡な明るさを持つコンパクトな単焦点レンズしか存在しない。しかも単焦点レンズはお世辞にも高速AFとはいえない代物だったりする。反面、現行の望遠ズームレンズが評価が高く手頃で手に入るのでオススメ。
望遠・超望遠レンズを使う機会が多く、動き物を撮るのであればこれをチョイスしよう。
PENTAX K-70のメリット・デメリット
メリット
- ローパスフィルターレスによるヌケの良い描写
- RAW形式にDNG選択可能
- PENTAXでは初の位相差AFが使えるライブビューAF
- ボディ内ブレ補正及び、機構を活用する機能(RRS・ローパスセレクタ等)
- 2軸電子水準器
- 明瞭コントロール・肌色補正
- 防塵防滴・簡易防滴のAPS-C用レンズが多い
デメリット
- RAW形式で連写はバッファが詰まりやすい
- AF測距点が少ない
特にオススメなポイントは高解像度の撮影が出来る点と防塵防滴仕様のKマウントレンズが多い点にある。アウトドアで壮大な風景を切り取るには申し分ない高解像度を得るとともに、急なコンディションの変化にも対応出来る点は素晴らしい。まさにアウトドアの為のカメラだ。
泣き所は旧モデルから変わらないAF性能。動き物を撮るにはやや少なく範囲の狭い測距点を使うことになる。いっその事、バリアングルモニターを使った位相差AFの方がうまくいくかもしれない。
D5500のメリット・デメリット
メリット
- ニコン一眼レフでは初となるタッチパネル搭載
- タッチFnによりファインダーを覗いたまま測距点の選択が可能
- 軽い
- 比較的安い
- 大口径のDXフォーマット単焦点
デメリット
- 防塵防滴ではない
- シャッタースピードが1/4000秒まで
- ファインダーがやや見づらい
スペックを単純に比較するとEOS 80DやK-70には劣ってしまうものの、画質はかなり良好。使い勝手を我慢して、余った資金をレンズに使えばEOS 80DやK-70よりも満足度が高くなるかもしれない。
特にニコンDXフォーマットには純正で大口径のレンズが数点存在する他、マクロレンズや定番のズームレンズが一通り揃っている。キヤノンEF-Sレンズほど爆速では無いものの、ファミリーユースで使うのであれば必要十分な性能だろう。
購入早見表
EOS 80D
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