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キヤノン RF16-28mm F2.8 IS STM レンズレビュー 完全版

このページでは「RF16-28mm F2.8 IS STM」のレビューを掲載しています。

RF16-28mm F2.8 IS STMのレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 F2.8ズームとしては手頃
サイズ とても小さい
重量 とても軽い
操作性 沈胴構造・ズーム域狭い
AF性能 必要十分
解像性能 遠景でとても良好
ボケ 口径食の影響あり
色収差 良好な補正状態
歪曲収差 補正必須
コマ収差・非点収差 良好な補正状態
周辺減光 全体的にF2.8で目立つ
逆光耐性 絞ると光条が綺麗
満足度 小型軽量ながら優れた性能

評価:

ポイント

小型軽量ながら優れた性能

28-70mm F2.8と同じく、妥協を伴うものの良好な光学性能を備えたレンズ。沈胴構造で使用時にレンズの展開が必要、RAWの歪曲収差、レンズフード別売りなどの点を理解しておけば、満足度の高い大口径の広角ズームレンズになると思います。ズーム域は狭いものの「明るさ」と「光学性能」を両立した広角レンズとしてはコストパフォーマンスが良好。

Like the 28-70mm F2.8, this lens offers good optical performance with some compromises. If you understand that it has a retractable lens barrel that needs to be extended for use, RAW distortion, and that the lens hood is sold separately, this should be a satisfying large-aperture wide-angle zoom lens. Although the zoom range is narrow, it offers good value for money as a wide-angle lens that combines brightness and optical performance.

まえがき

2025年1月23日に発表されたキヤノン2本目となる「非L」のRFマウントF2.8 大口径ズームレンズ。1本目の「RF28-70mm F2.8 IS STM」と同じ特徴(沈胴構造)を備え、小型軽量なレンズサイズを実現。Lシリーズと比べると手ごろな価格で導入しやすいのが魅力的。

主な仕様

発売日 2025年2月21日
初値 188,100円
レンズマウント RF
対応センサー フルサイズ
焦点距離 16-28mm
レンズ構成 13群16枚
UD ×4
GMo非球面 ×1
レプリカ非球面 ×1
開放絞り F2.8
最小絞り F22
絞り羽根 9枚
最短撮影距離 0.2m(28mm時)
最大撮影倍率 0.26倍(28mm時)
フィルター径 Φ67mm
手振れ補正 搭載
テレコン -
コーティング スーパースペクトラコーティング
サイズ 約Φ76.5×91mm(収納時)
・112.8mm(16mm時)
・102.1mm(28mm時)
重量 約445g
防塵防滴 対応
AF STM
絞りリング -
その他のコントロール 沈胴構造

価格のチェック

国内での初値は約19万円。非Lシリーズのレンズとしては決して安い価格ではないものの、「RF15-35mm F2.8 L IS USM」(約30万円)と比べると遥かに手ごろな価格。

RF16-28mm F2.8 IS STMレビュー

外観・操作性

箱・付属品

キヤノンらしい黒を基調としたシンプルなデザインの箱。
EOS R5 Mark IIと同じく、環境に配慮した梱包材に切り替わっており、プラスチック素材の梱包材がなくなっています。

レンズ本体のほか、書類を除けば同梱するのは前後のレンズキャップのみ。
非Lシリーズのレンズらしく、レンズフードは別売り。キヤノン以外で10万円を超えるレンズにフードが同梱していないブランドはありません。驚くほど高いフードでもないので、出来れば同梱品として扱ってほしいところ。

外観

RFレンズらしく、外装はプラスチック製でグレーの塗装が施されています。ブラック寄りのLシリーズレンズと比べると、グレー味の強いカラーリング。色の違いを除けば、Lシリーズと同程度の質感であり、見劣りはしません。ズームリングは従来通りゴム製で、コントロールリングはローレット加工の施されたプラスチック製。

ズーム時に伸びる内筒もプラスチック製。金属製の内筒ほど頑丈な質感ではないものの、がたつきなどはありません。レンズは防塵防滴仕様であり、可動部には専用のシーリングが備わっています。

ハンズオン

重量は500g未満とF2.8ズームレンズとしては軽量。防塵防滴に対応、そして手振れ補正を搭載しつつ、シグマ「16-28mm F2.8 DG DN」と同程度の重量を実現しています。本レンズは携帯性が良く、機能的な大口径ズームと言えるでしょう。

