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VILTROX AF 56mm F1.2 Pro レンズレビュー完全版

このページでは「VILTROX AF 56mm F1.2 Pro」のレビューを掲載しています。

製品提供について

このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(2週間)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。2週間と短い試用期間、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

VILTROX AF 56mm F1.2 Proのレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 F1.2 AFレンズとしては安い
サイズ 56mmレンズとしては大きい
重量 56mmレンズとしては重い
操作性 この種のレンズとして充実
AF性能 拡大AF以外は良好
解像性能 フォーカスシフトの影響を除けば良好
ボケ 滑らかで綺麗
色収差 良好な補正状態
歪曲収差 穏やかな糸巻き型
コマ収差・非点収差 軽微な影響
周辺減光 無限遠側でやや目立つ
逆光耐性 フレアが抑えられている
満足度 優れたコストパフォーマンス

評価:

ポイント

互換性の問題はあるものの優れたコストパフォーマンス

APS-Cミラーレスカメラで本格的なポートレートレンズを探しているのであれば検討すべき製品の一つ。光学性能やAF性能を考慮するとコストパフォーマンスは高い。シグマなど競合製品が存在しますが、全部入りのレンズを探しているのであればおススメ。

フォーカスシフトの影響や拡大AFでの軽微な動作不良が発生するため、互換性は完璧ではありません。
失敗が許されない撮影では事前に動作を確認しておくと良いでしょう。

まえがき

VILTROX3本目となるAPS-C F1.2 Proシリーズレンズ。
35mm判換算で約85mmに相当する中望遠でF1.2の大口径を実現しています。全体的なデザインは従来通り。ただし、過去2本のレンズはステッピングモーター(STM)を使用していましたが、今回はボイスコイルモーター(VCM)を採用。より高速で滑らかなAFを期待できそうです。

主な仕様

同シリーズの「VILTROX AF 27mm F1.2 Pro」とほぼ同じレンズサイズ・重量。APS-C F1.2レンズを揃えるのであれば、面白い組み合わせとなりそうです。

全く異なる光学系ですが、レンズ構成枚数や最短撮影距離などは富士フイルム「XF56mmF1.2 R WR」とよく似ています。

レンズマウント E / X
対応センサー APS-C
焦点距離 56mm
レンズ構成 8群13枚
開放絞り F1.2
最小絞り F16
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.5m
最大撮影倍率 不明
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 不明
サイズ Φ78.4mm×92mm
重量 約575g
防塵防滴 対応
AF VCM
絞りリング 搭載
クリック切替対応
その他のコントロール AFMF
AFLボタン
付属品 レンズキャップ
レンズリアキャップ
レンズフ-ド
収納袋

価格のチェック

AF駆動はVCMにアップグレードしていますが、販売価格は他のF1.2 Proと同程度。富士フイルムの競合製品と比べると価格は2/3程度で、手頃な価格で導入できるF1.2レンズとなっています。

VILTROX AF 56mm F1.2 Pro
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

これまでのVILTROX製品の箱は白を基調としたデザインでしたが、Proシリーズは黒を基調としたデザインを採用。Labのようなマットブラックではなく、少し光沢のある黒色。外装にはVILTROXのロゴとと共に、レンズ外装の画像がプリントされています。

レンズ本体のほか、レンズフードやポーチ、保証書などが付属。

外観

外装は金属製。フォーカスリングと絞りリングはどちらも金属製で、ゴム製カバーは無し。
デザインはProシリーズで一貫しています。

レンズを前後に倒すと「カタカタ」と音がしますが、これは通電していない時にボイスコイルモータ駆動のフォーカスレンズが固定されていないため。他社でよく見る仕様であり、特に不思議なことではありません。

コントロール以外の意匠は最小限。側面に「Pro」のバッヂを配置しているのみ。マウント付近にはシリアルナンバーなどのシールが張り付けられています。

ハンズオン

75mm F1.2 Proほどではないものの、富士フイルムの56mm F1.2 R WRと比べると少し大きく重めのレンズです。グリップの小さなAPS-Cカメラでは保持が難しい。

VILTROX FUJIFILM
レンズ構成 8群13枚 8群13枚
サイズ Φ78.4mm×92mm φ79.4×76mm
重量 約575g 約445g

前玉・後玉

67mm径の円形フィルターに対応。富士フイルムと同じサイズであり、このクラスでは一般的。

前玉周辺にはレンズ銘や撮影距離などを白字で記載。個人的に、白字はフィルター装着時に反射で写りこむ可能性があるので好きではありません。

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金属製レンズマウントは5本のビスで本体に固定。周囲には耐候性を確保するシーリングとファームウェアアップデート用のUSB-Cポートを備えています。

フォーカスリング

適度な幅の金属製フォーカスリングを搭載。ソニーとよく似た抵抗感ですが比較的重め。回転速度による変化がないリニアレスポンスで動作。再現性が高く、使いやすい。そしてピント全域のストロークが270°ほどあるため、正確な操作が可能です。

絞りリング

感触はシグマのI Seriesとよく似ていますが、クリック感は弱め。クリック無しの無段階操作にも対応しています。

スイッチ類

適度なクリック感のあるFnボタンを搭載。表面はゴム製で深めに押し込むことができますが、動作するまでのストロークは浅い。AF/MFスイッチの操作性に問題はありませんでした。

レンズフード

花形のプラスチック製レンズフードが付属。直毛やゴムカバーはありませんが、本体にしっかりと固定可能。やや深めのレンズフードなので、逆さ付けの時はフォーカスリングが覆い隠されます。

装着例

α7R Vに装着。
APS-C用の中望遠レンズとしては大きく重いものの、F1.2レンズとしては許容範囲内。とはいえ、グリップの大きなカメラと組み合わせて使うことをおススメします。

AF・MF

フォーカススピード

ボイスコイルモーター2基を使用したリニア駆動。至近から遠景へのピント移動は電光石火と言えませんが、ストレスがない程度に素早く動作します。一般的な撮影距離では電光石火と評価できるほど高速。(ただしAF-Cに限る)

AF-S/AF-Cともに問題ありませんが、拡大AFを使用すると動作が不安定。また、被写体検出利用時にAFの挙動がおかしくなる時が稀にありました。このあたりはファームウェアアップデートで改善することを期待。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

皆無ではないものの、目立たない程度に抑えられています。

精度

拡大AFを使わない限り、α7R Vとの組み合わせで問題ありませんでした。

MF

前述したように、約270°のストロークを持つリニアレスポンスのフォーカスリングを利用可能。応答性や滑らかさに問題はなく、近距離チャートテストでの微調整でも問題ありませんでした。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM5
  • 交換レンズ:VILTROX AF 56mm F1.2 Pro
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

F1.2の絞り開放から隅まで安定した結果。ただし、近距離の絞り開放付近は球面収差の影響かAF時のパフォーマンスが不安定(α7R Vと組み合わせると、絞り開放測距となるのでフォーカスシフトの影響がある)。

絞った状態からMFでピントを合わせると上図のように安定した結果が得られます。中央から周辺までの広い範囲はF1.2から優れた結果が得られ、隅もF2.8で画質が改善します。F4まで絞ればフレーム全体で一貫した画質を得ることが可能。

中央

F1.2の絞り開放からシャープでコントラストが高い。絞るとコントラストが少し改善しますが、2600万画素センサーでこれ以上の改善は期待できません。絞り開放からほぼピークの性能。