前玉・後玉

防塵防滴仕様ですが、レンズ前面にフッ素コーティングの記述はありません。水滴や油汚れ、ダメージが想定される現場では、予め保護フィルターを用意しておくことをおススメします。フィルター径はRF28-70mm F2.8 IS STMと同じ。

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金属製レンズマウントは4本のビスで本体に固定。周囲には防塵防滴用のシーリングがあります。マウント付近には製造国が「日本」であることを示す刻印あり。レンズ最後尾はマウントから突出した位置にあり、レンズ交換時などに傷つけないように気を付けたいところ。

フォーカスリング

コントロール兼フォーカスリングの役割を持つリングを最前部に搭載。適度な抵抗感で滑らかに回転しますが、クリック感はありません。静止画用途の露出補正や絞り値調整は難しい可能性あり。MFリング時のストロークはカメラ側で変更可能。

ズームリング

16-28mmの間で調整でき、16mmを超えて広角側へ回転させることで内筒を収納することが可能。沈胴時のロック機構はありませんが適度な抵抗感で操作に問題はありません。抵抗は重すぎず軽すぎずと言ったところ。

防塵防滴仕様ですが、ズームリングは硬すぎず、緩すぎず、ちょうどいい抵抗感。弱めの力で操作し始めることができ、ズーム全域で引っ掛かるポイントはありません。

内筒格納状態から16mmまで回転した時点で、内筒が2cmほど伸びます。16mmの段階で内筒が最も長く伸び、望遠側へズームすることで僅かに縮む。外装を16mmの長さにしておけば実質的にインナーズームだったと思いますが、敢えて沈胴構造を採用したことで携帯性が大幅に改善しています。

レンズフード

別売り花形フードを導入。「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」用と同じもの。
シンプルなデザインのフードであり、ロックボタン以外にギミックは無し。逆さ付けに対応。

装着例

EOS R5 Mark IIに装着。
RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」のようなサイズ感のF2.8ズームレンズ。使用時は鏡筒が伸びるものの、少なくとも収納性は非常に良好。普段使いに適したF2.8ズームと言えそうです。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスはステッピングモーター駆動で動作。十分高速ですが、NanoUSMほど電光石火ではありません。特に望遠側での合焦速度がワンテンポ遅い印象あり。と言っても、STMで十分高速であり、大部分の撮影で大きな問題はないと思います。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

「RF28-70mm F2.8 IS STM」と比べるとピント位置による画角変化が少し目立ちます。

16mm

20mm

24mm

28mm

精度

EOS R5 Mark IIとの組み合わせで問題無し。

MF

  • 最短撮影距離:0.2m(28mm時)
  • 最大撮影倍率:0.26倍(28mm時)

撮影倍率が最も高いのは28mmですが、最短撮影距離はズーム全域でほぼ同じ。同じ撮影位置から画角を変化させることができます。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R5 Mark II
  • 交換レンズ:RF16-28mm F2.8 IS STM
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

16mm

遠距離ではF2.8から非常に良好でしたが、近距離、特に接写に近い撮影距離では周辺部に向かってパフォーマンスが大幅に低下。絞ると改善するものの、少なくともF4.0、できればF5.6まで絞りたいところ。隅は絞ると良好ですが、RAWでは歪曲収差が大きく、測定ソフトで検出が難しくなっています。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 3901 2476
F4.0 4642 3689
F5.6 4789 4258 3611
F8.0 4527 4510 4085
F11 4189 3999 4060
F16 3647 3438
F22 2931 2836 2662
実写確認

20mm

16mmと同じく接写では特に周辺や隅でパフォーマンスが低下。2段絞ることでベストな結果を得ることが出来ます。歪曲の影響は16mmよりも軽度。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 4176 3133 2476
F4.0 4601 3724 3097
F5.6 4310 4489 4301
F8.0 4329 4171 4065
F11 4408 4177 3844
F16 3745 3529 2775
F22 3011 2841 2706
実写確認

24mm

16mmや20mmと比べると、中央はF2.8から良好な結果。周辺や隅は広角側と同じく、2段絞ると改善。ただし、隅のパフォーマンスは改善速度が遅く、ピークの結果を得るにはF8まで絞る必要があります。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 4330 3128
F4.0 4408 3546 3047
F5.6 3983 4460 3515
F8.0 4120 4483 3724
F11 4137 4286 4158
F16 3809 3502 3748
F22 3030 3233 2932
実写確認