周辺

中央と同程度の優れた結果が得られました。やはり絞りによる改善効果は僅か。

四隅

中央や周辺と比べると僅かにソフトですが、F1.2から画質は安定しています。絞るとシャープネス・コントラストが徐々に改善。ピークはF5.6くらいまで絞ったとき。

数値確認

MF時
Center Mid Corner
F1.2 3605 3475 2730
F1.4 3706 3303 2706
F2.0 3909 3352 2852
F2.8 3782 3289 3144
F4.0 3858 3697 3607
F5.6 3928 3939 4193
F8.0 3764 3614 3681
F11 3453 3539 3426
F16 2826 2908 2932
AF時
Center Mid Corner
F1.2 3377 3207 2633
F1.4 3266 3614 2554
F2.0 4071 3204 3264
F2.8 3764 3539 3364
F4.0 3559 3529 3722
F5.6 3749 3764 3814
F8.0 3428 3489 3412
F11 3099 3339 3096
F16 2735 2965 2484

競合製品との比較

VILTROX Air シリーズの56mm F1.7と比べると、F1.2の絞り開放から遥かに良好な結果が得られています。F2.8-4まで絞ると差は縮まりますが、F1.2付近を使う場合はF1.2 Proのほうが優れています。

シグマのF1.4 DC DNは安くて性能の良いレンズです。F1.2や防塵防滴などが必要なければシグマを要検討。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2025.9.2 晴れ 微風
  • カメラ:α7R V
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:ArcaSwiss Z1+
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Lightroom Classic
    シャープネスオフ
    ノイズリダクションオフ
    レンズ補正オフ

テスト結果

中央

絞り開放から良好な解像性能を発揮。絞っても大きな変化や改善はありませんが、細部のコントラストが少し向上します。APS-C中望遠レンズの中でも特に優れた性能。

注意点として、絞り開放でのピント合わせ後に絞るとフォーカスシフトでピントの山が移動します。F1.2付近で遠景を撮影する機会は少ないと思いますが、ベストを尽くす場合は実絞りのMFでピント合わせがおススメです。

周辺

中央とよく似た結果。絞り開放からシャープな結果となり、絞るとマイクロコントラストが改善します。

四隅

中央や周辺と比べると、コントラストがやや低い。これはコマ収差の影響であり、絞ることで徐々に改善します。解像性能はF2-2.8まで絞るとピークに達しますが、さらに絞るとコントラストの改善が続きます。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放 F1.2から像面湾曲の影響は目立ちません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り全域で倍率色収差は良く補正されています。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

完璧な補正状態ではないものの、F1.2の大口径レンズとしては良好。僅かに色収差が残存していますが、実写で問題となる可能性は低い。

作例を見ると、絞っても手前の被写界深度が広がっていないことが分かります。これはピントの山が後方へシフトしているため。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

穏やかな糸巻き型歪曲が発生。無視できる程度。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

フレーム全体からすると軽微な影響ですが、細部を拡大すると収差の影響は明らか。絞ることで改善しますが、F2.8まで絞っても完璧ではありません。

球面収差

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

縁どりが目立たない柔らかい描写。軸上色収差の影響が僅かに残存していますが、無視できる範囲内に抑えられています。

前ボケ

後ボケと比べると縁取りが強く硬めの描写。とはいえ、大きな問題はありません、

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

妙なムラのない滑らかな玉ボケ。ただし、フレーム隅に向かって口径食の影響があります。これはF2くらいまで絞るとほぼ解消。絞り羽根が多く、絞っても玉ボケは円形を維持しています。

ボケ実写

至近距離

至近距離ではボケが大きく、質感を議論することはできません。細部をよく見ると、背景に向かって滑らかにボケているように見えます。

近距離

撮影距離が少し長い場合でも後ボケは滑らかで柔らかい描写。隅に口径食の影響が見られるものの、問題はありません。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、口径食の影響が広い範囲に及びます。それでも、悪目立ちする要素が少なく、良好な描写。口径食が気になる場合はF2くらいまで絞ると改善します。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F1.2)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

全身をフレームに入れる撮影距離ではフレーム端や隅のボケが少し騒がしくなる兆候あり。それでも、全体的に見ると良好な描写が大部分。膝上から上半身くらいまで被写体に近寄ると、欠点はほとんど目立ちません。口径食が気になる場合はF1.4-F2の間で調整すると良いでしょう。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

至近距離の撮影ではF1.2から周辺減光は穏やかで無視できる程度。F2.8までにほぼ解消します。

無限遠

至近距離とは打って変わって周辺減光が非常に目立つ。F2.8まで絞ると改善しますが、周辺に穏やかな減光が残ります。

逆光耐性・光条

中央

大口径レンズとしては絞り開放のフレアを良く抑えています。絞ってもゴーストの発生を良く抑えていますが、完璧ではありません。また、絞ると主張の強い光条が発生します。

光源を隅に移動した場合でもフレアの発生を良く抑えています。絞ると僅かにゴーストが発生するものの軽微な影響。

光条

F8.0付近でシャープな光条が発生。F11-16で描写はさらに明瞭となる。回折の影響を考慮すると、F8-F11あたりを使いたいところ。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 頑丈な金属鏡筒
  • 防塵防滴・フッ素コーティング
  • リニアレスポンスで使いやすいMFリング
  • クリック切替可能な絞りリング
  • AF速度がとても速い
  • 絞り開放から優れた解像性能
  • 像面湾曲の問題なし
  • 軸上色収差が軽微
  • 倍率色収差が無視できる程度
  • 穏やかな歪曲収差
  • 柔らかい後ボケ
  • 絞り開放の逆光耐性
  • 綺麗な光条

F1.2のAFレンズとしては安価な選択肢ですが、絞り開放から実用的な解像性能や収差の補正状態を実現しています。色収差やコントラスト低下に悩まされることなく、F1.2を楽しむことができるレンズとしてコストパフォーマンスが高い。

リニア駆動のAFは非常に快適で、絞りリングや防塵防滴の金属鏡筒など機能が充実。少し前の中国製レンズと異なり、逆光耐性もしっかりとしています。

肝心のボケ質は十分に良好と言える描写であり、硬すぎず、柔らかすぎず、良いバランス。

悪かったところ

ココに注意

  • 拡大AFが不安定
  • 大きく重い
  • フォーカスシフトの影響がある
  • 口径食・周辺減光が目立つ

光学性能に欠点はほとんどありませんが、大口径レンズらしく物理的な口径食や周辺減光は不可避。気になる場合は少し絞ったほうが良いでしょう(絞らなくても気にならない場合が多いですが)。

注意すべきはフォーカス関連。α7R Vとの組み合わせでは拡大AFが上手く動作しませんでした。また、フォーカスシフトの影響が発生するため、絞り開放測距の場合は絞った時にピントがずれる可能性あり。

結論

APS-Cミラーレスカメラで本格的なポートレートレンズを探しているのであれば検討すべき製品の一つ。光学性能やAF性能を考慮するとコストパフォーマンスは高い。シグマなど競合製品が存在しますが、全部入りのレンズを探しているのであればおススメ。

フォーカスシフトの影響や拡大AFでの軽微な動作不良が発生するため、互換性は完璧ではありません。
失敗が許されない撮影では事前に動作を確認しておくと良いでしょう。

競合製品について

VILTROX AF 56mm F1.7 Air

F1.2や耐候性、操作性が必要なければ、コストパフォーマンスの観点から圧倒的なレンズがこちら。優れた解像性能を発揮。前述したように互換性の問題が潜在しているものの、2万円台と手頃な価格を考慮するとおススメしやすい。

VILTROX AF 56mm F1.7
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SIGMA 56mm F1.4 DC DN

VILTROXよりも安価でコンパクトなF1.4レンズ。VILTROXほど高度な収差補正ではないものの、価格を考慮すると十分に高性能。ライセンス下で設計・開発されているためか、フォーカス周りに不具合が少ないのもメリットの一つ。

56mm F1.4 DC DN Sony E
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VILTROX AF 56mm F1.2 Pro
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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