28mm

望遠端ではF2.8のパフォーマンスが全体的に悪化。絞れば改善するものの、絞り開放では中央もややソフトな結果となります。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 3513 2296 1961
F4.0 3730 3403 2692
F5.6 3289 3887 3545
F8.0 3730 4528 4033
F11 3892 4404 3710
F16 3364 3431 3480
F22 2961 2848 2896
実写確認

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2025.02.24 くもり 微風
  • カメラ:EOS R5 Mark II
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:Ba Fang BFC-01A ギア雲台
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Adobe Lightroom Classic 現像
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ

16mm

歪曲収差が大きいものの、補正後に実際に使う領域は絞り開放から良好。絞ることで細部のコントラストが僅かに改善しますが、F2.8から実用的な画質で間違いなし。像面湾曲の影響も目立ちません。

中央

周辺

四隅

20mm

基本的に16mmと同じ。F2.8からフレーム全域で良好な結果。フレーム隅は周辺減光の影響があるものの、細部のシャープネスやコントラストの低下はありません。

中央

周辺

四隅

24mm

引き続き、F2.8から全体的に良好な結果。F5.6付近まで絞ると、さらに良好な結果。

中央

周辺

四隅

28mm

広角端やズーム中間域と比べるとF2.8の画質がごく僅かにソフト。絞ると徐々に改善し、F5.6付近でピークとなる。「低価格で小型軽量な広角ズームとしては」という枕詞なしに良好と言える性能。

中央

周辺

四隅

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

16mm

補正オフの状態でも色収差は特に目立ちません。良好な補正状態です。

20mm

16mmと同じく、良好な補正状態。

24mm

引き続き、色収差に関する大きな問題はありません。

28mm

望遠端の28mmでも他の焦点距離と同様。良好な補正状態です。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

16mm

絞り開放から軸上色収差に関する大きな問題はありません。

20mm

16mmと同様。

24mm

問題無し。

28mm

他の焦点距離と比べて、僅かに色収差が大きくなっています。とはいえ、ほぼ無視できる範囲内であり、問題ではありません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

補正済みの出力

16mm

かなり極端な樽型歪曲。RFレンズではお馴染みの設計と言えますが、本レンズはその中でもやや強めの歪曲収差が残存。特に四隅はイメージサークルが足りていないように見えるため、歪曲収差による補正と引き延ばしは必須。

20mm

16mmのようなケラレと歪曲収差ではないものの、未補正では目立つ樽型の歪曲収差が残っています。やはり補正必須。

24mm

20mmと同程度か、少し改善。

28mm

24mmと同程度の強い樽型歪曲。ズーム全域で強めの歪曲収差があるため、RAW現像ではレンズプロファイルを使った補正は必須。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

16mm

良好な点像再現性とは言えないものの、コマフレアは目立たないように見えます。

20mm

若干のコマ収差が残存していますが影響は軽微。

24mm

20mmもやや目立つ結果。絞ると改善します。

28mm

20mmと同程度。

球面収差

16mm

完璧とは言えませんが、全体の結果に影響を及ぼすような収差ではありません。

20mm

16mmと同程度。

24mm

広角側よりもやや目立ちますが、それでも軽微な問題。

28mm

24mmと同程度。軸上色収差の影響が少し増加していることが分かります。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

縁どりが柔らかく、滲むようにボケています。残存する球面収差により、柔らかい描写となっているようです。

前ボケ

後ボケとは反対に、縁どりが硬い、雑然とした描写。個人的には好ましくないと考える描写ですが、広角ズームレンズで前ボケを重視する機会は少ない。過度に心配する問題ではありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

16mm

中央から広い範囲できちんとした玉ボケ。ただし、フレーム端や隅では口径食の影響があるのかボケが欠けています。F4まで絞ると解消しますが、ボケはかなり小さくなる。

玉ねぎボケの影響は軽微で、低価格の大口径ズームレンズながら良好な結果が得られています。

20mm

基本的には16mmと同じ傾向で、四隅の口径食は緩和しています。F4まで絞るとほぼ改善。

24mm

F2.8からフレーム全体でほぼ問題のない結果を得ることが出来ます。

28mm

24mmとよく似た傾向が続きます。

ボケ実写

16mm

玉ボケの結果と同じく、フレーム端や隅んで口径食が見られます。しかし、全体的な描写は(広角ズームレンズとして)良好。撮影距離が長くなっても、過度に雑然とした印象を受けません。

28mm

28mmの結果も悪くなく、「RF28-70mm F2.8 IS STM」の広角端よりも口径食が少なめ。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

16mm

大きな被写体を背景から分離できるレンズではありません。しかし、十分に近寄ることが出来れば、良好な結果を得ることが出来ます。

28mm

16mmと同じく特性。ボケを大きくする場合、バストアップか顔のクローズアップになると思います。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

16mm

イメージサークルの不足もあり四隅はかなり暗い。しかし、全体的な影響は軽微で、歪曲収差を補正すれば周辺減光の効果は限定的。1段絞ると改善します。

最短撮影距離

無限遠

20mm

隅のケラレはないものの、周辺部の減光効果は同程度。むしろ、中央付近の減光効果は少し強くなっています。

最短撮影距離

無限遠

24mm

隅に向かって光量の落ち込みは目立たなくなるものの、中央から穏やかに光量が低下しています。特に無限遠では減光が影響する範囲が広く、レンズ補正が必須と感じるかもしれません。

最短撮影距離

無限遠

28mm

望遠端の28mmでは隅に向かって光量の低下が強くなり、かつ中央からの影響も目立ちます。絞ることで大幅に改善。

最短撮影距離

無限遠

逆光耐性・光条

16mm

RF28-70mm F2.8 IS STM」と同程度。光源付近のフレアは抑えられていますが、レンズ間面反射と思われるゴーストが複数発生。絞り開放からやや目立ち、絞るとさらに悪化します。

中央

28mm

広角側と同程度。

中央

光条

F11から明瞭で先細りするシャープな光条が発生。非常に綺麗な光条であり、回折の影響が少ないF11付近から利用することが出来ます。「RF28-70mm F2.8 IS STM」と同じ使い勝手。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 小型軽量
  • 純正 F2.8ズームとしては低価格
  • 非Lながら防塵防滴
  • 3系統スイッチとコントロールリング
  • 最短撮影距離が短い
  • ズーム全域で良好な遠景解像性能
  • 色収差補正が良好
  • 滑らかな後ボケ
  • 絞ると綺麗な光条

RF28-70mm F2.8 IS STM」と同様に携帯性の高いF2.8ズームレンズ。手ごろな価格と小型軽量を実現しつつ、大部分の撮影でシャープな結果がえられる光学性能を両立。明るい広角ズームレンズが必要な人にとって面白い選択肢。

悪かったところ

ココに注意

  • 沈胴構造のため展開が必要
  • ズーム域が狭い
  • レンズフードが別売り
  • 接写時の周辺部で画質低下
  • 広角側に極端な歪曲収差
  • 逆光時にゴーストが目立つ

特に気を付けたいのは広角側のRAW。ケラレを伴う大きな樽型歪曲が発生しているので補正必須。手動修正は難しいと思うので、レンズプロファイルが必要と思われます。レンズプロファイルによる補正込みで考えると、画質で注意すべき弱点は特になし。敢えて言えば、接写時に周辺画質が低下すること。

基本仕様での注意点はズーム域が狭いこと。超広角16mmから広角28mmまで対応。狭くても28mmであり、画角を狭くしたいときはクロップやトリミングをする他にありません。30mmや35mmまでをカバーしている他のズームレンズと比べると明らかに不便と感じる場合があります。

結論

28-70mm F2.8と同じく、妥協を伴うものの良好な光学性能を備えたレンズ。沈胴構造で使用時にレンズの展開が必要、RAWの歪曲収差、レンズフード別売りなどの点を理解しておけば、満足度の高い大口径の広角ズームレンズになると思います。ズーム域は狭いものの「明るさ」と「光学性能」を両立した広角レンズとしてはコストパフォーマンスが良好。

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競合製品について

RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM

16-28mm F2.8と比べると開放F値が大きいものの、15mmの広い画角から30mmの準広角までをカバーしています。価格は半値。

光学性能は16-28mm F2.8ほどではなく、防塵防滴に非対応ではあるものの、エントリーしやすい広角ズームレンズとしてはおススメしやすい製品。沈胴構造ではないので、レンズを展開する必要が無いのも一つの特徴。

F2.8である必要が無いのであれば、15-30mmのほうが使いやすいと感じるはず。

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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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